樹木希林さん

 9月15日に75歳でこの世を去った女優の樹木希林さん。同月30日には、都内にあるお寺で葬儀が営まれた。

「希林さんは、がんと診断されてからこのお寺へ下見に行くなど“終活”を始めていて、家族には“自然に朽ちていきたい”と、延命治療は必要ない旨を伝えていたそうです」(スポーツ紙記者)

亡き今も思い出す、それぞれの希林さん

 20年以上、彼女が通い続けていた西麻布にあるヘアサロン『カット&カットヒラタ』の従業員によると、

「がんになったときから、ご自分用の墓地を用意していたそうで、そのときから自分が亡くなったときの準備をしていたのだと思います」

 また、最後の来店ではこんな“弱音”も吐露していた。

「月に1~2回はいらっしゃっていましたが、入院する3日前くらいにも来店されました。だいぶ弱っていたようで、“大丈夫ですか?”と聞いたら、“ダメねぇ”と。いつもそんなことを言わないのに、初めて希林さんから弱音が出て、驚きました」(従業員)

 希林さんと30年以上の親交があった西麻布でブティック『PRESS601』を経営する遠藤勝義さんは、事前にお墓へ連れて行ってもらったことがあるという。

「20年ほど前、まだ墓石もない状態でしたが、希林さんが将来入る予定というお墓に案内されました。“いい場所でしょ”とおっしゃっていたことを覚えています」

 希林さんの長女・也哉子の近況も明かしてくれた。

1か月くらい前に、希林さんのお墓参りに行ったんです。その際に也哉子さんにメールをしたら、“まだ信じられない”といった内容の返信が来て、いまだに心の整理がついていない様子でした。

 お墓に行くのも久しぶりだったので、どのあたりか忘れてしまって。でも、希林さんから“ムッシュ(遠藤さんのあだ名)、ココよ~”と言われた気がして、結果的にたどり着けました」(遠藤さん)

 祖父の妹が希林さんというお笑い芸人のバーバリアン谷川には、自分の“ポリシー”を伝えていた。

「母から“希林さんが会いたがってるよ”と連絡があり、昨秋に実家の居酒屋で食事をしたんです。食事が終わると、代官山の自宅に案内してもらい、そのあと渋谷のセルリアンタワー最上階にあるバーに連れて行ってもらいました。

 その際には“周りの同年代の女優さんは、いろいろと見た目をきれいにしようとしてるけど、私はこのままでいいのよ”と、話していたことが印象に残っていますね」

《おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい》─。也哉子が葬儀で紹介した希林さんの言葉。

 星になるまで“自然体”を貫いた希林さんの姿は、みんなの心に残り続ける。