ラグビーW杯のプレイベントに登場したゆきぽよ 撮影/渡邉智裕

「カマテ! カマテ! カオラ! カオラ!」

 東京・新宿の歌舞伎町シネシティ広場(旧コマ劇場前広場)に、突如現れた巨大スクリーン。すると、ガチムチ&半裸の外国人男性たちが雄叫びをあげながら踊り出した! その迫力に歩行者も「ナニ?」と足を止め、ざわめき出す。

 新手のストリートパフォーマンス……ではない。実はこれ、9月20日に開幕するラグビーW杯を盛り上げるため、全国各地で開催されるパブリックビューイングのプレイベント。先の軍団は、優勝候補の一角、ニュージーランド代表チームが試合前に舞う民族舞踊「カパ・ハカ」を披露していたのだ。

「ラグビーって、こんなパフォーマンスもあるんだ!」と食い入るように見ていた女性は、「全然ルールは知らないですけど、大きいし筋肉がヤバい(笑)」

ラグビー初心者に親しみやすい内容に

「初心者の方でも気軽にラグビーの魅力に触れていただけるよう、W杯期間中はパブリックビューイングを併設した入場無料の“ファンゾーン”を、国内12の開催都市に開設します。ぜひ一緒に盛り上がってください」

 そう話すのは、東京オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部ラグビーワールドカップ開催準備課。野球やサッカーに比べると、マイナー感が否めないラグビーだけど、「今の日本代表はとても強いので、みなさんのパワーをお借りすれば大躍進も期待できます!」と同準備課が力を込めるように、ファンだけではない、全国民の声援こそ欠かせないというわけだ。

ラグビーファンにはおなじみ。見るものを圧倒する民族舞踊「カパ・ハカ」 撮影/渡邉智裕

 そうは言っても、「ルールもよく分からないし、行っても楽しめないんじゃ……」なんて心配する人もいるはず。でも、ご安心あれ。ファンゾーンは、誰でも気軽にラグビーを楽しめるコンテンツが揃っているんです。

「ラグビーボールを投げて的を撃ち抜いたり、タックルの威力を計測できたり、ラグビーの魅力に触れられるような参加型アクティビティを用意しています。ご家族や、友人同士で訪れても楽しめる空間ですので、気軽にお越しいただければ」(同準備課)

 加えて、前述の民族舞踊パフォーマンスや、芸能人や有名アスリートによるトークイベントなども開催予定。冒頭のイベントでは、ラグビー観戦初体験のタレント・ゆきぽよに、元ラグビー選手が分かりやすく説明するなど初心者を置いてきぼりにしない工夫も。これなら誰でも楽しんで参加できそう!

出場国のグルメブースも

 ちなみに、ルールも「ボールを前に投げてはいけない、前に落としてはいけない」という簡単なことさえ把握できれば、十分盛り上がれるのがラグビーのいいところ。

 また目を離したすきにホームランやゴールが飛び出す野球やサッカーとは違い、相手の陣地に入り込んでトライを決めるスポーツだけに、徐々に攻め込んでいくにつれて応援の声量が大きくなる、なる!

声援に包まれるパブリックビューイング会場 撮影/渡邉智裕

 そんなラグビーを、臨場感あふれる超大型スクリーンを前に、手に汗握って応援すれば、自然と「行け! 押せ!」と会場全体の声がそろう。もしかしたら、どのスポーツよりも一体感が高まり、どのスポーツよりもパブリックビューイングとの相性がいいのかもしれない。その上、イケメン選手も多い日本代表チームだけに、お気に入りの選手を見つければ楽しさ倍増!

「松島幸太朗選手、超ヤバい。カッコよすぎるんだけど。笑顔がかわいすぎる♪」

と、初観戦にして“推しメン”を見つけて“幸太朗LOVE”を猛アピールしたゆきぽよ。おそらく、彼女のように骨抜きにされてしまう人も多数続出するのでは!?

出場国の珍しい料理も。「トンガ風カレー」はボリューム満点! 撮影/渡邉智裕

 またファンゾーンでは、ラグビー強豪国の名物料理を揃えた飲食コーナーも楽しみの1つ。歌舞伎町イベントで食したのは、お肉やイモがごろりと乗った「トンガ風カレー」。肉じゃがをスパイシーにしたようなカレーは食べ応え抜群。各ファンゾーンではどんな料理がお目見えするか、行ってからのお楽しみ。各国の料理を堪能しつつ、ビール片手にカップル、仲間でワイワイ盛り上がろう。

 世界3大スポーツイベントに数えられるラグビーW杯は4年に1回開催されるけども、2回目の日本大会は数十年後になるかもしれない。ジャパンの活躍に歓喜するのも良し、好みのイケメンを見つけるも良し、日ごろのストレスを発散させて絶叫するのも良し! この秋、ファンゾーンで「一生に一度」の熱狂を体験してみて!

開幕の地「調布」はラグビー一色

 東京では、調布と有楽町にファンゾーンが出現。特に、日本代表の開幕戦が行われる調布市はラグビー一色! 去る9月3日には、ファンゾーン開設に先駆けて、調布市が駅前広場に「調布スクラムフェスティバル」を開催して盛り上げた。

 落下するボールをキャッチする「キャッチ&トライ」、マットに飛び込む「ダッシュ&トライ」など、多くのチビッコたちがラグビーを初体験。一緒に参加したお父さんも、「ラグビーは紳士のスポーツ。子どもに“正々堂々”の大切さを教えることができる」と満足げ。

有楽町「東京スポーツスクエア」のファンゾーンでは、全48試合のパブリックビューイングを開催 撮影/渡邉智裕

 また、調布駅前から会場の「味の素スタジアム」までの道のりには、日本大会開催記念マンホールが点在。スタジアムを訪れる際は、探しながら歩くと気持ちが盛り上がる!

 各国のご飯を食べに、子どもと遊びに、などなどライトな気持ちで参加して全然オッケー。それでいて大興奮の試合も観られるなんて、こんな贅沢なスポーツの秋は2度とこないかも!?

(取材/文・我妻弘崇 撮影/渡邉智裕)


《INFORMATION》
PVも開催!ファンゾーンinTOKYO プールA日本代表戦スケジュール

9月20日(金)VSロシア 12:00~22:00(試合開始19:45)
9月28日(土)VSアイルランド 12:00~22:00(試合開始16:15)
10月5日(土)VSサモア 12:00~22:00(試合開始19:30)
10月13日(日)VSスコットランド12:00~22:00(試合開始19:45)

調布市駅前広場及び調布市グリーンホール、有楽町・東京スポーツスクエアにて開催。入場無料(グッズ販売、飲食コーナーは有料)
ほか各地の開催場所はhttps://www.rugbyworldcup.com/fanzones