高野洸 撮影/山田智絵

 ミュージカル『刀剣乱舞』、先日幕を閉じたばかりの『ヒプノシスマイク─Division Rap Battle─』Rule the Stageなど、2・5次元舞台の人気作品に出演し人気急上昇中の高野洸さん。

元“てれび戦士”ならではの思い

 今後も12月は主演の朗読劇『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』の再演、年明け1月には『天才てれびくん the STAGE〜てれび戦士REBORN〜』出演と引っ張りだこ。NHKの人気子ども番組『天才てれびくんMAX』から生まれたDream5のメンバーとしてデビューした高野さんにとって、番組の舞台版出演への思いは熱い。

『天てれ』は大好きなので舞台化されると聞いて本当にうれしくて。どんな内容になるのか、どんなキャストになるのか、いろいろ考えたり。とにかく楽しみだし、ぜひ出たいと思いました。

 僕が番組に出演していたのは小6から中1のころで、MTKという音楽コーナーに出演させてもらっていたんですけど、今でもそのころの曲を聴くと当時の思い出がよみがえってくるんですよね。特に思い入れのある曲があって、今回の舞台でそれが歌えるかもしれないと聞き、鳥肌が立ちました。心を込めて歌いたいと思います」

声で演じる朗読劇ならではの苦労

 高野さんは、大人になった“てれび戦士”たちの敵で、世界から「楽しいこと」を奪ったテレビゾン党の党首を演じる。舞台衣装とメイクもハマっている。

高野洸 撮影/山田智絵

悪役は、ほぼ初めてです。自分がかき乱さないと舞台が成立しないと思いますし、出てきた瞬間にピリついたり、空気が変わるようにならないといけないっていうのがプレッシャーですけど、悪役を研究していろいろ遊んでみたいと思っています。

 見にきてくださる人たちが“てれび戦士”をより応援したくなるように、しっかり悪役を演じたいですね(笑)。子どものころの番組を見ていた方には、懐かしい気持ちで楽しんでいただきたいと思います」

 今年2月に初挑戦した朗読劇『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が好評で、12月に早くも再演が決まった。朗読劇は難しいが、勉強になることも多く楽しいと語る。

抑揚だったり声の出し方だったり8割は声での芝居で、動きで情報をつけ足すことができないので、やっぱり難しかったですね。初演の後に反省をたくさんしました。今回また挑戦できるので、稽古で濃密にいろいろ考えながらやりたいと思っています」

 再演されるのは、ある小さな村で生まれた少年たちが、「20歳になるまでの間、人生で1度だけ魔法を使うことができる」と伝えれられて、何に魔法を使うか考え悩みながら生きる姿を描く泣ける物語。

「僕が演じるアキトと仲間たちが、家族のためだったり自分のために、こんなことに魔法を使っていいのかとか、みんなそれぞれ葛藤があっていろいろ考えるんですけど、演じている自分たちも台本から気づかされることはたくさんあります。日常の幸せを改めて考えさせられたりしますね」

舞台にドラマ、CDまで幅広く活動した1年

 ちなみに高野さんが魔法を使えるとしたら?

「ケガとか事故が起きないような人生を歩めるように使いたいかな。超現実的ですけど(笑)」

 ダンスやアクロバットの高いスキルも持つ実力派の若手俳優として、現在、舞台での活躍が目覚ましいが、もともとは苦手意識があったそう。

高野洸 撮影/山田智絵

舞台に関してはずっと難しいなって思っていたんですけど、いろいろな作品に出させていただいて、少しずつ慣れてきて面白さもわかってきました。でも俳優を目指した当初から、映像に出ることが目標なので、これからもそこには挑戦していきたいです。

 今年はドラマ『わたし、定時で帰ります。』に出演させていただいたり、ソロCDを出させてもらったり、やりたいことをやらせてもらっているので、自分のなかでバランスよく舞台にも取り組めている気がします」

 最後により飛躍しそうな2020年の抱負は?

来年は23歳になるんですけど。22歳がいちばん体力があるって聞いたことがあって、なので23歳になるまでは思いっきりいきます。でも、2020年も今年と同様に幸せに生きていけたらいいな(笑)。プライベートでは、今まで怖くて東京では車に乗らなかったので、運転する機会を増やしていくのもいいかなって思ったりしてます


『天才てれびくん the STAGE〜てれび戦士REBORN〜』

 NHKの人気子ども番組『天才てれびくん』の初舞台化。前田公輝を筆頭に、かつて同番組にも出演していた“てれび戦士”たちが、大人になった“てれび戦士”として大切なものを守る戦いに挑む。東京公演:2020年1月23日〜26日@ヒューリックホール東京/大阪公演:2月1日、2日@COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【公式HP】www.tvkun-stage.com

朗読劇『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』

 舞台は日本のとある小さな村。村いちばんの年寄りから、「この村で生まれた男の子は、20歳になるまでの間、人生で1度だけ魔法を使うことができる」と伝えられたアキトと仲間たちが、何に魔法を使うか考え、悩みながら生きる姿を描く。主人公のアキトとその友人ハルヒを高野洸と眞嶋秀斗が上演回によって役を入れ替えて演じる。12月10日〜15日@品川プリンスホテル クラブeX
【公式HP】https://avex-management.jp/lp/magical-reading2019re

高野洸(たかのあきら)1997年7月22日、福岡県出身。'09年、NHK教育『天才てれびくんMAX』が開催したオーディションに合格しDream5のメンバーとしてデビュー。2016年、Dream5活動終了後は、俳優として舞台を中心に活躍。今年1月にソロアーティストとしてCDデビュー。12月25日に2ndシングル『OUR STORY』リリース。

取材・文/井ノ口裕子