IKKOと和泉元彌のモノマネでブレイクのチョコレートプラネット(左が松尾駿、右が長田庄平)

 お笑いコンビ、チョコレートプラネットが「IKKOさんと和泉元彌のそっくりさんコンビ」的なキャラクターで、すっかりブレイク中である。

 キングオブコントの2008年、2014年、2018年のファイナリストで、実力派コンビとして知られるが、なぜ、IKKOと和泉元彌としてこれほどウケたのか。

 人気バラエティなどを手がけるある放送作家は、まず松尾駿のIKKOが注目されたことが、ひとつのきっかけだったと指摘する。

うまいのはモノマネだけじゃない

「もともとIKKOさんは、バラエティ的にすごく収まりのいいタレントさんなんです。例えばひな壇で、『どんだけ〜』『背負い投げ〜』と言うだけで、確実に笑いをとってくれる存在。

 そんなIKKOさんのモノマネをするだけで、バラエティでは使いやすく、出演者の中に入れておきたくなる存在になるんですよね」

 もちろん、本物のIKKOの、タレントとしての強さも手伝っている。

「IKKOさんの『どんだけ〜』は、いつまでたってもちゃんと面白い。とはいえ、ホンモノのIKKOさんだって、実際にはそれほど言ってくれるわけではないんです。

 なので、チョコプラがある意味“安売り”してくれることも、需要に合っています。いまでは松尾さんとIKKOさんが一体化しつつあるようにも感じます(笑)」(放送作家)

 松尾はすっかりIKKO本人から公認化。実際に使用した衣装をプレゼントされ、それを着用してテレビ出演もしている。

 一方の長田庄平は、和泉元彌のモノマネキャラで人気に。

 狂言風に言う「そろりそろり」のフレーズがウケた。そして彼らが考案した“そろりそろりゲーム”という言葉遊びゲームが、若者の間を中心に大人気に。

「小・中学生なんかは、和泉元彌さんご本人をよく知らないはず。それなのにウケています。『そろり、そろり』という、子どもには謎の言葉も面白いのでしょう」(前出・放送作家)

 単なるモノマネをするだけでなく、IKKOと元彌のフレーズを、絶妙の間で繰り出すことも重要なポイント。そこは、彼らがもともと持つ実力に裏打ちされたものだという。

「コントやモノマネだけでなく、チョコプラの二人は、トークもうまいんです。場の空気、流れを読むことができるので、面白いタイミングでそれぞれのキメフレーズを出せるというのも強みです」(前出・放送作家)

 チョコレートプラネットが準レギュラーとして大活躍する番組の一つで、ブレイクのきっかけともなったのが、深夜バラエティの『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)。

 尼神インターやANZEN漫才、カミナリなどが出演する一方で、本田圭佑そっくりさんのじゅんいちダビットソンをはじめ、ハリウリサ(浜田雅功)、Mr.シャチホコ(和田アキ子)、北条ふとし(マツコデラックス)、アイデンティティ(野沢雅子)、ジャッキーちゃん(ジャッキー・チェン)など、モノマネなのに“超豪華な顔ぶれ”並ぶ(カッコ内はその人がマネをするタレント)。

 あるテレビ誌記者は言う。

「ある意味新しい形ですよね。普段、実現しない顔ぶれが、一堂に会する。さらに、それぞれのクオリティも高い。ただモノマネをするのではなく、ピンポイントの笑いを効果的に利用するのがうまいんです。

 これは、今後のひな壇番組の作りのヒントになるかもしれませんね」

 今後のお笑いの世界は、チョコレートプラネットのようにトークもでき、楽しく受け入れられるそっくり芸人が、新しい流れを作っていくのかもしれない。

<取材・文/渋谷恭太郎>