’03年、『家政婦は見た!』の撮影現場に密着。このお決まりポーズは、市原さんの代名詞に。現場では子役の男の子と楽しそうな姿も

 その個性的な演技と唯一無二の存在感で、人々を魅了してきた女優の市原悦子さんが、1月12日に心不全のためこの世を去った(享年82)。声優として出演したアニメ映画『君の名は。』の新海誠監督も、

≪ご訃報、信じがたく、とても残念です。僕は『まんが日本昔ばなし』で育ちました≫

 と、投稿。また17日に行われた通夜では、20年来の友人であるゴダイゴのリーダー、ミッキー吉野がピアノ演奏で追悼し、別れを惜しんだ。

 週刊女性にも何度も登場した市原さん。目標を尋ねた際には、四半世紀以上にわたって演じた代表作の役柄に重ね合わせ、

「家政婦の石崎秋子と同じように、朝起きて勤め先に時間どおりに行ければいいってことですね」

 ボソボソと、気負いなく話してくれた。演じ続けた家政婦のように、きっと天国でも愛した人たちを物陰からひっそりと、そして、その温かい目で見守ってくれることだろう。

(撮影/坂本利幸、近藤陽介)