小森純

『しげログ』は商品プロデューサーとして活躍し、海外のファッション・流行などをナビゲートしているしげるちゃんが毎回「会いたい人」と「好きなお店」で対談! ゲストの“素”を引き出しちゃいます。第2回目のゲストはファッションモデル・タレントの小森純さん。旧知の友人のふたりがそろって盛り上がらないわけがない! それでは……カンパーイ!!

※この対談は『前編』からの続きとなります

* * *

しげる「純ちゃんは、今はネイルサロン(『エフネイル(ef nail)』)を経営しているって聞いたけど、なぜネイルサロンをやろうと思ったの?」

小森「うちには息子がふたりいるのね。年子でさ。でね、まだ長男がすごく小さくて次男がお腹のなかにいるっていうときに、“私は家で何したいんだ?”ってなったの。家で家事したいのかな、掃除してたいのかな? ワンちゃんとずっと一緒にいたいのかな? 映画見たいのかな? カフェ行きたいのかな? ……やりたいことのすべてにお金が必要と思ったの。何かやりたいことがある、でもすべてにお金が必要。“え、稼がなきゃじゃね?”的な

しげる「そうだよね~、そうなるよね!」

小森「なるじゃん。そうなった時にコンビニでレジ打ちしようかなとかスーパーでパートさんもいいのかなとか、いろいろ考えたんだけど、何かやりたいこと見つけてみよう、ってふと思ったの。そこで思いついたのが1年ぐらい前から通っていたネイルサロン。で、すごいネイルって、女子の、ママの疲れを癒してくれるのね」

しげる「いやいや、ママじゃなくても癒してくれるよ(笑)」

小森「で、4週間もてば4週間ずっと自分がきれいな気持ちになれるし、ネイルに合わせた化粧と服を着てみたくもなるし、人にも会いたくなるし、余裕ができる気がして。私は芸能関係でしかほとんど仕事したことなかったから、人を喜ばせる仕事っていっぱいあるんだなぁって思ったの。たかだか爪をきれいにしてもらっただけでこんなにうれしいんだって。

 私も当時、育児で精神的に参っていたの。メイクもしなくなったし、服も買わない。産後太りで歩くたびに太ももがすれたりさ(笑)同じような悩みを持ったママがいたら私がハッピーにしてあげたいと思ったの

しげる「なるほどね! 幸せな時間? そこって大きいよね~。そういううれしさってホルモンのバランスをよくすると思う。OLさんでもすごいストレスある中で仕事中で、仕事終わりにネイル行こう! みたいな感じで人に手をマッサージしてもらうだけでたぶん全然お家に帰ったときにスイッチが入れ替わるでしょ」

小森「だからネイルの仕事にすごく満足している。で、私は週1回、土曜日しか休みないの。私にブラックも何も関係ないわけ。私がオーナーでしょ? だから私がいちばん働くでしょ? といった感じで。でも、子育てに関してはパパにすごく助けてもらってる。朝から子どもたちを公園連れてってくれたりとか。シッターさんには頼りたくないみたい、パパは。それは私もだけど

しげる「何か、そこって考え方がいろいろだともちろん思うけど、人に任せてもしげるはいいんじゃない? と思うわけよ。そうすると自分たちの時間がすごく増えるわけじゃん? って言う人もいれば……」

小森「それはいいんだけど、ウチはなぜそれをしないかと言うと“ケチ”だからさ。頑張ればできる!! と思っているんだよね。だって振り返ってよ。昭和の時代とかそういうのなかったわけでしょ?」

しげる「そうよ。赤ちゃんおんぶしながらお店に立ってたりね」

小森「裕福だったり、余裕があればいいけど、ウチはそんな余裕もないし、自分たちでやろうと思えばできるから、全部自分らでやるよ、何だってそう、全部そう」

しげる「純ちゃんのサロンのウリってズバリ、何かしら?」

小森「早い、うまい、スタッフがみんな優しい!(笑) 私は自分でもネイルの資格を取っているから、何かあったときに私もヘルプに入れるの。他店さんとかだとヘルプに入らなかったりするんだけど、ウチは常にヘルプで回す、お客さんを待たせない、常にヘルプをするってのを目標としているからお客さんも気持ちいいみたい。“すごいね。こんなにヘルプ入ってるサロンってなかなかないよ”って。あと”ここのスタッフって仲いいね”とかね

