甲斐翔真 撮影/森田晃博

匠海とは、同じ“さそり座のB型”なんです。同い年の役者さんはほかにもいますけど、僕たちは兄弟構成や共通点がすごく多くて。けっこう人見知りしてしまうタイプですが、彼とはごく自然にスッと関係をつくれた気がします」

 映画『君は月夜に光り輝く』(3月15日公開)に出演している甲斐翔真(21)。劇中で演じたのは、北村匠海が演じる“岡田卓也”のクラスメート“香山彰”で、現場で挨拶をした瞬間から“(匠海とは)合うな”と感じたそう。

「自分の直感を信じるようにしています。例えばひと言、話しただけで“この人はこういう人なんだろうな”と感じたり」

 フィーリングを大切にするという彼の、向かい合っていると何かを見透かされてしまいそうな瞳は印象的で、

「あくまで“だろうな〜”と勝手に思ってるだけなので、安心してください」

 と、フランクに笑ってみせた。

芸能界入りは“親孝行”だったのかも

 高校1年生のころに原宿でスカウトされたことをキッカケに芸能界入り。当時を振り返り、

「オシャレだけど少し怪しい雰囲気のおじさんに“芸能界に興味ありますか?”って声をかけられたので、正直、最初は現実味なかったです(笑)。家に帰って母親に伝えたら、その住所に見覚えがあったらしく、いきなり“福山雅治の事務所だ!”って。ファンクラブに入るくらい大好きだったらしいので、すごく喜んでくれましたね。ひとつ、親孝行できたかもって思います」

 2016年に『仮面ライダーエグゼイド』でデビュー。昨年は、連続ドラマ『花にけだもの』『覚悟はいいかそこの女子。』『ゼロ 一獲千金ゲーム』に出演し、俳優としてのキャリアを積み上げている。

 いずれも高校生を演じているが、甲斐自身の高校生活は?

小学校1年生からずっと、サッカーをやってきました。高校もスポーツ推薦で入学してるので、サッカー三昧だったなぁと思います」

 そんな甲斐が、演技以外にも好きだと話したのが“歌”。

「それこそ、スポーツ推薦だったので、周りの友達が受験勉強をしているあいだ退屈で(笑)。放課後にひとりでカラオケに行くことが多かったですね。高校の文化祭では、スキマスイッチさんの『奏』を歌いました」

 いつかミュージカルの舞台にも立ってみたいと意気込む。サッカー男子で歌もうまくて、さぞかしモテたのでは? とツッコむと、

「いや、それが全然。1度も告白された経験がありません(笑)」

「仕事観」の変化

 出演作は必ずチェックするというが、その理由は「心配性だから」という意外なもの。

甲斐翔真 撮影/森田晃博

「自分がいいと思っていても、他人がいいと思わなかったら失敗だと思うんです。世論はすごく大切ですし、この仕事も“見てくれる人”のためにやっていますから。たまにですけど、エゴサーチもします。今は反応がリアルタイムで見れちゃうじゃないですか、やっぱり気になりますよね」

 最近は、仕事への姿勢や考え方も変わってきたそう。

「今年に入ってから、複数の作品に同時に携わらせていただいて、作品ひとつひとつに向き合うには時間が足りない、どうすれば早く答えにたどり着くだろう? と考える機会がありました。そのおかげで、より早く問題の“核”を見つけられるようになったし、芝居と冷静に向き合えるようになったんです。忙しくしているほうが僕の性格には合っているみたいです

 カメラの前に立てば凛々(りり)しく鋭いカッコよさが光り、会話を始めればその場の空気を柔らかくする。さらに仕事への考え方がスマートとくれば、さすがにズルいので、何か弱点を……と教えてもらった。

「実は野菜が嫌いなんです。あと、キノコは絶対ダメ。大好きな食べ物はカレーです、甘口の!」

 最後はいきなり無邪気な印象に変わった甲斐翔真。

 21歳の彼が、これからもたくさんの作品と関わり、多くを吸収し、魅力的な男性になっていくことは間違いなし!

(c)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

映画『君は月夜に光り輝く』
2019年3月15日(金)全国東宝系公開
原作:佐野徹夜『君は月夜に光り輝く』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
監督・脚本:月川翔
出演:永野芽郁 北村匠海 / 甲斐翔真 松本穂香 / 優香 長谷川京子 及川光博

(c)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

かい・しょうま◎1997年11月14日生まれ。東京都出身。185cm、68kg。2016年『仮面ライダーエグゼイド』のパラド/仮面ライダーパラドクス役でデビュー。2019年公開の出演作品はFOD『いつか、眠りにつく日』、YouTubeドラマ『パラレルスクールDAYS』、FOD『花にけだもの〜Second Season』など

<取材・文/たかはしもも子>