7月9日夜、ジャニーズ事務所には多くのタレントたちが詰めかけた

 ジャニーさんが亡くなったーー。

 ジャニヲタにとって身内が亡くなったくらいの衝撃はあるだろう。

 いつか来るだろうとはわかっていたが、それは突然やってきた。なぜか、親孝行はやれるうちにやろうという教訓を思い出した。

 私たちの大好きなジャニーズを作ってくれたジャニー喜多川さん。

 こんなによく知らない人が亡くなったことに悲しさを覚えるものか、というくらい悲しい。ただ、よく知らないと言えども、かつてジャニヲタだった私は幸いにも1回ジャニーさんと会ったことがある。それは新幹線でのこと。

 たまたま乗っていた新幹線にジャニーズのタレントが乗っていたらしく、グリーン車から降りるときに邪魔をする小柄なおじさんがいた。なんなんだ? と思ったが、この人がジャニーさんだった。

 社長なのにタレントを守ろうとする姿勢がすごい。彼にとっては役職など関係ないのだ。

こんなに社長のことを楽しそうに話せますか?

 また、ジャニヲタから見るジャニー氏は、天真爛漫そのものであった。

 グループ名がトリッキー。Kinki Kids、嵐、NEWS、Sexy Zoneなど、いま見たら普通であるが、当時はかなり衝撃的だったグループ名。関西の二人組だから「Kinki kids」。世界中・芸能界に嵐を巻き起こすから「嵐」。そりゃそうだけど……ちょっとダサくない? と言いたくなるのだが、だんだんとクセになってくる。

 人間は自分と圧倒的に離れている感性が好きなのだ。

 また、ファンのなかで「ジャニー喜多川伝説」として語り継がれるものがある。

 ジャニーさんから電話してきたのに「誰?」と電話口で言われる。いきなり「コンサート出ちゃいなよ!」だったり。「食べなきゃやばいよ!」と舞台の幕間に熱々のカレーうどんを差し入れたり。タレントが嬉しそうにジャニーさんのエピソードを披露する。その話を聞くのがジャニヲタたちはすごく好きだった。

 タレントたちがおもしろおかしく話す一方で、食事会でいちばんよく食べるジャニーさんから「ぼくがいちばん食べないとスタッフとか遠慮して食べないでしょ?」と言われたことに感動したというエピソードもある。タレントたちは「そういう気遣いもジャニーさんからたくさん教わった」と口々にするのだ。

 ジャニーさん愛が伝わる。社長が好きって素晴らしい。こんなに社長のことを楽しそうにみんなは話せるだろうか。

 そうして何事においても、いつしか「ジャニーさんだから仕方ないよね」「ジャニーさん流石」とファンの間で言われるようになった。どれも、ジャニヲタにとってはちょっと遠くに住んでる大好きなおじいちゃんの話となんら変わらない。

 ジャニーさんの采配に最初は文句もあったけど、結局正しかった。ジャニーさんがいなくなったら終わりだ。本当にそう思うけど、ここでジャニーズを終わらせてはいけないとも思う。

 裏方にまわったジャニーチルドレンのタッキーに期待したい。タッキーの采配はいかに。まずは8月に行われるジャニーズJr.の単独東京ドーム公演に期待したい。

 第二幕のはじまりである。

 ジャニーさん、Jr.の単独東京ドームを見たかっただろうな、それだけが心残りだ。

<著者プロフィール>菱ユーキ(ひし・ゆうき)◎ライター。ヲタク経験値レベル100。ジャニヲタ歴30年。アラサーヲタクの代弁使。かつてはメルマガで約1万人以上もの購読者を誇った。