ユン・シユン 撮影/キム・ジヒョン

 最近の韓国ドラマの人気ジャンルのひとつが“法廷もの”。『親愛なる判事様(原題)』でユン・シユン(32)が演じたのは、判事である双子の兄になりすます、前科5犯の不良青年ハン・ガンホ。現在、NHK-BSプレミアムで放送中の韓国歴史ドラマ『不滅の恋人』での誰からも愛される優秀な大君(王子)のフィとは、また違う役柄を演じている。

弁護士や検事を主人公にしたドラマは多いですが、判事は珍しいのではないかと思います。ガンホは正義のために判事になりすましたわけではないけれど、結果的に正義感の強い人になっていくんです」

 言葉遣いも荒く、感情を表に出すガンホは一般的な判事のイメージを覆す破天荒キャラ。あえて無知な姿を見せるため下準備などはせず、真っ白な状態で撮影に臨んだという。

「ドラマを見た方が、何であんな人が法廷の真ん中に座ってるの? と思うような、誰よりも判事らしくない、法廷に似つかわしくないキャラクターにするにはどうしたらいいかをもっとも研究しました。なので、本物の判事さんたちもガンホのキャラを面白がってくれたようです。言いたい放題、やりたい放題で予想もできない行動をとるので、胸がスッとしたと。判事さんたちもガンホのようにしたいと思うことがあるそうですよ(笑)」

 いま韓国で注目度上昇中の新鋭女優のイ・ユヨンが演じる、ガンホを支える司法修習生ソン・ソウンと次第に心を通わせていく過程も見もの。

「いちばん記憶に残っているシーンは、ガンホとソウンが手をつないでジェットコースターの非常階段を下りるシーン。15メートルくらいの高さがある本物の階段で撮影したのですが、役柄とは違ってユヨンさんは“カット!”の声がかかるとリラックスして平然と歩き回っていて。僕はその逆。実はかなりの高所恐怖症なので、怖がっているのがバレないように必死に我慢していました(笑)」

僕が今、手紙を書くなら…

 今作は、現代を舞台にした作品。前作の『不滅の恋人』のような時代劇と現代劇では、役柄へのアプローチの仕方に違いはあるのだろうか。

ユン・シユン 撮影/キム・ジヒョン

「特に大きな差はないですね。まずは僕から役に近づいていかないと。ただ、自分が生きている時代から遠くなればなるほど、逆に人間的な姿を見せなくてはならないことが多かったと思います。

 性格的には『不滅の恋人』のフィのほうが僕に近いとよく言われるんですけど、比べるとガンホは問題が多すぎるキャラなので(笑)。でも、それが面白かったんですよ。やりたくてもできないことができる、みたいなところが(笑)」

 もしドラマのタイトルのように“親愛なる~”という書き出しで手紙を送るとしたら?

「韓国では普通、判事に訴状を提出するときに“親愛なる”ではなく“尊敬する判事様へ”と書くのが定番になっているんです。それをこのドラマでは“尊敬する”ってなんで書くの? “親愛なる”って書こうよと、判事に親しみを持ってもらおうとしている。

 そんな感じで、もし僕が今、手紙を書くならば、彼氏が彼女に送るラブレターみたいに、ファンのみなさんへタメ口で手紙を書くかな?(笑)

モムチャンの秘密。キーワードは“維持”

 韓国ドラマでは定番(!?)の男性主人公が葛藤するときなどに登場するシャワーシーン。『親愛なる判事様』でユン・シユンは、海兵隊での兵役を終え3年がたつ現在も、現役兵士のような見事なボディを披露している   。

とにかく維持です! たるんでいない身体を維持するのが目標。なので外食や出前よりも自分でも料理をするようにしています。一般的には僕が前向きで健康的なイメージを期待されているようなんですが、僕は以前からずっと言ってるけどそんな人じゃないんです。

 でも、みなさんのイメージに近づくためにも、身体を維持しています。身体はその人の生活習慣を見るバロメーターになると思うので、もし僕が太ってきたら、気楽に過ごしてるんだなと思ってください(笑)

『親愛なる判事様(原題)』全16話
6月21日(金)放送スタート
毎週金曜 夜11時~ほか
再放送/翌週木曜 昼1時30分~ ※2話連続放送
■特設ページ(https://www.eigeki.com/special/hanjisama

<取材・文/さいきいずみ>