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 定額で気軽に物やサービスを“利用”できる「サブスクリプション」。映像・音楽配信だけでなく、家電にコスメ、ラーメンまで、いまやあらゆる業界に広がっているサブスク。人はサブスクだけで生きられるのか? 週刊女性が独自に検証してみた!

挑戦したのは……
A子 ◎都内に勤める30代OL。実家を出ておひとりさまに初挑戦。趣味は食べ歩き

ライフスタイル編

 まずは住まい探しから。首都圏などの一般的な賃貸物件の場合は、敷金や礼金を払って契約するケースが多く、初期費用がかさむもの。でも、もっと気軽に引っ越したい! そんな希望を叶えてくれるのが、住居型サブスクサービス。

 都内を中心に約300物件を展開する『クロスハウス』は、月額料金は部屋のタイプによってさまざまだが、管理物件間の移動が無料。初期費用としてシェアハウスは3万円、家具つきアパートメントの場合は5万円を支払えば、どこでも引っ越しがし放題なのだ。

「もっと手軽に引っ越しができるようにと'07年にサービスを開始しました。地方から上京する方や海外から日本へ来た方に多く利用いただいております。首都圏などでは、一般的な賃貸の場合、引っ越し初期にかかる費用は家賃の5か月分といわれますが、当サービスは保証人や保証会社が不要なので、初期費用を安く抑えることができます」

『クロスハウス』の家具・家電付きアパートメントの内装例

 と教えてくれたのは、事業推進課の村山美和さん。全室に家具・家電がついているので、キャリーバッグひとつで楽々、引っ越しができるのはありがたい。入居の手続きはすべてネット上ですませることができるので、何度も不動産屋に行かずにすむのも手軽。

 同じように全国の物件が住み放題の『ADDress』(アドレス)は、空き家や別荘を活用することでコストを抑えながら改修し、快適な空間を提供している。共有の家具や光熱費など含め、月額4万円から利用でき、神奈川県鎌倉、静岡県南伊豆など首都圏から数時間でアクセスできる物件が多いため、週末別荘がわりにも利用可能だ。

『クロスハウス』や『アドレス』は家具・家電がそろっているが、『subsclife』(サブスクライフ)を利用すれば、500円からの月額制でおしゃれかつ機能性に優れた家具・家電を利用可能。引っ越しのたびに処分したり新たに購入するのは大変。これなら結婚したり子どもができたりといったライフスタイルの変化に合わせて、そのときに必要な家具・家電を選ぶことができるのだ。

 キャリーバッグひとつで無事引っ越しがすんだものの、部屋を見渡してみるとなんだか殺風景……。

 そこで、絵画のサブスク『Casie』(カシエ)を利用。作品に関係なく絵のサイズで料金プランが分かれていて、0号サイズなら月額1980円、月額5300円のプレミアムプランなら、最大50号の絵画をレンタルできる。

 作品は最大で月に1回、交換可能。自分で絵画を選べるのはもちろん、ジャンルと要望を伝えればアートディレクターが選んでくれる「お任せ」もできるので、どんな絵を飾っていいのかわからないA子も気負わずに始められる。交換のタイミングは月単位で自由に選択でき、気に入った作品は購入も可能だ。

 リビングに絵を飾ったら、きれいな花も欲しくなってきた。そんなA子に最適なのが『FLOWER』(フラワー)。アプリ上で選んだ花を2週間に1度、自宅に届けてくれる花の定期便サービスだ。

 利用料は1配送につき、ブーケプランの場合は500円だが、1輪ならなんと無料。プランは注文ごとに変更できるので、華やかに飾りたいとき、シンプルに1輪だけ楽しみたいときなど気分に合わせて選択可能だ。送料360円でポストに投函されるので、忙しい日も必ず受け取ることができる。

 これで絵画と花のあるA子のおしゃれライフがスタートした。

ファッション&ビューティー編

 必要最低限の洋服しか持たずに引っ越しをしたA子。次に利用したのは、ファッションレンタルの『メチャカリ』。人気ブランドの新品の洋服が借り放題のレンタルアプリだ。

 利用料は月額5800円で1回3着まで、7800円で4着まで、9800円で5着まで1度に借りられ、返却すれば新たに借りることができ、気に入った洋服は買い取りも可能。さらに、60日借り続けたアイテムは返却不要で、そのまま自分のものにしていいという。

「若い人にもっとファッションを楽しんでほしいという思いで'15年に立ち上げました。'19年4月時点で有料会員の数は1万3000人。20代後半から30代前半の女性を中心にご利用いただいています」

 とは運営会社の『ストライプインターナショナル』広報部の中島梨英さん。返却した服は同社運営の『STRIPE CLUB』(ストライプクラブ)などで販売することで収益化を図っている。

『スパークルボックス』で注文したアクセサリー。普段使いにも◎

 おしゃれにそれほど興味のないA子にとって、何も考えずに今年のトレンドをおさえた洋服が届くのはありがたい。何よりもうれしいのが、よほど目立つ汚れやにおいがなければ、洗濯不要で返却できること。もし汚してしまっても軽く洗濯すればOKで追加で費用がかかることもない。

 すてきな洋服に身を包むようになり、周りから「いつもと違う!」と褒められるようになったA子。次に利用したのは、アクセサリーレンタル『スパークルボックス』。月額2500円から、自分のファッションに合わせてネックレスやピアスなどのアクセサリーが何度でもレンタルできるサービスだ。

