吉岡里帆 撮影/伊藤和幸

オンとオフをしっかり分けるタイプなんです。仕事が終わったあとに時間のある日やオフの日は、ちょっと背伸びをしていいレストランに行ってみたり。

 友達と行くこともあれば、自分ひとりで知らないお店を開拓しに行くこともあります。そうやっておいしいものを食べてリフレッシュして、また次の日に仕事の現場に向かうんです」

 映画にドラマ、CMと多忙な日々を過ごす吉岡里帆(26)。屈託のない笑顔で明るく話す彼女だが、魅力はそのかわいらしさだけではない。学生時代から芝居の世界に引き込まれ、仕事には責任を持ってストイックに取り組んでいく。

私にとってお芝居の面白みは“難しすぎる”ところ。自分の人生、たったこれだけの経験じゃ、この役は演じられないって思うこともあります。でも日々、挑戦することで“生きてる!”って実感が湧くんです。反省の連続ではありますが、人生をかけてやれる仕事だなって。今、すごく生きがいを感じています」

 ハードルが高いほど“燃える”と話す吉岡。そんな彼女が、オファーを受けたときからワクワクしたという出演映画『パラレルワールド・ラブストーリー』が公開される。

もし、この仕事をしていなかったら

 本作では“2つの世界”を舞台に、ひとつの世界では主人公の恋人として、もうひとつの世界では主人公の親友の恋人として登場し、難しい役どころを演じている。

吉岡里帆 撮影/伊藤和幸

「映像化が困難とうかがっていたので、これはやりがいがあるなと。台本もすごく難解でした。普通の台本と、時系列になっている解読用の台本の2冊あったんです。監督からは“これまで吉岡里帆がやってきた仕事とは、まったく違うことをしてほしい”と。なかなかOKが出なくて、かなり苦しんだシーンもありました

 本作では、タイプが正反対の男性2人の恋人として登場!

「それぞれに魅力があって、染谷(将太)さん演じる智彦は一途なピュアさがあって、信用できる。一方で玉森さんが演じた崇史は、ちょっと強引で。“なんとしてでも一緒にいたい”という直球な感じに、女性はドキッとしちゃうのかなと思います

 本作では2つの世界を行ったり来たり。“パラレルワールド”については、

「同じ時間、同じ場所で違う自分がいるというのが、すごく面白いですよね。自分が信じている世界が、実は真逆の世界かもしれない。私ももしこの仕事をしていなかったら、とか、もし男性に生まれていたら……と考えることもあります」

 もし女優以外の自分がいるとするならば?

「私はずっと書道をしてきたので、書道教室の先生を地元の京都でやっていると思います。過去にはそういう道に行くことを考えた時期もあったんです。もしその道を進んでいたら、どうなっていたのかな。想像するだけでワクワクしますね(笑)」