小川彩佳アナ、退社後の動向で浮かぶ疑問点とは (c)産経ビジュアル

 卒業シーズンがやってきた。

 今年も、局を退社してフリーになるアナウンサーが何人かいる。

 その中でも注目されているのがテレビ朝日の小川彩佳アナだ。2月に結婚・退社を発表したため、“寿退社”と騒がれた。しかし退社の理由は結婚だけではない、と見る向きは多い。

 担当していた『報道ステーション』を降板した小川アナが、反旗をひるがえしたともいえる。そして、退社後はTBSの『NEWS23』のメインキャスターに就任するのではないかという噂が出ていたが、ここに来てほぼ確定と報じられている。

 業界の掟とまでは言わないが、“仁義”として、局アナが退社してすぐに他局の報道番組に出演することはタブーとされている。以前は最低でも1年たたなければいけないとされていた。

 最近は緩くなったようにも見えるが、有働由美子アナでもNHKを退社してから日本テレビの『news zero』に出演するまで半年以上かかった。

 そう考えると小川アナの登場は、早くても秋の改編期である10月からではないかと見られていた。

業界の仁義、その“例外”

 ところが、一部スポーツ紙によれば、小川アナが6月から登板するという方向で最終調整を進めているという。退社してすぐではないが、それでも、退社から約2か月で他局の報道番組に出演するというのは異例だ。

 だが、そこに立ちはだかるのは前述した業界の“仁義”。  

 タイミングを間違えたら“義理を欠いている”とバッシングを受け、古巣であるテレ朝の怒りを買い、同局から出演拒否される懸念も出てくる。出演NGの局があっては、フリーになったうまみも減ってしまうだろう。

 実は、この“仁義”問題に例外がなかったわけではない。'11年3月に日本テレビを退社した羽鳥慎一アナは翌月から、テレビ朝日の情報番組『モーニングバード』(現在は『モーニングショー』に変更)に出演している。

 なぜそんなことが許されたのか、それにはある“芸能界の不文律”があったからだという。

芸能界とテレビ局のパワーバランスといったらいいのでしょうか、テレビ局はまさに、“泣く子と大手事務所には勝てない”のです。フリーに転身後、羽鳥さんが所属した事務所の“力”が大きかったんでしょうね」(芸能プロ幹部)

 タブーを犯したが、その後の羽鳥アナの活躍は言うまでもない。

 そこで気になるのは小川アナの身の振り方。次の仕事が決まっているということからも、どこかの事務所に所属しているのだろう。異例ずくめの報道を見る限り、業界内でも力の強い事務所に所属ずみの可能性が高いと思われる。

 局アナが退社、フリーになると必ずといっていいほど出てくる“どこの事務所に所属するか”という報道が彼女には全く出てこないのも不思議だ。報道に「待った!」をかけることができるほどの大手事務所なのだろうか……。

 いずれにせよ、ファンにとっては、彼女の姿を早く見られるにこしたことはないのだが。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。