岡村隆史 撮影/佐藤靖彦

「そろばんがトラウマだったんです」

 そう言いながら、目の前のそろばんを見つめるのは、ナインティナインの岡村隆史(49)。

「小学生のときに自転車を親にねだったら、“買ってあげるかわりに塾に行きなさい”って言われて。それで通い始めたんですが、教室が隣町だったので友達が誰ひとりといなくて、それが嫌で嫌で、やめてしまったんです。そんなそろばんを、まさか50歳を手前にやらなきゃいけないなんて……(笑)」

 と手をのばし、“願いましては~”と言いながら珠を弾いていく。

意外すぎる“懐事情”を明かす

 忠臣蔵の“お金の話”を描いた映画『決算!忠臣蔵』で、金銭の管理を行う勘定方を演じた岡村。今回、時代劇に初挑戦!

撮影前から“京都の撮影所はちゃんと挨拶しないと、カツラをきつく締められるらしい”とか、怖い噂を耳にしていて。でも、実際はみなさん温かくて、すごく楽しい撮影でした。そもそも、その噂をしてきたのは、役者の仕事をしていない東野(幸治)さんなんですけどね(笑)」

 芸人としての活躍はもちろん、役者として映像作品にも多く出演してきた岡村。もちろん、狙うは日本アカデミー賞!?

「前に日本アカデミー賞の話題賞をいただいたことがあって。あの賞って、一般の方の投票から選ばれるんですよ。僕、20年近くラジオをやってるから、そのリスナーの組織票がバーンと入ってきて受賞できたのかなと。最近は菅田将暉くんとか星野源さんも『オールナイトニッポン』をやってるでしょ? 票がそっちに流れてしまうんじゃないかという、危機感に襲われています(笑)」

 そんな岡村に、“お金の話を描いた作品”ということで、自身の懐事情を聞いてみると、

「実は僕、お金の管理はずっと親にやってもらってるんです」

 と意外な答えが。

親も高齢になってきたので、最近ようやく自分でやろうとちょっとずつ勉強しているところです。それまでは、親に全部お金を預けてそこから生活費をもらっていて。大きな買い物をするたびに“車買うけど”“テレビ買うで”って父親に許可をもらって(笑)。もともとお金をすごく使うタイプではないんですけどね」

来年ついにナインティナイン結成30年目

 それでも下積み時代は苦労もあったそうで、

養成所に入る費用もバイトして自分で貯めて。お金にはちゃんとしているほうだったんですが、この世界に入ってからパチンコを覚え、見事に借金して(笑)。大変でしたよ。知らない人から(督促の)電話が来たり。でも、このままじゃいけないと思ってコツコツ返していって。全部返し終わったとき、これからはお金のことを考えずに仕事をやりたいなと。お金はあとからついてくるしって思うようになりました」

岡村隆史 撮影/佐藤靖彦

 来年には、ナインティナイン結成30年目を迎える。現在49歳。50代も目前だ。

「来年はオリンピックの年。みんながワ~ッてめでたくなってるところに、どさくさに紛れて、僕もすべてがうまいこといかないかなって」

 結婚とか?

「そう(笑)。今、映画に出させてもらったり、大河ドラマのお話もいただいて、仕事の流れがいいんです。このままプライベートもうまいこといってほしい。アローン会の今田(耕司)さんにも“50歳になったら怖いで”って言われているので。こうなったら最悪、お金をちらつかせるしかない。今回演じた役と同じで、僕の最後の武器は、お金かもしれないです(笑)」

■あの人と、念願(!?)の共演

「ブッキー(妻夫木聡)とはいろいろありまして(笑)。とあるお酒の席で、僕が演技論というかお芝居の話をしてしまったんです。そしたらブッキーが“それは違うじゃないですか”と。その話がひとり歩きして、ネットでは僕がキレられたみたいに書かれてて。会うたびにブッキーが謝ってくるんですよ(笑)。そんなブッキーと映画で初めて共演! もう、念願でしたから。すごくうれしいです」

映画『決算!忠臣蔵』11月22(金)全国公開
 討ち入りするには、お金がかかる……! あの“忠臣蔵”の背景にあった、知られざるお金の事情を描いた、涙と笑いのエンターテイメント作。堤真一、岡村隆史ほか、横山裕に妻夫木聡など、豪華すぎる面々が集結!