週刊女性PRIME

芸能ジャーナリストが振り返る2018年のエンタメニュース「“大衆興味”が変化」


2018年も重大ニュースはあったが……

  今年も残すところあとわずか。芸能ニュースもいろいろあったが、振り返ってみると、まず、年明け一発目の“文春砲”が向けられたのは小室哲哉氏だ。

 不倫疑惑が浮上し、『週刊文春』が発売された同日に彼は記者会見を開いたのだった。

 ところが、謝罪会見だと思って集まった記者を前にして、彼は芸能界引退を表明した。そしてここから、不倫報道の是非を問うという、大論争が巻き起こることに。

 “週刊誌は不倫報道をやめるべきだ

 という意見が、小室ファン以外からも発せられるようになり、『文春』はすっかり“悪者”になってしまったが、汚名を着せられたまま黙っていることはなかった。

『文春』への逆風は止んで

 “引退会見”から半年後、会見で語られたことの“ウソ”を暴いたのだった。

 1月の会見で、小室氏は、妻・KEIKOさんの、介護疲れからくるストレスがあったとし、KEIKOさんについては、

「音楽にまったく興味がなくなった。小学4年生の漢字ドリルを楽しんでいる」

 などと語っていたが、それに対しKEIKOさんの親族が怒りの告発。

 彼は介護もしてなければ、KEIKOさんは体調も回復し、友人たちとカラオケにいくこともあるという。また小室氏が、不倫相手とされる女性看護師との関係を継続していることも明らかになった。

 これには、ネット民も呆れてしまったようだった。あれほど“離婚報道”を批判していた人たちから何も声があがらず、『文春』に対する逆風も、いつの間にか止んでしまった。

 そして4月、芸能界を揺るがす大事件が勃発した。

 TOKIOの山口達也が強制わいせつ容疑で逮捕され、ジャニーズ事務所を解雇された。

山口達也が起こした事件を受け、謝罪会見に臨んだTOKIOの4人

 アルコール依存症の疑いがある山口は、現在も施設で療養中だという。これがきっかけになったわけではないが、その後、ジャニーズタレントの飲酒による不祥事が続くことに。

 6月、NEWSの手越祐也と小山慶一郎に未成年女性との飲酒疑惑が浮上。手越には何もペナルティがなかったが、小山は活動自粛となり、出演していた『news every.』(日本テレビ系)を降板した。

 自縄自縛に陥り、ジャニーズタレントが歩み始めた“キャスター路線”に陰りが見え出したのだ。

 これまでと比較して、飲酒やベッド写真など、ジャニタレのスキャンダル報道が増えたウラには、SMAP騒動が影響しているという。

事務所自体のパワーが落ちており、統制力も弱くなっているように見えます。それに加え、タレントが増え過ぎて、全員に目が届いていないのも事実です」(芸能プロ関係者)

 9月には吉澤ひとみが起こした、前代未聞の“飲酒ひき逃げ”事件に、世間は驚愕した。

 彼女は事務所を辞め、芸能界を引退。裁判では懲役2年、執行猶予5年の判決が下されたが、本人がまだ飲酒をやめていないことが発覚し、風当たりはさらに強くなることに……。

