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 2020年に迎える東京オリンピック。しかし、つい100年ほど前までの日本には“スポーツ”という言葉もなかった。そんな日本から初めてオリンピックに参加した男と、日本に初めてオリンピックを呼んだ男がいた。彼らが胸に秘める、“平和の祭典”であるオリンピックへの熱い思いが、国を大きく動かしていく軌跡を描いた物語、『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』がスタート! 見どころをギュッとお届けします。

舞台はなんと“超”近代!?

 大河ドラマとしては、33年ぶりの近代が舞台の今作は“オリンピック”がメインテーマ。明治から昭和にかけて、日本のオリンピックをめぐって活躍した2人を中心とした物語を、落語を介して展開するという、今までにない斬新なストーリー。2020年に開催される東京オリンピックに向けて、さらに熱が高まること間違いナシです!

制作統括の訓覇圭氏

「脚本の宮藤(官九郎)さんと“大河ドラマで、オリンピックってありますかね?”と最初に雑談したのは、2年半ほど前のこと。以来、暇を見つけてはオリンピックの歴史を調べているのですが、その量が膨大。あふれる未知の情報に、不安とワクワク感が交錯する日々。はたして、宮藤さんと勘九郎さんと阿部さんで、どんな大河ドラマができるのか? ワクワク感が半端ではありません」(’17年4月、出演者発表時)

脚本はあの人!

 今作の注目ポイントのひとつは、脚本を務めるのが、あの宮藤官九郎であること! 2013年上期に放送され、作中の言葉である「じぇじぇじぇ!」が流行語大賞に選ばれるなど、大ヒットした連続テレビ小説『あまちゃん』以来、NHKでの脚本執筆は2度目で、大河を担当するのは今回が初めて。今作でも、新たな流行語が生まれる予感……!?

大河ドラマの脚本執筆を初めて務める宮藤

「本作は、大河ドラマであること以前に、自分にとっては初めての“実在のモデルがいるドラマ”で、その創作過程の違いが新鮮で楽しいです。2020年にオリンピックを体験するみなさんにとっても、リアリティーのある大河ドラマになるんじゃないかと」(’17年4月、出演者発表時)

なんと主役はリレー形式!

 前半の主役が勘九郎、後半が阿部と、1度で2度おいしい展開となっている今作。それぞれが演じる、実在した金栗四三、田畑政治がどんな人物だったのか、予習しておきましょう。

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金栗四三とは……?

 1891年~1983年。熊本県出身。1911年、翌年のストックホルムオリンピックに向けたマラソン予選会で、当時の世界記録を27分も更新するタイムを記録し、三島弥彦とともに日本選手として初めてオリンピックに参加した。戦争でベルリンオリンピックの開催が中止になってしまうなど、さまざまな困難を乗り越え、箱根駅伝の創設など日本のマラソン界を発展させ“マラソンの父”と呼ばれている。

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田畑政治とは……?

 1898年~1984年。静岡県出身。 東京朝日新聞(現・朝日新聞社)に入社し、新聞記者として活躍。同時に水泳の指導者としても活動し、オリンピックの日本代表監督なども務めた。また、戦後間もない時期からオリンピックの重要性を訴え、五輪招致活動に尽力、のちに日本オリンピック委員会(JOC)の会長も務め、日本のオリンピックの歴史を語るうえで欠かせない人物。

プロが再現した“本物の走り”!

 金栗を演じる勘九郎のマラソン指導を担当している、駅伝解説者の金哲彦さん。プロだからこそわかった、金栗の当時の走り方をこう分析する。

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「金栗さんの現役時代の走る姿がわかる資料が、わずかな動画と写真しか残っていなくて。それらから分析してわかったことは、非常に体幹がしっかりしていること。そして肩より後ろで、下のほうで手を振るフォーム。さらに当時は足袋で走っていたので、上に跳ねるような走り方というよりは、すり足のように足を前に運ぶというのが、金栗さんの特徴だととらえています」

「あまり運動をやってこなかった」と話していた中村だが、

「トレーニングを始める前に、中村さんの身体を見させていただいたんですが、がっしりと鍛えられた体形で。さらに短距離も走ったらとても速いし、陸上だったらぜひ跳躍の選手になってもらいたいくらいの運動神経を持っています!」

 ただこんな問題も……?

「歌舞伎で重い衣装を着たり、足で床をバンって鳴らしたりするから、太ももがすごく太くて、歌舞伎俳優独特の体形だったんです。でも、それだとランナーには見えにくいので、一緒に走ったり、有酸素運動を筋トレで取り入れたり、食事療法などで身体を仕上げて、走りの基本から徐々に“金栗さんの走り”をマスターしてもらいました」