終始一貫して無表情

「実は、事件があった翌日から、紀子さまと悠仁さまは長野県へスキー旅行に行かれていました。おそらく、学校のお友達親子とご一緒だったのではないでしょうか。

 しかし、悠仁さまの机に刃物が置かれていたことが発覚し、悠仁さまの安全を確保するため、おふたりはすぐさま帰京されたそうですよ。

 紀子さまはそうとうな不安を感じられたのか、その後、すぐに悠仁さまの警備体制は厳重になったのです」(宮内庁関係者)

 秋篠宮悠仁さま(12)が4月に内部進学したお茶の水女子大学附属中学校(東京都文京区)に不審者が侵入したのは先月26日のこと。悠仁さまの机の上には、果物ナイフ2本をアルミ製の棒の先にくくりつけて槍を模したような刃物が置かれていた。刃はピンク色に塗られており、不気味なメッセージと受け止められた。

 翌27日昼ごろ、NHKなど大手メディアが事件を報じるのと前後して、長野に泊まりがけのスキー旅行に出かけたばかりの紀子さまと悠仁さまは予定を早々に切り上げ、東京に戻ったという。

「改元5日前の大胆な犯行に警察の動きは早かった。校内の防犯カメラに映った容疑者の映像を起点に周辺の防犯カメラ映像とつなぐリレー方式で逃走ルートを追い、容疑者が最寄りの地下鉄駅から電車移動して神奈川・平塚のビジネスホテルに投宿したことをつかんだ。令和前に逮捕するという執念の捜査が実った」(全国紙社会部記者)

 警視庁捜査一課は同29日、正当な理由なく同中学校に不法に入ったとして住所、職業ともに不詳の自称・長谷川薫容疑者(56)を建造物侵入容疑で逮捕。「中学校に入ったのは間違いありません」と容疑を認めている。

犯行時、悠仁さまの教室は体育の授業中だったため無人だった。長谷川容疑者は逮捕後、天皇制や皇位継承のあり方に不満があったと供述している。あえて生徒のいない時間帯を狙ったのか、たまたま無人教室だったのかは捜査の進展を待つしかない

 と前出の記者。

 学校側が刃物を持った不審者の侵入を防げなかった事実は重い。お茶の水女子大の室伏きみ子学長は同30日、大学のホームページで、

《本学の警備体制が十分に働いていなかったこと、また危機対応意識に甘さがあったことを深く反省しております》

 などと関係者向けに謝罪するコメントを掲出。警備体制の強化を図るとしている。しかし一方で、こんな証言も。

犯行当日は保護者会が行われていて人の出入りが多かったんです。その情報も知っていてその日を狙ったんだとしたら……。警備体制の緩さというよりも内部協力者がいたんじゃないかと疑う声が内部から湧き上がっているのも事実です」(学校関係者)

 容疑者が逮捕されたからといって周囲の心配は晴れていないようだ。

附属小学校の近くで警察が入念に捜査していたという目撃情報も

「秋篠宮さまは、今回の事件が起こったことによって、これまでの警備体制を見直さざるをえないとお考えになったと聞いています。

 というのも、秋篠宮さまは現在、皇位継承順位1位で皇太子待遇である『皇嗣』のお立場ですが、警備人員をすぐには増やさない方針でした。表向きは、厳重な警備で国民に迷惑をかけないようにという理由ですが、ご自分たちが自由に動きづらくなるからのようです。とはいえ、将来の天皇陛下である悠仁さまが重大な事件に見舞われたため、“さすがに、このままではまずい”と思われたそうですよ」(秋篠宮関係者)

 事件には謎が残る。まず、大学敷地内に侵入したルートがわからない。

 容疑者は黄色いヘルメットや青い作業着で水道工事業者を装っていた。しかし、正門と南門では身分証のチェックと記名を求められるため、それ以外の場所から敷地内に入ったとみられる。そのうえで午前10時50分ごろ中学校の校舎にたどり着き、入り口で水道工事業者を名乗って解錠させると、わずか20分ほどで犯行を終えて正門から出ている。

お茶の水女子大近辺の見取り図

 学校近くの水道工事業者は、

「大学敷地内の水道工事を請け負う業者は入札で決まっています。ですから水道工事を装っても業者名を聞かれるはずで、そのへんをどうクリアしたんでしょうかね」

 と首をひねる。

 学校の出入り業者は、

私たち業者は正門で入校時間と退出時間をチェックされるんです。容疑者は入るときは正門を通っていないんですよね。だとしたら出るときに止められると思うのですが

 と疑問を口にした。

事件をうけて保護者の不満が増幅か

 次に、どこで着替えたのかがわからない。正門を出るときは作業服姿だったとみられるが、徒歩約5分の東京メトロ茗荷谷駅の防犯カメラは、別の服装に着替えた長谷川容疑者をとらえていたという。

イラスト/スヤマミヅホ

 正門から茗荷谷駅までは一本道。コンビニ2店舗、カフェ、レストランなどがあるが容疑者の目撃情報はなかった。脇道をちょっと入ると大塚公園があり、店や公園のトイレで着替えた可能性はある。

 犯行時刻の大塚公園は幼児を連れたお母さんたちでにぎわうため、中年男がトイレで着替えれば目立つに違いない。

 3つ目の謎は、手製ピンク槍が示す意味。形状などが『ロンギヌスの槍』に似ているとされる。同槍は、はりつけにされたイエス・キリストの死を確認するためにローマの兵士ロンギヌスがわき腹を刺したものとされ、人気アニメ『エヴァンゲリオン』や複数のゲームにも架空の武器として同名で登場する。

「刃物がピンク色に塗られていた理由がピンとこない。キリストの血は赤いし、エヴァの武器もピンクではなく赤に近い。なぜ、ピンクを選んで塗装したのか」(前出の記者)

 どんな人物なのか。容疑者が契約書などに書いたとされる京都市内の住所を訪ねると、そこは巨大団地だった。

容疑者が暮らしていたと思われる集合住宅の玄関。表札と郵便受けに名前はない

 同団地に住む女性住人は、

エレベーターで乗り合ったときに挨拶する程度。2~3年前まで高齢の母親と暮らしていたみたいだけれど、最近は1人でいるところしか見ていない。スーツ姿は見たことがないし、ラフな服装が多かった。

 よく日中に近くのショッピングセンターに買い物に出かけて買い物袋を提げていた。いつも黒い帽子をかぶっていたので、逮捕されるまで丸刈りとは気づかなかった。ここ1~2か月内にも買い物姿を見ましたよ」(同女性)

 近所トラブルなどは確認されていない。

 今回の事件にかかわらず、一部の在校生周辺には鬱屈した空気が流れていた。

有形文化財のお茶の水女子大学正門

 昨夏のこと。学校に近い飲食店で、悠仁さまのご学友の保護者とみられる女性3人が、“先生”と呼ばれる男性に詰め寄るシーンが目撃されている。居合わせた地元客が話す。

保護者は“先生、特別扱いを受けている子がいるという現実をどう子どもに伝えたらいいんですか”などと質問し、男性は“将来、天皇になられる方と同じ空間にいられる喜びというか、それも立派な教育と考えてはどうですか?”と説得していました。事件でさらに不満を増幅させる保護者もいるのではないか

 周辺住民の中には、地方ナンバーの親戚の車が訪ねてくるたびに警察官から職務質問を受けて窮屈な思いをする人もいる。周囲の理解を得られるような、調和のとれた警備強化が求められるのではないだろうか。