ジャニーズカウントダウン2018-2019/筆者撮影

 2019年1月1日。昨年は所属タレントの退所、休養、ユニット解散など波乱が相次いだジャニーズも新年を迎えた。2018年、総括の舞台は毎年恒例のジャニーズ・カウントダウン・コンサート(以下カウコン)。東京ドームで開催されたカウコンは、昨年で20回を数えた。

 司会を国分太一さん(TOKIO)、井ノ原快彦さん(V6)が務め、メインの出場者はV6、嵐、KAT-TUN、関ジャニ∞、山下智久さん、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズ WEST、King & Prince、近藤真彦さん、東山紀之さん、ジャニーズJr.(SixTONES、Snow Man、Travis Japan、なにわ男子)ら。

 元旦に40歳の誕生日を迎えた堂本光一さん、そして生田斗真さん、風間俊介さん、長谷川純さんも駆けつけ、解散を発表した“タッキー&翼”も一夜限りの復活を遂げた(大阪・京セラドームで単独カウコンを行ったNEWSは、中継で参加)。

 20年目の東京ドーム。これでステージに立つ姿は見納めとなったタキツバ……滝沢秀明さん、今井翼さん。

 涙と感動が渦巻いたカウコンから一夜明け、今なおファンの興奮は冬の冷気をものともせず立ち上っている。だが、“祭りのあと”特有の、ほのかなさみしさもそこにある。

 では、ほんのわずか前、2018年の大晦日、ここで何があったのか? 記念すべき瞬間を迎える直前、“しじま”のようなひとときを振り返ってみた。

 これが、平成最後のカウコンに臨んだ聖地と、そこに集うファンや周辺の“リアル”である。

2018年12月31日夕刻
“タッキー&翼”Thanks Two you 展

タッキー&翼展の様子/筆者撮影

 会場の敷地内、東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ付近では、タッキー&翼ベストアルバム『Thanks Two you』の発売にちなみ、オリジナルフォトフレームでチェキが撮れるブースや、CDジャケットのボックスパネルを配したThanks Two you 展が開催された。

 会場に着くと、すでに多くのファンがタキツバのPVに見入り、最後の“デート”をかみしめていた。

「今日は、こっそりここに来ました」

 デビュー前から二人のファンだという女性に話を聞いた。彼女は50代の主婦。

「パートをしてまして、今日は本当は13時までなんですが、急に遅番を頼まれたことにして……。カウコンは外れてしまったので、せめてここだけでもって

 少し涙ぐみ、

「ほら、『夢物語』! これ、コンサートでみんなで踊ってキレイにそろうと、タキツバが“よくできました!”ってほめてくれるんです。それが、すごくうれしくて……」

 2人への思いをほとばしらせる女性は、少女のように愛らしかった。

 カウコンでは、くだんの『夢物語』も披露された。彼女もタキツバの2人に合わせ、テレビの前で踊っただろうか……。

◆カウコングッズ売り場

 東京ドーム22ゲート、及び25ゲート前の特設グッズ販売所では、各グループ・タレントごとの“うちわ”が販売されていた。

 混乱を配慮してか、十分に用意されたレジはひどく混み合うこともなく、皆スムーズに買い物を終えていた。これは、ジャニーズのコンサートではまれである。

 うちわのラインナップは、V6、嵐、タッキー&翼、KAT-TUN、NEWS、関ジャニ∞、山下智久さん、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズ WEST、King & Princeの計13種類。価格は1枚600円だ。

 パニック障害治療のため、休養中の松島聡さん(Sexy Zone)、同じく岩橋玄樹さん(King & Prince)の姿はうちわの写真にない。
 
 ピンクのバッグに岩橋さんの“ちょっこりさん”(マスコット人形)を付けた少女が、King & Princeのうちわを買い求めていた。栃木から来た19歳で、カウコンにも参加するという。

「5人は“いわち”(岩橋さんの愛称)も一緒にいるつもりで歌ってくれるから。私もそのつもりで応援しようって。いわちの個人うちわ(※)も持ってきたんです。だから、テレビに映るといいな。いわちもそこにいると思って応援してるよ!って伝えたい」
(※……岩橋さん個人の顔がプリントされた公式うちわ)

