ゆず(左から北川悠仁、岩沢厚治)

 人気デュオ『ゆず』がやらかしたことに、非難ごうごうです。自分たちで自分たちにミソをつけました。

 きっかけは17日の公式サイト。

「今後の活動について重要なお知らせがあります」。そうアップしました。発表予告時間は19日の午後9時でした。

やらかしで思い出す、あの人

「その内容は既報されていますが、日本音楽史上初の弾き語りドームツアーを開催するというもの。つまり『ゆず』の2人だけで、日本各地のドームを満員にするのは『重要なお知らせ』というのが『ゆず』の認識でした。世間とはずれています」

 情報番組ディレクターは、苦笑いでそう明かします。

 ファンの間でも、『重要なお知らせ』が「解散」「活動休止」と結びつけられました。

 この件で思い出されたのは、先日、元マネジャーを脅迫した件で罰金10万円の略式起訴を受けたシンガー・ソングライター泰葉(57)の実姉で元女優、エッセイストの海老名美どりさん(65)のやらかしです。

 91年、マスコミに『緊急発表』という文言をタイトルにしたファクスを送り、記者会見に大勢のマスコミを呼び集めたのです。

 テレビのリポーターやスポーツ紙や週刊誌の記者が集まりました。『緊急発表』が、夫で俳優の峰竜太との離婚だと考えたからです。ところがふたを開けてみれば、「ミステリー作家としてデビューします」という度肝を抜くような肩透かし。

「その後、夫の峰がマスコミの前で、お騒がせしましたと頭を下げ、母親でエッセイストの海老名香葉子さんも謝罪するなど、大騒動になりました。やらかしたことは狼少年で、あれを機会に海老名美どりはメディアに相手にされなくなりました」

 とベテラン芸能記者が振り返ります。

 今回の『ゆず』には実績と人気とお金を払ってライブに足を運ぶファンがいるため、海老名美どりさんと同じとはいえないかもしれませんが、やらかしたマインドは同じです。

「実は、ツアーは史上初ですが、ドームでの弾き語りライブ自体は2年前にも単独でやっているんです。ゆずには20年来の固定ファンが多い。そのファンでさえ、今回の『重大発表』については、“以前の弾き語りライブと同じ気がするけど”とか、“解散かと思って不安だったのに心配して損した。腹立つ”という声が多い」

 と指摘する音楽ライターは、ツアーが終わった後の不安も口にします。

「すべての会場を埋め尽くすことができたとしても、ファンが満足できるかどうかはまた別です。ゆずのファンは距離感を大事にしてると思いますが、ドーム球場で2人を間近で見ることができるのは、高いチケットを買える人だけですからね」

 実際に、前回のドーム単独公演を見に行ったことがあるという女性ファンの感想も否定的でした。

「ゆずが米粒すぎて、モニターじゃないと、どこにいるのかもわからないくらいでした。途中、祭で使われる山車みたいなやつに2人が乗って出てきたときは、何を見に来たんだろうと引いてる自分がいました。

 そういう意味では、ドームで完全に2人だけでやるのは難しいのかも。正直、ゆずのドーム弾き語りは好きじゃないです。ドームでやるなら、しっかりバンドをつけてくれないと物足りないです」

 来年5月から『重要なお知らせ』であるドームツアーは始まります。

 振り返ったときに、あの『重大なお知らせ』がターニングポイントだった、といわれないように、変わらぬ活躍を期待したいものです。

<取材・文/間垣ジェーン美瑠>