写真はイメージです

「今日ね、今日ね……抱きしめていい?」

「胸触っていい?」

「手しばっていい?」

「手しばられていい?」

再就職の行方

 こんな気持ち悪い言葉を都心のおしゃれバーで吐いていたのが財務省の福田淳一事務次官(当時)だったから、もう大問題。しかも相手は取材に来たテレビ朝日の女性記者だというのだから。

 4月12日発売の『週刊新潮』が報じた財務省事務次官セクハラスキャンダルは瞬く間に広がった。福田事務次官は全否定していたが音声が流出したため「女性が働くお店(キャバクラなど)で言葉遊びを楽しんだ」などと苦しい弁明。

 水商売の女性にならば許されるとでも思っているのだろうか。批判の声はさらに高まり、報道から1週間もたたない4月18日、事務次官を辞任した。

 財務省は同27日に「十分な反証反論がない」として福田氏のセクハラを認定し、退職金5319万円から141万円だけカット。当の福田氏は最後までセクハラ発言については認めなかった。

「ハメられた、などと話していたようですよ。省内では人望があったのであまり福田さんを悪く言う人は少なかったですね。むしろ夜に女性記者をバーへ取材によこすテレビ朝日が悪いんじゃないかなんて言う人もいたくらいですよ。

 麻生さん(麻生太郎財務相)も当初から(記者に)ハメられたと話していましたが、それが世間の非難を浴びて発言を撤回する騒動に発展しました」(永田町関係者)

「セクハラ罪という罪はない」という麻生財務相の迷言まで飛び出した。

 セクハラ発言の舞台となったバーも被害をこうむっていた。

「年中無休なのに騒動の影響で2日間、閉めていましたよ。辞任の夜なんかはマスコミが取材に来て大変だったから」

 と常連客が明かす。続けて、「福田さんはあれ以来、顔も見せないって。いつもソファ席に腰かけるから話したりはしないけどよく見る顔だったそう。迷惑かけたのひと言くらいあってもいいですよね」

 財務省もおしゃれバー通いもやめた福田氏は何をしているのだろうか。

 内閣人事局に再就職をしたのか尋ねてみると、

「9月時点まででは再就職されていないですね」

 と回答。

 目黒区にある豪邸を訪ねてみても明かりはついているのにインターホンを鳴らしても応答はなかった。

 永田町関係者は福田氏のこうした反応を「わかりやすい動きだ」と解説する。

「いい企業への天下りを目論んでいるんだと思いますよ。あれだけの経歴を誇った方ですからね、相当いいところに天下る狙いだと思います。

 そのためには1にセクハラは否定し続けること、2に世間に忘れてもらうこと、3に新たな問題を起こさないことが大切になってきますから、今はとにかく雲隠れを決め込んでるんじゃないでしょうかね。

 2年以内にいい会社のいいポストに天下って再び高給取りになっていると思いますよ」