司会の岡田圭右とフジテレビアナウンサー川野良子

「正解! 30ノーベル!」。スタジオに響く、ますだおかだの岡田圭右の明るい声。「ワハハハハ!」と笑いの絶えない収録現場。“今いちばん面白いBS番組”と言われている「クイズ!脳ベルSHOW」(BSフジ)をご存じだろうか。

 2015年から始まったこの番組、当初は水曜の22時台のみの放送だったものの、じわじわと人気が拡大。放送開始1年後に月~木曜に放送日を拡大するや、'17年4月からは、なんと月~金曜までの帯番組に成長。今では好評すぎてBSフジの再放送にとどまらず、本家の地上波のフジテレビでも、早朝4時から帯で放送するほどのお化け番組なのだ!

 人気の秘訣は、地上波のような知識を競い合うクイズ番組と違って、「なぞなぞ」「過去のヒット商品を思い出す」「マッチ棒でできた数式を1本動かして正しい数式に組み替える」といった、誰でも楽しめる脳トレ的なクイズを出題している点。年齢とともに衰えていく脳に警鐘を鳴らすため(=脳ベル)、“ひらめき・記憶・瞬発力・発想”の4ジャンルからなる脳を活性化させるクイズの数々は、適度な頭の体操にピッタリ! 

この日の出演者は、松尾紀子(フリーアナウンサー)、ハチミツ二郎(芸人)、安達有里(タレント)、藤原喜明(プロレスラー)

「東●王」のようなガチンコクイズにはついていけないけど、「『脳ベルSHOW』だったら楽しみながら参加できる」とあって、今や「地上波のクイズ番組よりも面白い!」と絶賛の声が相次いでいるほど。

「出演者の素の魅力を引き出すために、決まり事はほとんど作らないようにしています。中には、カンニングまがいのことをする方もいるくらい。頭を使うことに重点を置いているので、クイズ番組では考えられないようなヒントも出します」

 そう話すのは、番組プロデューサーの小沢英治さん。わからない出演者に対して、何度も助け船を出す岡田さんの姿は、もはや番組の名物。なんとか答えにたどり着こうとすることで、頭はフル回転する。不正解でもOK。頭を使ったことに意味がある。

 クイズの監修には、脳科学者で公立諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀博士が担当。認知症予防にも適した本格的な問題が並んでいる。解けそうだけど、一筋縄ではいかない……そんな、ほどよい塩梅の難易度も、視聴者に大好評だという。

 脳ベルSHOWの人気は、絶妙なクイズ問題だけではない。これまで2400人(!!)を超える40代~80代の多彩なゲストの顔ぶれも、番組の大きな魅力となっている。編集部が密着したこの日も、アナウンサー、芸人、プロレスラー、落語家、俳優などなど、食べ合わせを心配してしまうくらいの濃すぎる面子が大集合。こんなクイズ番組、見たことない!

若手にはない勢い。時に無法地帯!?

「主な視聴者層である40代以上の方にとって、スターだったり、憧れを抱いたりするような芸能人が、商品の名前が思い出せずに悩んでいる。視聴者から、『あのスターも思い出せないんだ! 勇気づけられる』といった反響も数多く届きます。視聴者が、当時に戻れるような雰囲気と懐かしさを心がけています」(小沢さん)

 クイズが解ける解けないにかかわらず、ひと癖もふた癖もある出演者の個性を、岡田さんが面白おかしく引き出し、川野良子アナウンサーが軽妙にサポートしていく。クイズの出来を競い合うのではなく、クイズそのものを楽しむ。脳ベルSHOWには、テレビが持つ“楽しさ”が通底している。

 実際、密着取材した収録では、プロレスラーの藤原喜明が、収録中にウイスキーを飲み始める暴走っぷりを発揮! 酒の力でクイズを乗り切るという前代未聞の展開は、地上波ではお目にかかれない面白さにあふれている。

まさに何でもアリ!答えにつまった藤原組長が安達有里に絡む。有里ママじゃなかったら放送事故

 そして、何よりも驚かされるのは、ときに猛獣(!?)ゲストをコントロールしつつ、司会として最後まで番組を盛り上げる岡田のタフっぷり。脳ベルSHOWは、月・火曜と水・木曜の2日間ごとに上位2名、計4名が金曜日の「週間チャンピオン大会」として対戦する構成。1日に月~金の5本分を撮り、収録時間の約10時間を駆け抜ける岡田さんのテンションがあるからこそ、脳ベルSHOWは面白いのだ。

「地上波の早朝再放送が始まって以降、若い世代も“なんだこれ?”と興味を抱いてくれるようになり、今では幅広い層に見ていただいています」と、小沢さんが話すように、まだまだ人気が上昇しそうな予感。

 2017年からは、年に1度のペースで、脳ベルSHOWをベースに置いたクイズ番組『BSフジ11時間テレビ』も放送している。記者会見で岡田が、「AKB48などいろいろありますが、私は“下り坂48”と命名します! 下り坂といっても、転がったら勢いがあります。若さにはない勢いがある!」と発したように、往年のベテラン芸能人たちが奮闘する様子は、今後も多くの視聴者の共感を得るはずだ。

「『笑点』のような多くの方から愛される長寿番組を目指していきたいです。そして、40歳を過ぎてこの番組に出ることが目標といわれるような番組にしたいですね」(小沢さん)

 ゆくゆくは、「素人の方が参戦できる特別大会もあるかも」とのこと。年をとることは、誰もが通る道。だからこそ、どう頭を柔らかくして、人生をエンジョイするかがカギ。その醍醐味を、「クイズ!脳ベルSHOW」は教えてくれているのかもしれない。

クイズ!脳ベルSHOW BSフジ
放送時間:月曜日~金曜日(22:00~22:55)
再放送:BSフジ 月曜日~金曜日(12:00~13:00)
フジテレビ 月曜日~金曜日(4:00~4:55)
※関東地区のみ
http://www.bsfuji.tv/noubellshow/