篠原涼子 撮影/高梨俊浩

「家に帰ったら、もう戦争ですね。子どもたちが言うことを聞いてくれないときは、とりあえず大きい声を出します(笑)。そうでもしないと聞いてくれないので、“忙しいんだから、ちゃんとして!”って、ビシッと。家では私、けっこう肝っ玉母ちゃんなんですよ」

 インタビュー中、女優の顔から母親の顔をのぞかせた篠原涼子(45)。2児の母でありながら、映画にドラマと第一線で活躍し続ける彼女だが、いつもとにかく明るい……!

「自分自身が明るくいるためには自分が好きなことをやらないといけないと思っていて。それが私にとって仕事なんです。まずは私自身が幸せだという姿を見せて、家族を安心させたい。仕事をさせていただいていることが、家庭を支えることにもつながっているんです」

 そんな篠原が主演を務める映画『人魚の眠る家』が11月16日に公開される。愛するわが子が突然、意識不明の寝たきりに。深く“眠り”続ける娘を取り憑(つ)かれたような行動で守り抜こうとする母親を演じている。

「自分でも不思議だったんですが、何回台本を読んでも涙が出てきてしまって。目が腫(は)れて、次の日の仕事に影響が出てしまうんじゃないかと心配になったほど(笑)。でも、そのくらい作品そのものの力が大きかったので、頭で考えることなく“動物的に”ガッと私らしく演じることができました」

 今回演じる薫子という役については“すごく強い女性”と話すが、そんな篠原自身もプライベートではひとりの母親として、強くありたいと明かす。

「やっぱり自分のお腹を痛めて産んだ子ですし、十月十日一緒にいたわけだから、ある意味“分身”だと思っていて。子どものことは、自分のことのように考えてしまうんです。だから悪いと思ったことはちゃんと叱れるし、怒ることができるんだと思います」

心が弱ったときの解決法

 母親である以前にひとりの人間。どんなに強くいようとも、心が弱ることも正直あるとか。

「そんなときは、1度、ドンと落ちてみることも大事だと思います。カッコつけず、我慢せずに、ありのままの気持ちにゆだねてみる。私の場合、1度そうすることで、なぜかスッキリするんです」

 さすがに家族の前では明るく振る舞うという彼女だが、“子どもって意外と敏感なんです”と最後まで母親らしいエピソードを。

「この前、寝かしつけようと思って子どもをトントンってしてたんです。みんな天井を見てるし、気づかないと思ってちょっとボーッとしてたら、子どもからトントンってやってきて。何か悟ってくれたのかな。もっとしっかりしようって、逆に元気をもらっちゃいましたね(笑)」

“娘”にキュン……♪

「うちは男の子2人(10歳・6歳)なので、今回、娘役の稲垣来泉ちゃんと過ごす時間が新鮮でした。お人形ごっこしたり、寝転んで写真を撮ったり、もうすごい“女子”って感じ(笑)。いいな、女同士ってこういうふうに会話が弾むんだって、なんだかワクワクしちゃいましたね」

映画『人魚の眠る家』11月16日(金)全国公開 (C)2018「人魚の眠る家」製作委員会