 岩橋さんも松島さんも、たとえステージに立てずとも、その気持ちは仲間がしっかりと受け止め、King & Princeは6人、Sexy Zoneは5人として熱唱を響かせてくれた。

◆22ゲート付近・コンサートオブジェ前

名物スタッフのアナウンスはこの日も絶好調/筆者撮影

 来場者が撮影しようと群がるコンサートオブジェ付近では、名物スタッフ“Dジャニポリス”が、軽快なアナウンスで人波をさばいていた。

「え~、これから人混みもマイルドからワイルドになっていくかと思われますので、みなさん自身でお時間をたしかめて入場してください」

 この人は、ジャニーズの歌詞を巧妙に入れ込んだセリフで楽しく案内してくれるので、ヲタの間で人気が高い。

 ちなみに「早めの入場を!!」と書かれた案内板にも「Johnny’s FAMILYの皆様!!」「THANKS TWO YOU!」といった但し書きがついており、細かな気遣いに心がなごむ。

◆ドーム周辺の居酒屋

ジャニーズの名前が散りばめられた居酒屋メニュー/筆者撮影

 ドーム周辺の居酒屋は、カウコン前のヲタ会でにぎわっていた。ジャニヲタの気を引くため、タレント名や楽曲をもじったメニューを用意したり、店内でDVDを流す店も多い。

 JR水道橋駅付近では、比較的“ジャニみ”のある店員が道に立ち、呼び込みに精を出していた。軽妙なセールストークに惹かれ、店に吸い込まれるヲタも少なくない。

 景気付けに一杯やって、いざドーム! としゃれこんだヲタも多かろう。大半の店は、朝まで営業を続けていた。

◆2018年12月31日 23:00カウコン開演
~2019年1月1日1:03終演

 平成最後のカウコンは、タッキー&翼の花道がメインイベントとなった。

「これからの人生も、しっかりやっていきます」と語った今井翼さん、「僕はジャニーズが大好きなので、(仕事の)形は変わってもがんばります」と誓った滝沢秀明さん。

 近藤真彦さんが「大人が決めたことだから、僕らがとやかく言うことではないけれど(応援している)」と話したように、ジャニーズの面々は、皆おごそかにふたりを送り出した。前向きな締めくくりだったと思う。

 ただ、私自身はひと筆書きにできない思いが入り乱れ、簡単に「楽しかった!」「悲しかった!」などと言い表すのは難しい。本当に、いろいろあったから。

公式うちわ/筆者撮影

 けれど昨年、ジャニーズが自分にもたらしてくれたことはハッキリとわかる。

 “今”を大切にすべきこと、“次”があるのは奇跡であること。2018年、私がジャニーズに教えられたのはこれだった。

 では、2019年は?

「笑いあり、涙なし」

 これは滝沢秀明さんの主演舞台『滝沢歌舞伎』(※)のシンボリックなテーマだが、去年たくさん泣いたぶん、今年は“笑わせて”ほしいと思う
(※滝沢歌舞伎の演目『鼠、夢小判~笑いあり、涙なし~』より)

 もちろん涙もいいけれど、どうせ泣くなら嬉し泣き。ぜひとも、これでお願いしたい。

終演後のデジタルサイン/筆者撮影

 終演後、会場を出ると22ゲート前のデジタルサインに「明けましておめでとうございます。本年もジャニーズファミリーを宜しくお願い致します。」のメッセージが出ていた。こちらこそ……!

 元号も変わる2019年。今年も“J”についてゆく!!


プロフィール
みきーる/ジャニヲタ・エバンジェリスト。ライター・編集者。
グループを問わずジャニーズアイドルを応援する事務所担。応援歴は25年超、3日に1度は現場参戦。著書に、『ジャニヲタあるある』(青春出版社)、『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)など。
◆Twitter @mikiru
◆オフィシャルブログ 『ジャニヲタ刑事!』