道端アンジェリカ

 10月3日、道端アンジェリカの夫・キム・ジョンヒ容疑者が、恐喝容疑で逮捕された。すでに出ている情報によると、8月7日に会社役員の40代男性がいる職場に押しかけ脅した挙句、自らの口座に35万円を振り込ませたのだという。

 なぜそうなったか。当時、アンジェリカの夫が経営するバーの個室で男性が自分の妻とイチャついていたのを知り激怒。店内の防犯カメラの映像を見せて金を要求したらしい。それだけでも頭が混乱してしまいそうなのに、夫が発した脅し文句がなんと、

おまえの家族をめちゃくちゃにしてやる。ウソをついたら鉛筆で目を刺す

 だったらしいのだ。

 もし本当に刺して大事に至ろうものなら、夕方のニュースで「犯人は渋谷区内にある文具店で鉛筆を購入し……」などと報じられるのか。凶器として使うなら一緒に鉛筆削りも買わなきゃだろう、とか余計な想像は置いといて、とにかくセレブモデル“道端三姉妹”の末っ子・アンジェリカがピンチなのである。

YouTuberなアンジェリカ

「なぜ個室に防犯カメラが?」といった観点から持ち上がったのはアンジェリカの『美人局疑惑』。さらに恐喝の場に同席していたにも関わらず、そこから約2カ月もの間、平然とセレブ生活をインスタにアップしていたことでも非難が殺到した。

 インスタを更新し続けた理由として彼女は公式HPでこう弁解している。

この2ケ月間、私は誰とも会うこともなく、連絡を取ることもありませんでしたが、その事で皆様に余計な心配を掛けたくない、という一心で、事実と異なるインスタグラムを上げてしまっておりました

 ちょっと苦しくないだろうか。余計な心配をかけたくないという割には、高そうな私服をお披露目がてらモデルポーズ。ジムでトレーニングする姿でさえポージング。あまりにキメキメすぎなのである。

 カレンとジェシカ、2人の姉のインスタグラムと見比べてみたが、広がっていたのは三者三様のセレブリティあふれる“映え写真”たち。正直、私にはほとんど区別がつかない(カレンだけ自転車の登場率高め、ということくらいか)のだが、違いはプロフィール欄にあった。アンジェリカだけYouTubeのリンクを貼っているのだ。

 今や芸能人がYouTubeの世界に進出するのは常識だ。しかし、仮にもセレブモデルが「テーマを考え、撮影・編集に時間をかけた動画をアップ」することで広告費を稼ぐなんて、ちょっとイメージ違いな気がするのは私だけだろうか。優雅なセレブライフを謳(うた)っている割にだいぶ手間暇かけるじゃん、と。

 かつて彼女がバラエティ番組で「結婚するなら年収5000万はほしい」といった発言をし、世間に強烈なインパクトを与えたのを覚えているだろうか。その夫が「35万円を求め恐喝で逮捕」。なんとも“逆セレブ”な一件である。

 かたや、姉のジェシカがF1ドライバーのジェンソン・バトンと離婚騒動を起こした際、資産を争った額はなんと63億円。インスタ上では似ている3人だが、実は目に見えない姉妹間格差があったのかもしれない。

アップルパイは「未知の物体」

 YouTuberとして「産後に効くダイエット法」や「コスメ紹介」の動画をアップするなか、こんなタイトルも。

『簡単なのに豪華に見えちゃう離乳食の作り方』

 この、“豪華にみえる”というのがどうも切ない。つまり本当に豪華なわけではなく、そう見せているだけの虚飾なのだ。ここに彼女の本質めいたものを感じてしまう。

 ここに、かつてアンジェリカがインタビューで3姉妹の特殊な中学生時代について語った場面を引用したい。'13年に雑誌『潮』に掲載されたお笑い芸人ナイツの連載『ナイツのヤホー対談!』より。(どんな組み合わせの対談だよ、というツッコミは控えていただきたい)

そのころの私はお菓子なんて自由に口にしたことがありませんでしたから。家には殻つきのクルミが置いてあって、それを機械で割って生のクルミを食べるんです。甘いものなんて、まったく食べさせてもらえませんでした。家にはよくアップルパイが置いてあったんですけど、それは父のためのものです。アップルパイは触ってはいけない「未知の物体」(笑)中学生になるまで、アップルパイが甘いお菓子だということもわかりませんでした

 姉妹の親は悪魔である。とにかく、このインタビューからみてとれるのは、彼女たちが“非常に閉じられた世界のなかで生きていた”ことだ。それはつまり、お互いの比較対象がどうしても姉妹同士になってしまうことの裏付けともいえないだろうか。学校帰りに駄菓子屋に寄り放題な同級生とでは、どうも世界が乖離しすぎている。

 当時、アンジェリカの結婚に際し、家族や友人は《『あんな男やめなさい』と止めた》(『FRIDAYデジタル』)らしい。

 もし、今回の事件に妻・アンジェリカも関与しているというなら、広がりゆく姉たちとの差を感じながらも「セレブというポジションからは下りられない」という強迫観念にとらわれたのかも──。そう思わずにはいられない。 

〈皿乃まる美・コラムニスト〉