戸塚純貴さん

いま、ドラマで共演させていただいている片岡鶴太郎さんの作品展に行った際に、この扇子を買ったんです。鶴太郎さんに見せたら“ありがとう、あとでサイン書かせてよ”とおっしゃってくださって。

 でも、いつもタイミングが合わず、サインをまだいただけてないんですよ。この取材があるので、その前までにはと思ったのですが案の定、すれ違いばかり(笑)。なので、夏の間に書いていただくのが目標です」

 と、笑顔で愛用品の扇子を見せてくれた俳優の戸塚純貴さん(27)。現在、出演中のドラマ『警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜SEASON4』の撮影現場でも持参し、大活躍しているそう。  

オーディションで落語を30分間熱演

下が鶴太郎さんの作品展で買った扇子。上も愛用している落語家の桂雀々さんの扇子

 もともと、扇子が好きで愛用し始めたそうだが、もうひとつの理由は趣味の落語にあった。

「落語に興味があるのと、滑舌や発声の練習も兼ねて、家で日課のように落語をする際にも使用しています。いまは“新聞記事”“死神”“親の顔”という3つの名作落語を覚えました。

 以前、『ゼクシィ』のCMオーディションの際にも“新聞記事”を自己アピールのときに披露させていただいたんですが、30分くらいかかるお話なんですよ。

 最初はさわりだけと言われたのですが、落語は最初だけだと内容が伝わらないと思い、しっかり最後までやりきらせていただきました(笑)。さすがに落ちたかなと思いましたが、奇跡的に選んでいただいて、本当にうれしかったです」

 続いて紹介してくれたのは、同じくドラマで共演する小泉孝太郎さんからの贈り物の『S.T.Dupont』のライター。2年前、同ドラマの撮影現場で誕生日プレゼントとしていただいたもの。

「実は、プレゼントをいただく日の朝、TKOの木下(隆行)さんと“僕すぐにライターをなくすんです”って話をしていたんですよ。すると木下さんから“安いライターを使ってるからなくすねん。いいライターだったらなくさないようになる”ってアドバイスをもらって。

 その直後に孝太郎さんにお会いしたらサプライズで“戸塚くんに誕生日プレゼント。おめでとう”って、このライターをいただいて。孝太郎さんに一切ライターが欲しいなんてこと話したことないんですよ! もうビックリしましたし、神様かと思いました(笑)

高倉健の演じたシーンに鳥肌

小泉さんからいただいたライターは、なくすのが怖いためここぞというときに使っているそう

 そんな戸塚さんは2010年に『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』で理想の恋人賞を受賞したのをきっかけに、芸能界入りして来年で10年。最近、俳優という仕事について、いろいろと考えることがあるんだとか。

「デビューしたてのころは、何も考えられずにいただいた役をガムシャラで演じていました。でも、同じような芝居ばかりしていると飽きられてしまいますし、7月で27歳になり年下の子たちも増えてきた。

 ライバルは誰って聞かれると、よく菅田将暉って答えています。なぜか笑われるんですけどね(笑)。彼は努力してすごく活躍している。ほかの俳優さんたちもそうなんですが、同年代のみんなの活躍は負けられないというか、すごく刺激を受けますね」

 さらに役の幅を広げていきたいとも語る戸塚さんは、今後、こんな役に挑戦してみたいと話す。

「ゆとり世代の若手とか、キャラが強めの役柄が多かったので、20代前半ではできなかったような大人の役だったり、説得力のある役柄も演じられたらなと思います。

 具体的にいいますと、映画『幸福の黄色いハンカチ』の高倉健さん。出所して初めてビールを飲むシーンを見て鳥肌が立ちましたし、言葉に言い表せないほど説得力があるんですよ。そのためにもいろいろな勉強や経験をして。知識量や引き出しを増やしていきたいと思います


《プロフィール》
とづか・じゅんき ◎1992年生まれ。岩手県出身。現在、ドラマ『警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜SEASON4』(テレビ東京系)、『スカム』(TBS系)に出演中。映画『“隠れビッチ”やってました。』『MANRIKI』が今年、主演映画『ケアニン〜こころに咲く花〜』が2020年春に公開予定