芸能ニュースの3大柱に変化

Koki,が表紙で身につけたブランド品は、アレキサンダー・マックイーンとブルガリのもので総額183万円

 暗い話だけではなく、新たなスターが誕生した一年でもあった。

 木村拓哉・工藤静香の次女・Koki,は、5月に女性ファッション誌『ELLE JAPON』の表紙を飾って、鮮烈な芸能界デビューを果たした。

 その後も次々と話題を提供しているが、これほど毀誉褒貶(きよほうへん)が相半ばする二世タレントはかつて存在しなかった。そういう意味でも、来年どうなるかが興味深い。

 芸能ニュースの三大柱といえば、『熱愛』『結婚』『離婚』だ。

 おそらく今年の離婚報道で、記憶に残っているのは、つい最近の花田優一・一般女性及川光博・檀れい花田光司(元貴乃花)・景子、そして5月の渡辺謙・南果歩くらいだろう。

 実は、ほかにも数多くの離婚が報じられていたのだ。

 年が明けてすぐに、元モーニング娘。の新垣里沙が離婚を発表。もっとも彼女が結婚したことを覚えている人も少ないと思うが。

 ほかにも、中島美嘉、辺見えみり、宇多田ヒカル、フジテレビの秋元優里アナ、NHKの桑子真帆アナ、スケート選手の鈴木明子、オリンピック水泳金メダリストの岩崎恭子、ボクサー井岡一翔と谷村奈南、RIP SLYMEのSUと大塚愛、などなど。ほかにスポーツ選手やお笑い芸人も加えると、20組以上が離婚している。

 その中で特筆されるのが、秋元アナや岩崎、そしてSUだ。

 離婚の原因というものは必ずしも一つとは限らないし、当事者以外の人にはなかなか、わかりにくいものなのだが、間違いなくクリティカルな要因になるのは“不倫”。

 この3人は不倫疑惑が大きく報じられた。特に、秋元アナの報道には驚かされた。というか、笑ってしまった人も多いだろう。

 名付けて“竹林不倫”。

 実際に不倫行為があったかどうかは定かではないが、現場が“竹林”というのは、芸能史上初のことではないだろうか。報道が出た直後は、その竹林の見物客が増え、“名所”になっていたという。世の中には物好きな人が多いものだ。

 結婚も多かった。ぎりぎりになって、小倉優子や高橋真麻の“駆け込み婚”があったが、もうすでに忘れられている感があるのは、2018年の元旦に発表された、岡田義徳と田畑智子の結婚。

 その後は、菊池亜美、森田剛・宮沢りえ、矢口真理、おばたのお兄さん・山崎夕貴アナ、森泉、LiLiCo・小田井涼平(純烈)、日村勇紀・神田愛花、松田翔太・秋元梢、濱口優・南明奈、王貞治氏、DA PUMPのISSA、相楽樹・石井裕也監督、玉木宏・木南晴夏、三浦翔平・桐谷美玲、小林麻耶、勝地涼・前田敦子、オスマン・サンコン・北山みつき、葉月里緒奈、上原多香子、小池徹平、中谷美紀、シャーロット・ケイト・フォックス、春香クリスティーン、早見あかり、広田レオナ、花田美恵子……。

 一方の“熱愛”は“結婚・離婚”と違って少なく、記憶に残っているのもごくはわずかだ。

 最近では、次から次へと出てくる芸能ニュースに、読者が追いついていないように思う。だから、よほど意外性のある、インパクトの強い話でなければ、すぐに忘れ去られてしまうし、そもそも、芸能人の熱愛に興味を持つ人が少なくなったのだろう

今や芸能人は“身近な人”になった

 昔と違って、芸能人が“雲の上の人”ではなく、より身近な存在になったため、プライベートに興味は持っても、彼らの行動を特別視することが少なくなった。

 “恋愛なんて誰だってする。特別なことじゃないし、驚くことでもない”ということなのだ。さらに、ネットニュースの普及もあって、記事が配信されるスピードだけではなく、その量も増えたため、人々は「食傷気味」ということか。

 しかしながら、週刊誌を含め芸能ニュースに興味がある人は、昔も今も下世話な話が好きな人たちだ。

 “他人の不幸は蜜の味”。おめでたい話より、もめごとやドロドロした話に興味が湧くのはしかたないこと。特に芸能人の話など、自分に関わることはないのだから。 

 場合によっては、非難されることがあるが、“文春砲”をはじめ、週刊誌報道を歓迎している読者が多いのも事実だ。まだ、“駆け込み”があるかもしれないが、さて、来年はどんなニュースが飛び込んでくるのか。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。