小手伸也

 織田裕二と鈴木保奈美が27年ぶりに共演することで話題となった月9『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)だが、その2人よりも目立っている気がする脇役が……。

「織田さんのライバル弁護士を演じている小手伸也さんですね。ハーバードのロースクール出身という設定で、鈴木さんが所長を務める弁護士事務所に勤め、同僚役の織田さんとは何かと衝突する役どころ。オールバックでストライプのスーツ姿が、若いころのロバート・デ・ニーロをモノマネしているような存在感です」(テレビ誌ライター)

シンデレラおじさん

 小手が注目されたのは、今年4月からの月9『コンフィデンスマンJP』。謎の男・五十嵐を怪演し、主役を食う存在感を示した。

「副音声やいい声の次回予告ナレーションも人気でした。『めざましテレビ』(フジ系)では“五十嵐特集”が組まれたほどです」(テレビ局関係者)

 6月に放送された『アウト×デラックス』(フジ系)では、自らを“シンデレラおじさん”と表現していた。

「小手さんが通販番組の電話対応のバイトをしているという話を聞いて、ゲストの矢部美穂さんが自分のバーに転職するよう高給を提示。小手さんは“私みたいなポッと出のシンデレラおじさんが急にそんなギャラはもらえません”と返していました。彼はバラエティーもいけますよ」(前出・テレビ誌ライター)

 小手が演劇に目覚めたのは高校時代。部員5人の弱小演劇部に入り、早稲田大学出身の鴻上尚史作品を上演。そのころ早稲田で旗揚げした八嶋智人の劇団『カムカムミニキーナ』に影響されて、自らも早稲田に入学した。

「俳優の傍ら精神分析学を専攻。得意分野を演劇にも活かして、共演者の見た夢を聞き、発達心理学者フロイトの提唱した“夢判断”をしたことも。

 飛行機の尾翼が太ももに突き刺さる夢を見たという俳優に対し、“飛行機は束縛から解放されて自由になりたい気持ちの象徴で、それが墜落するくらいなんだから、そうとう不安だったんでしょ”と、けっこう本格的でした」(舞台関係者)

 意外すぎる特技に加えて、在学中は30本もの舞台に出演していた小手だが、思わぬ落とし穴があった。

「在籍していた早稲田大学演劇倶楽部で、新人指導を担当したんです。普通なら厳しくしごくんですが、彼の後輩となったのは今や鬼才演出家で、映画監督としても活躍する三浦大輔氏や実力派女優の安藤玉恵さん。怖い先輩として一目置かれるはずが、すっかりナメられていました(笑)」(後輩役者のひとり)

 後輩に追い抜かれ苦労したものの、今や大注目のバイプレーヤーに。

月9では本家のアメリカ版を意識した高慢なキャラを演じていますが、自身の主宰劇団で演出する際は、とにかく繊細。稽古中は自分の髪を抜きながら集中力を高めています」(前出・舞台関係者)

 この二面性で、視聴率に苦戦するフジの月9の救世主となれるか!?