宇多田ヒカル

 12年ぶりとなる全国コンサートツアーが始まった宇多田ヒカル。本格的な活動再開を前に、思わぬところから目撃情報が入ってきた。

10月中旬の夜、都心の大型商業ビルに入っているスペイン料理店で宇多田さんを見かけました。お店にフラッと入ってきたので、最初はわかりませんでしたよ。スニーカーにジーンズ姿で、シャツの上に二ットのアウターを羽織るというラフな格好でしたから」(目撃したOL)

 宇多田はひとりではなく、男性を伴っていたという。

「若くてイケメンの白人男性と一緒。4人掛けテーブルに案内されていましたが、ふたりは横に並んで座りました。ずっと英語で話していて、かなりフレンドリーな雰囲気。男性は目鼻立ちがハッキリした顔でジャスティン・ビーバー似でした。

 口のまわりからあごにかけてヒゲがありましたが、20代中盤ぐらいでしょうか。身長は175センチ以上はありそうで、いわゆる細マッチョですね」(同・目撃したOL)

 宇多田は、'14年に再婚したイタリア人男性と離婚していたことが今年4月に明らかになっていた。この日のカレは新たな恋人なのだろうか。

おふたりは閉店時間の1時間ほど前に来店しましたね。そのことをわかっていたのか、すごく申し訳なさそうに“時間ってまだ大丈夫ですか?”と聞いていたのが印象的でした。

 芸能人って“自分は特別”みたいな感じを出す人が多いと思っていたので、宇多田さんの控えめな態度に驚いちゃいました」(同・目撃したOL)

 何度も頭を下げ、同伴した男性も宇多田に合わせてお辞儀をしていたという。

このお店は現地の“バル”をモチーフにしたおしゃれな雰囲気に加えて、値段も手ごろなので近くで働くビジネスマンたちに愛されていますよ。1番人気は、エビやカニからとったダシで作るパエリア。これを目当てに訪れる常連客も多いですね」(グルメ誌ライター)

 ふたりはスペイン料理の代名詞ともいえる、生ハムやエビのアヒージョ、パエリアなどを注文したそう。

「赤ワインと一緒に料理を食べてました。ボトルで頼んでいたので、店員さんが気をきかせてグラスに注いであげていましたが、そのときも“すみません”と丁寧に頭を下げていましたね」(前出・目撃したOL)

 やはり1時間では、話も終わらなかったのだろう。すぐに閉店時間になってしまったようだが、

お店側の計らいで、閉店後もしばらくは食事ができたみたいですね。お会計は宇多田さんがしたそうですが、なんとふたりが帰った後に、テーブルの上には5000円のチップが置いてあったそうですよ」(常連客)

 閉店時間を過ぎても営業を続けてくれた、店への感謝の気持ちもあるのだろう。

 それにしても、チップの文化がない日本で、サッと5000円を出せてしまうあたりがなんとも粋でスマート。海外生活の長さをうかがわせる。

特別な生い立ち

 日本人的な気遣いと西欧のマナーがまじり合った振る舞いには、宇多田の生い立ちが影響しているらしい。

「彼女は常に人のことを気にかけながら生きてきた人。日本人的な気遣いのできる女性なんです。ただ、ニューヨークで育っていますから、アメリカ人の感覚も持ち合わせている。スタッフにもやや辛口なアメリカンジョークを言うんです。その感覚がわからない日本人スタッフがキツく感じてしまうことも」(レコード会社関係者)

 誤解から彼女が怖い人というイメージがついてしまった側面もあるようだ。

「宇多田さんがある意味、反面教師にしていたのが母親の藤圭子さんでした。でも、いつの間にか似てきてしまった」(同・レコード会社関係者)

 '13年に亡くなった母親に対しては、愛憎がないまぜになった複雑な感情を抱いていた。

「今年6月に放送されたNHK『SONGS』では、インタビューで“曲ができあがるときにもとになるのは、すべて損失の話。それが大きければ大きいほど、いい作品が生まれる”と語っていました。宇多田さんにとって、母の死は人生で最大の損失。6月に出た最新アルバムには母を亡くした喪失感を歌っているように見える曲が多く収録されています」(音楽ライター)

 音楽活動への旺盛な意欲は、レコード会社を移籍したことも後押ししている。

「彼女は自分を必要としてくれる人のために頑張ることが最大のモチベーションなんです。自分のためじゃないんですね。昨年、ソニーミュージック内のエピックレコードに移籍して、今はそのスタッフのために必死になってレコーディングをしています」(同・音楽ライター)

 日本で『Automatic』を発売してデビューしたのが15歳のとき。普通の10代のような生活は送れなかった。

「10代のうちに一生分の仕事をしてしまった。だから、20代は楽しみたいんだと周囲にもよく語っていて、“人間活動”のための休養につながりました。

 実は、彼女のささやかな希望は、家庭を持って夫や子どもを大切にしながら、たまにアルバムを発売するようなマイペースの音楽活動なんです。背景には彼女が幼いころから両親が離婚と再婚を繰り返してバラバラになり、安らげる家庭というものを知らないことがあると思いますよ」(同・音楽ライター)

 宇多田が求めたのは、音楽的に信頼できるパートナーだった。ただ、あまりにも“大物”になってしまった彼女は敬遠されがちに。

「宇多田さんは有名無名にかかわらず、若い才能を探していましたが、なかなかうまくいきません。あの宇多田ヒカルに声をかけられるのは若手にとってはプレッシャーです。小袋成彬さんだけは違いましたね。

 アレンジャーとして宇多田さんをサポートしたり、デュエットしたりしてくれました。一般的には無名でも、業界の評価は高かった」(前出・レコード会社関係者)

 彼のデビュー曲を宇多田がプロデュースしたのも、あくまで音楽的な絆から。しかし、なぜか恋人であるかのように報じられた。

「離婚の原因が彼だとまで言われていました。でも、小袋さんが宇多田さんの恋人のはずがありませんよ。同年代の彼女がすでにいるそうですしね」(スポーツ紙記者)

 離婚にあたって懸念材料だった親権についても、問題はなさそうだ。

息子さんは、もう3歳。日本で出産したそうなので、国籍は日本です。ロンドンで働いていた元夫に合わせてイギリスの永住権が欲しいという報道もありましたが、離婚したので、その必要はなくなりました。

 経済面から見ても、宇多田さんが親権を持つことに問題はなかったのです。ツアーもあるし、ママをやりながら音楽活動するのは大変ですが、頼りになるのは周りのスタッフ。ベビーシッター代わりもしてくれるから安心して任せられるんです」(同・スポーツ紙記者)

 とはいえ、愛する子どものためにも父親の存在は必要だと考えているだろう。もしかしたら、冒頭の白人イケメンとの未来も見据えているのかもしれない。

 彼との関係について、宇多田の所属レコード会社に再三問い合わせたが、担当者不在を理由に、答えが返ってくることはなかった。

 スペインバルでのつかの間の“デート”でリフレッシュした宇多田は、ツアーで最高のパフォーマンスを見せてくれるはずだ。