'16年8月に「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」を発表されたビデオ

《今しばし 生きなむと思ふ寂光に園の薔薇のみな美しく》

 1月16日、平成最後の『歌会始』が開かれ、美智子さまはこのような御歌を詠まれた。ご高齢となり、ときには心が弱くなる中、深い平安に包まれて、残された日々を大切に生きていこうと思われたときのことを表現されたそう。

「今まで美智子さまが詠まれてきた御歌は、ご自身のことよりも、被災地などのことについてのものが多かった印象があります。

 しかし、今回はお心の内側を垣間見たような感覚になりました。それは、皇后としての重圧がある中、約30年にわたる平成が終わりに近づき、肩の荷が下りるお気持ちだったからなのかもしれません」

 そう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。

1月16日、両陛下にとって最後となる『歌会始』が開かれ、陛下や皇族方の歌が披露された

 ご退位まで100日を切り、関連行事の準備が進む中、2月24日には『ご在位三十年記念式典』が東京・国立劇場で行われる。

 式典では、陛下が作詞、美智子さまが作曲された『歌声の響』を歌手・三浦大知が歌唱することに。

 三浦は、紅白歌合戦にも2年連続で出場する実力派だが、なぜ彼に白羽の矢が立ったのだろうか。

「『歌声の響』は、'75年に今の両陛下が初めて沖縄県を訪問された際、国立ハンセン病療養所『愛楽園』での出来事をもとにして作られた曲です。

 三浦さんも沖縄県出身なので、この曲を歌唱するのにピッタリだったことも選ばれた理由なのかもしれません」(皇室ジャーナリスト)

 前出の渡邉さんは、沖縄に対する両陛下の強い思いを感じるという。

「陛下がおっしゃっている“忘れてはならない4つの日”には、広島と長崎の原爆の日、終戦記念日、そして沖縄戦終結の日があり、沖縄にも常にお心を寄せられています。

17世紀のバロック美術を代表する画家・ルーベンスの美術展に足を運ばれた(1月14日)

 式典で沖縄県出身の三浦さんが歌われることで、沖縄への思いが国民にも伝わるでしょうし、戦争を知らない若い世代への“経験の継承”にもつながるとお考えなのではないでしょうか

 常に変わらず平和を願い、国民に寄り添われている両陛下だからこそ、ご退位の直前には「国民に対して“サプライズ”があるかもしれない」と話すのは、ある宮内庁関係者。

「宮内記者会は、在位30年と4月のご結婚60周年の節目で両陛下の記者会見を求めていると報じられていますが、その予定はありません。

 しかし、ご退位される4月30日あたりに、過去には'11年の東日本大震災の直後や'16年のお気持ち表明などで使われた“ビデオメッセージ”のような形で、おことばが発表される可能性があるそうです。

 退位に関しては、国民にお気持ちが通じて実現した側面もあるので、“感謝のお気持ち”をお話しになるかもしれませんね」