しげる「テレビに出ていたころは旦那さんとの関係はどうだった? 助けてもらったこととかもあるのかしら?」

小森「テレビ出てたときの純は嫌いだったと思う。忙しいし、疲れて帰ってきてはいつも失敗話ばっか。“今日こうだったダメだった”、“もう向いてない”、“もう無理もうヤダ”、“行きたくないどうしよう”……ネガティブばっかで“イメージしていた純と違う”って感じで嫌だったと思う。だからむしろ“テレビに出なくなって、よかった”って言ってたかな

しげる「じゃあ、テレビに出なくなってから、仕事の内容が変化していくなかで、旦那さんとの関係はどう変化したのかしら? ふたりの時間も急に増えて、子育ても加わって……助けてもらうこともある?」

小森「“いつもどおりの純に戻ってくれた”っては言ってたかな。サロンの仕事始めて毎日仕事で、まるっきり業種が変わったじゃないですか。そのせいで彼にもいろいろ子育てとか家庭のことで負担することが増えたんですけど、“純が楽しそうに仕事してる姿は俺も見ていてうれしいし、息子たちにとってもカッコいいママになってきてるんじゃないかって俺は思ってる”みたいなことは言われた

しげる「カッコいい~! え、そんなこと言ってくれるの!?」

小森「そうだよ、ウチの旦那超いいヤツだから(笑)そういうのはうれしいですよね。素直に。仕事を始めたことで息子たちと過ごす時間が明らかに減ったことについては、やっぱ罪悪感もあって。

 息子たちともっと一緒にいたい、もっと成長見届けてあげたい、歯医者さんもマメに連れてってあげたい、風邪ひいたらすぐにお迎え行ってあげたい、いろんなことがあるんだけどなかなかできないよね。仕事してると。接客中だったりして、次男が熱だと幼稚園からたまに電話きたりして。あと1時間は待たせてしまう……みたいな」

しげる「昔は、男の人が働いている姿を見せるのが主流の時代だったけど、今やもう女性も働く時代! ママだって働いてるんだから、子供のお迎えや病院のこととかはきっと、みんな共感できると思う」

小森「働くママってすごいって思うの。私がすごいんじゃなくて、私がこういう経験をしてみて、よく両立してるなみんなって。ごはんとか寝かしつけとか送り迎え、お弁当とか、私はヒーヒー言いながらやってるんだけど、私ももっと頑張んなきゃって思うこともちろんあるし、働くママって子ども預けてられるから楽なんだろうなって思ってたの。

 そんなふうに単純に思ってたのだけど、全然超つらい! ってか子どもにベタつきもそれはそれでつらいんだけど、やっぱりこう制限がされるなかで働くママたちが一生懸命、頑張ってるってのはすごい尊敬するし。シンプルに。逆に子どもたちはきっと見てくれているような気はするね

小森純

しげる「もちろんだけど、専業主婦も、専業として大変よね~」

小森「大変だって思う。だって余計に求められるわけでしょ? 料理のクオリティーやら掃除洗濯やら。無理だって!! 私は向いてない(笑)」

しげる「なるほど~そっか~(笑)。純ちゃんって本当にあの頃から変わってない! 飲みながらしゃべってたりとかしたときも、「あ、意外にギャルってまじめなんだ」って思ったもん。あと熱い。熱い人」

小森「熱い? そう(笑)?」

しげる「人のために何かするとか、同じように考えてくれてる感じ。ね、純ちゃん、また、たまにはまた飲みに行きましょうねッ! もう明日から誘っちゃうから!」

小森「行く行く! 時間ができたら連絡するね!」

今回のお店 『le conte(ル コンテ)』

しげるちゃんと小森さんが食べた『アフタヌーンティー』。季節によって種類がかわる

【店主に直撃!】

――『アフタヌーンティー』セットのこだわりは?

食事が終わったあとにデザートとして召し上がられるかたが多いので、食後でもちゃんと食べられるように、ガッツリと甘さをきかせないようにしています。少し酸味をきかせたり、アクセントで歯ごたえを楽しめるようにしたり心がけていますね。

――オススメは?

自信作は『フロマージュクランブル』です。私が考えた名前ですがイチゴが載ったタルトのようなお菓子で、フロマージュはフランス語でチーズ、クランブルはクッキーといった意味です。サクサクのクッキーとレアチーズケーキを一緒に食べてもらい、食感とクリーミーな感じを味わってもらえればうれしいです。『アフタヌーンティー』は基本的にご予約が必要ですが、デザートだけでも大丈夫ですので、ぜひ食べにいらして下さい。