「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。ライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「良いヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。
小川彩佳アナウンサー (c)産経ビジュアル

第17回 小川彩佳アナウンサー

 2月上旬に、テレビ朝日の小川彩佳アナウンサーが、一般人男性との結婚とテレビ朝日を退職することを発表しました。小川アナは4月以降はフリーに転身するそうです。

 小川アナといえば、2017年2月、『週刊ポスト』(小学館)に嵐・櫻井翔との熱愛を激写されたことを思い出します。『報道ステーション』のサブキャスターを務め、報道畑のエースである知的な小川アナが相手とあって、櫻井ファンも祝福ムード。『スポーツニッポン』によると、小川アナはテレビ朝日の上層部にも交際を報告していたそうで、将来を見据えた真剣な交際であることがうかがえます。

 しかし、2018年の8月、『週刊文春』(文藝春秋)が二人の破局をスクープ。公式なコメントを出していませんが、なんとなく本当なんだろうなと私は感じました。なぜなら、小川アナが『報道ステーション』から『AbemaPrime』(AbemaTV)に異動したから。もし櫻井と順調であるのなら、櫻井夫人になるやもしれぬ人を、看板番組から動かすはずがないと思うのです。

 ところで嵐といえば、先月、2020年の12月末日をもって、活動休止することが発表されたばかり。ファンの皆さまの心中お察し申し上げますが、事務所にとってもファンにとっても大事なこの2年間にメンバーが結婚するとは考えにくい。となると、最短でも2021年、場合によってはもっと遅くなる可能性もあります。結果論ではありますが、小川アナ、早く決断できて正解だったと言えるのではないでしょうか。

 が、ネットには「別れてから、結婚までが早すぎる」という声が上がっているようです。切り替えが早いというより節操がない、もしくは二股をしていたヤバい女疑惑も持ち上がっていますが、「そんなに真面目だと、悪い意味でのヤバ女になっちゃうよ!」と申し上げたい。

女性がヤバ化する3つの理由

 女性がヤバ化する理由は、3つあると思います。

 1つめは、一途だから。他に目を向けずに、何かに打ち込む人を“一途”と言い、ほめ言葉的なニュアンスで使うことが多いと思いますが、私に言わせるなら、これは女性にありがちな完全な悪癖。直接的な浮気を勧めるわけではありませんが、交際中に結婚の話が出ても将来的にどうなるかは未知数です。先のことはわかりませんから、正式に婚約するまでは、“戦況”を把握する習慣だけは捨てないでほしいものです。別れてから「私は彼だけを見てきたのに」と真面目さをアピールする女性はたくさんいますが、真面目だからといって報われるとは限らないのが、オトナもしくは男女の世界です。

 ヤバ化する理由の2つめは、同じことをずっと一人で考えているから。なぜずっと考えてしまうかというと、答えがわからないからだと思うのです。フラれた理由、失敗した理由をあれこれ考えても、それはあくまでも推測であり、本当のことはわかりません(たとえば、彼氏にフラれたときに「嫌いになった理由を教えて」と詰め寄る人がいますが、彼氏が本当のことを言うとは限りません)。わからないことをずっと考えていると時間の無駄ですし、精神的にも消耗します。いいことも悪いことも、わからないことは「こういう縁なんだ」と割り切りましょう。

 ヤバ化する理由の3つめは、後がないと思い込んでいるから。

 '80年代に銀行に勤務する独身女性が横領事件を起こしたことがありました。当時は「女性の幸せは結婚」という考え方が強く、セクハラという概念も浸透していなかったため、独身女性は何かにつけて「そんなことだから、結婚できないんだ」という言い方をされていたそうです。

 そんな中、あるベテランOLが知り合った男性にだまされ、コツコツ貯めた貯金をすべて貢いでしまいます。貯金がなくなったところで男性は横領をもちかけてくるのですが、この時、断ることもできたはずです。そうしなかった理由を、「貯金もない、トシも取っている、この人に結婚してもらわないと、自分には後がない」と思ったそうです。結婚したければお見合いをすればいいわけですし、お金ならまた貯めればいい。方法ならいくらでもあるはずなのに、後がないと思い込むことで、追い詰められて犯罪に手を染めることは、めずらしいことではありません。

ジャニーズの元カノたちの軌跡に学ぶ

 後がないなんてことはない、という証明の1つとして、ジャニーズの元カノたちの軌跡を見てみましょう。

 元SMAP・稲垣吾郎と約10年も交際していたと報道されていた女優・菅野美穂。2012年に発売された『結婚、しない? 女子1532人の恋愛・結婚・セックス』(朝日新聞出版)のインタビューに答えた独身時代の菅野は、「世界中に70億もの人がいるのに、これだけ多くの人が結婚をしていない。人間は結婚や生殖でないことを考える時期が来ているのではないか」と、ちょっとメンタルがヤバそうな発言をしていた時期もありましたが、共演した俳優・堺雅人の猛アプローチにより、交際3か月で結婚。結婚後、堺はドラマ『半沢直樹』(TBS系)で超高視聴率を記録。菅野も女優を続けながら、二子を出産しています。

 女優・佐々木希は嵐・二宮和也との交際が報じられましたが、破局後に交際したアンジャッシュ・渡部建と結婚を決めています。櫻井翔の元カノと言われていた女優・堀北真希は、俳優・山本耕史と交際2か月でのスピード婚、現在は活動を休止して育児に専念しています。

 少ない事例ですが、ジャニーズと破局した女性陣は、交際に制約の少ない男性とさっさと結婚を決めて、自分の主義を貫いて家庭を築いていることがわかると思います。

 2018年8月23日号の『女性自身』(光文社)によると、櫻井が小川アナとの別離を選んだ理由は、嵐の20周年記念イヤーに結婚している場合でないこと、有働由美子アナとともに『NEWS ZERO』(日本テレビ系)の二枚看板とならなくてはいけないこと、加えて2020年の東京オリンピックをあげています。やや、こじつけた感はありますが、結成20周年とオリンピックがほぼ同時であるということは、結婚できるタイミングとは言えないのではないでしょうか。

 櫻井と離れた小川アナですが、『スポニチアネックス』によると、7月から『NEWS23』(TBS系)の新メインキャスターを務める方向で調整に入ったそうです。フリー転身後の初仕事としては、申し分ないでしょう。テレビ朝日で培った実績があり、櫻井との恋愛で幅広く名前を売り、ダメだと思ったら、ササッと引いて別のパートナーを見つける。忙しい現代に生きる女性たちは、ヤバいくらいに能率がいい小川アナをお手本にされてはどうでしょうか。


プロフィール
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。