安藤サクラ 撮影/廣瀬靖士

福ちゃんは、まっすぐに立って、まっすぐに前を見つめている女の子。今まで曲がった人間を演じることが多かったので、今回こんなにもまっすぐな女性を、長く演じる機会をいただけたことで、人間としても、女性としても、すごくいい生き物に生まれ変われるような気がしています!!

 10月1日よりスタートした連続テレビ小説『まんぷく』で、ヒロイン・今井福子を演じる安藤サクラ(32)。撮影のため、今は大阪で暮らしているが、

「みなさん壁がなくて、すぐに手を差しのべてくれるんです。こないだも、子どもを抱いて歩いていたら急に雨が降ってきて、知らない人が“これ使いな!!”って傘を差し出してくださって。スーパーのおばちゃんとかもすぐ冗談などを言ってくれたり、居心地がとてもいいんです」

 実は“朝ドラ”史上、子育て中の女優がヒロインを演じるのは初めて。オファーが来たときは「悔しかった」と振り返る。

乳飲み子がいるから、子育てに専念しなきゃいけない、そして妻としても家庭に入るべきだと思っていたので、このタイミングでオファーをいただけたことが、すごく悔しくて。“できっこない”って思っていたんです。身体はうれしさでしびれていたんですが、頭では“できない”と、矛盾していて。“この子がいなかったらやっていた”とは、絶対に思いたくなかったので、どうやってこの悔しさを子育ての糧(かて)にしようかと、悩んでいました」

 そんな安藤の背中を押してくれたのは“家族”の存在だった。

「子どもを産んで、なおかつ女優としても活躍してきた義理の母(角替和枝)からの“これをやらないんだったら、事務所も仕事も辞めちゃいな”って言葉が、覚悟を決めさせてくれて。夫(柄本佑)や両方のお父さんも“なんでそんな一大事みたいな顔をしているの? やってごらんよ”って、軽く背中を押してくれたので、一歩を踏み出すことができました」

安藤サクラ 撮影/廣瀬靖士

 長いキャリアの中でも、初めての朝ドラヒロインに奮闘中の安藤。そんな彼女の今の“等身大”の目標は……?

最初は自分おばちゃんだし、ヒロインとして映ることに、すごく不安があったんです。それを、スタッフのみなさんの力で、私をヒロインにしてくださって。モニターを見たとき“すごい、朝ドラみたい!”って言ってしまったくらい(笑)。私にとっては一生に1度のヒロインだけど、スタッフのみなさんにとっては何本も作っている朝ドラの1本。だからこそ、いつかこの作品を思い出したときに、いい思い出になっているようにするのが、今のいちばんの目標かもしれないです

私のこだわり飯

「白米と納豆が好きで、食べていない日が続くと、身体がもしゃもしゃしてきます(笑)。あと、お箸で食べ物を口に運ぶことに、ホッとします。『まんぷく』の食事シーンは、日本人の心が豊かになるような食卓で、私も娘にそういった食卓を伝えていきたいなと思っています」