 アイテムは、国内外で人気の約46ブランド約2000種類以上から選ぶことができ、気に入れば20%以上の割引価格で買い取りも可能だ。アイテムは自分で選ぶこともできるが、プロのスタイリストにお任せすることも可能で、さっそく、お願いしてみると、2日後に4つのアクセサリーが到着。普段、自分では選んだことがない新たなアクセサリーとの出会いにニヤリ。

 続けて見つけたのが、高級バッグ&時計。『ラクサス』は月額6800円で高級バッグが使い放題。選べるのはやシャネル、フェンディなど57のブランド。40日間、無料体験ができるので、まずはお試し。『KARITOKE』では、月額3980円から高級腕時計が利用可能。こちらもグッチやブルガリなど、憧れのブランドがいっぱいで、どれにしようか迷っちゃう♪

 さらに女子力を上げるべく向かったのが、美容室の月定額サービス『メゾン』。提携先の美容室でシャンプー、ブロー、ヘッドスパやトリートメントが受け放題。平日限定なら、1万6000円から利用することができる。すべてのメニューにはシャンプー・ブロー、ヘアセットが込みになっているので、デートや大事な会食前にヘアセットをしたいというときにもぴったり。

 提携先は独自の厳しい審査基準をクリアした厳選された美容室なので居心地がよく、スタイリストの指名もできるので、何度か行って気に入ったら髪を切ってもらうこともできる。複数の美容室に通うことで、お気に入りの美容室が見つかるかもしれない。

 サブスク生活のおかげで、キラキラOLに変身。これでコンパに行って素敵なメンズに出会えれば、おひとりさま生活にもさよならできるかも!?

フード&ドリンク編

これがもらったパン。ほかにも、『Reduce Go』には惣菜などの出品もあるそう

 お次は食事編。農林水産省によると、本来食べられるにもかかわらず捨てられた「食品ロス」の量は平成28年度で643万トン。このうちで、飲食店や食品メーカーなどの事業系食品ロスは352万トン。食べられるのに捨ててしまうなんてもったいない!

『Reduce Go』(リデュースゴー)は、お店で余った食品をテイクアウトできるサービス。月額1980円。アプリをダウンロードすると、現在地周辺の“余剰食品”が表示され、気に入った食品をタップすることで注文完了、あとは指定の時間までにお店に取りに行くだけだ。注文は毎日2回まで可能で、同じ飲食店の商品を2種類注文してもOK。

 さっそく食品をゲットすべくアプリを見るも、加盟店は多いものの、行ける範囲の店からの出品がない! 待ち続けること3日、ついにパンをゲットできた。

「パン屋はデイリーに利用されるので、ある程度の種類と品数をそろえておかないとすぐに飽きられてしまう。このためどうしても売れ残りが出るんですが、自分たちで消費するのにも限界があるので、これを利用する前は相当な量を廃棄していましたね」

 とはA子がパンをもらうために訪れた、東京・世田谷区にあるパン屋のご主人。同サービスがスタートした'18年から加盟しており、週に数日、余った際に出品している。利用者は最寄りの沿線住民が多いが、なかには遠方からわざわざ訪れる人もいるそう。

お酒、ラーメン、お菓子もサブスクで!

 お酒が好きなA子にぴったりなのが、居酒屋チェーン『金の蔵』の『お得定期券』。対象店舗であれば、通常1800円の『プレミアム飲み放題120分』が月額4000円で毎日、利用可能。生ビール、ハイボールを含む60種類以上のメニューが飲み放題なのだ。

飲み放題定期券の購入は、『金の蔵』の公式アプリから。従業員に画面を提示することで利用できる

「新規集客力の低下を補うため、顧客のリピート率を上げる必要がありました。来店頻度を上げることで、売上高アップを狙い、'19年3月にサービスを始めました」

 とは、『金の蔵』を運営する三光マーケティングフーズ人事総務部の西川絢さん。

 食べ物は飲み放題に含まれないため、飲み放題で来店した利用者が注文する料理代で売り上げを伸ばしている。今年7月時点で利用者は約900名で、平均月に5〜6回の来店がある。飲食業界では月に1〜2回の来店でもヘビーユーザーと言われるらしいので、定期券利用者はかなりのお得意様になっている。

 そして、飲んだ後の締めはやっぱりラーメン。関東を中心に展開する『野郎ラーメン』では、月額8600円で1日1杯ラーメンが食べられる。1杯800円前後なので、12日間行けば元が取れる。味がこってり系なので、体重が気になるけど……チャレンジするしかない!

 小腹がすいたとき、お菓子を食べたい。でも、健康や美容が気になるし、食べたあとに罪悪感を感じる……。『スナックミー』は、化学調味料や人工着色料、マーガリンやショートニングなどを使わないお菓子が定期的に届くサブスクサービス。

 1回の配送につき1980円(税込み・送料無料)で定期的にお菓子を届けてくれる。届く頻度は2週間か4週間で選ぶことができる。身体にやさしいお菓子だから、子どもがいる家庭やお客様に出すお茶うけにもいい。

 快適な暮らしを手に入れ、もはや、サブスク以外で商品やサービスを購入しなくなったA子。あとは身体が疲れたときのマッサージの定額利用サービスがあれば完璧なのにな〜と思いながら、Netflixでドラマを見るのだった。