週刊誌記者がみた、関ジャニファンの異常行動とは

 関ジャニ∞・大倉忠義の“悪質ファン”に対する訴えが注目をあびている。

 タレントにとって、ファンはありがたいものだが、ときには、信じがたい“暴走”をしてしまうときがある。

 古くは、'57年に美空ひばりさんが、ファンの女性に塩酸を浴びせかけられ、大ヤケドを負った事件。犯人は熱狂的なファンで、ひばりさんの自宅に電話したり、押しかけたこともあったという。過剰な思いが伝わらないとなったとき、愛しさは憎しみに変わるのだろう。

 松田聖子や小泉今日子もファンから暴行を受けたことがある。最近では、アイドルグループの握手会で、ファンがらみの事件が頻発している。ケガはしないまでも、自宅に侵入されたり、ストーカーに付きまとわれたり、“暴走ファン”に悩ませられているアイドルタレントは多い。

縮まったファンとタレントの距離

 また、ファンの妄想が事件になったことも。

 '73年、森進一は、ファンだという女性に、婚約不履行で訴えられた。

 女性は、森と交際し、2度妊娠したと主張していたが、実際は、森は女性と面識すらなくすべてが女性の妄想だったとわかるのだが、当時は裁判にまでもつれ込んだ。

「以前から暴走してしまうファンはいますが、タレントとファンの間にはしっかりした“距離”があったため、数は少なかったと思います。

 近年はネットの発達もあって、プライベートなところも含めて、タレントの情報は伝わりやすくなりました。また“会いに行けるアイドル”とか、握手会などが、頻繁にあったりして、ファンサービスは昔の比じゃないです。両者の距離は格段に縮まったと見ていいでしょう」(芸能プロ関係者)

 そのため、特にアイドルの場合はファンとの間にトラブルが発生しやすくなったという。ただ、ジャニーズのファンは、昔からマナーがいいことは良く知られていた。

「ファンクラブ運営が組織的に行われ、ファンのなかでもしっかりしたヒエラルキーができあがっていて、統制が取れていました。ですからタレントや周りの人に迷惑をかけるような行為は少なかったです」(スポーツ紙記者)

記者たちが目の当たりにしたファンの実態

 私が以前、SMAPの地方公演を取材したときのことだ。

 帰りの飛行機に多くのファンも同乗しているのだが、決して彼らの近くに座ることはなく、フライト中も静かにしていた。空港に到着した後も手を振って彼らを見送るだけで、大声をあげて騒ぐファンは一人もいなかった。

 ところが、関ジャニのファンだけは目に余る、と語るのはべつの週刊誌記者。

ほかのジャニーズファンと比べて、統制は取れていないように見えますね。最近も、目を疑ってしまうような、常軌を逸した行動を目撃したことがあります

 それは、今年のはじめ、関ジャニのメンバーが地方から戻ってきて羽田空港に到着したときだったという。

「到着の1時間ほど前から15〜20歳くらいのファンの子が集まってくるのですが、一か所にではなく、あちらこちらに数人ずつ固まって、立っているんです。それも100人以上はいましたね。異様だったのは、彼女たちはお互いに会話することなくみんな無言なんですね」(同・週刊誌記者)

 そして、メンバーがゲートから出てくると、その“ファン”たちは、まるで“暴徒”のように、一斉に押し寄せていくのだと。

彼女たちは、なんとかタレントに近づいて、彼らの体をぺたぺた触って、カバンや帽子を引っ張ったりするんですが、声は一言も発しないんです。

 まるで海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のゾンビみたいですよ。やられる方にしてみれば、気持ち悪くて、たまったものじゃないでしょう」(同前)

 そこから、さらに驚くような光景が。

「メンバーの中でも、特に大倉や錦戸が標的になっているみたいです。前からくる“暴徒”に対しては、スタッフがなんとか排除するんですが、後ろから来るのは手が回りません。そこで、横山が“殿(しんがり)”を買って出るんです。

 近寄る“追っ手”を力づくで避けていました。しかし、はらいよけても、突き飛ばしても、また立ち上がって無言で近寄っていく彼女たち。そんな状況を見ていたら、本当にゾンビみたいで、こちらも気持ちが悪くなりました(笑)」(同前)

 その間、大倉や錦戸は反撃することはなく、じっと耐えているという。

空港に居合わせた一般客は、何事が起きたのかと、目を丸くするばかりですが、彼らが去ったあと、ファンたちはようやく口を開き、“ヨコに突き飛ばされた”“触られた、うれしい”と喜んでいます。本当に異常でした」(同前)

 以前、メンバーがファンに暴行を働いた、という記事が出たことがあるが、その記者は「大倉も含めて彼らの気持ちはよくわかります」という。

 しかし、どうしてこんなファンが増えてしまったのだろうか。

「ファンクラブ規約の問題が明らかになったり、所属タレントの解散や不祥事が続出して、事務所がファン対策まで手が回らない状況なんですね。また、タレントに女性スキャンダルが発覚すると、離れるファンもいますが、“私たちだって”と、より近寄ることを望むファンが出てきます。事務所あるいはタレントサイドにも責任はあると思います」(前出・芸能プロ関係者)

 このまま、暴走がエスカレートすれば、大ごとになりかねない。一刻も早い対策が必要なのでは。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。