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 なにかと飲食機会が多いシーズン、身体に優しい「週いち」断食が超話題に。週末は制限をつけず、断食は月曜日と決めればやりやすく、日ごろの不調がスッキリ改善……とくれば「やらない」という選択肢はなしでしょ!?

「現代人は食べることが“作業化”しがち。胃腸が酷使されて、本来の働きをしていません。胃腸は、代謝、血流、免疫、ホルモン分泌など身体の働きに幅広く関わっている大切な場所。胃腸の活動をいったんオフに(断食)し正常に働ける環境をつくることで、あらゆる不調が好転します」

 そう教えてくれるのは、“月曜断食”という新しい断食スタイルを提案する鍼灸師の関口賢さん。

食事を“楽しいこと”と再認識させてくれる

「断食を行うことで、体質が改善され、代謝機能や細胞の修復・回復機能、免疫力が向上するなど、多くのメリットが得られます。これまでさまざまなダイエットを試して失敗したという人も自然とやせる体質になれるのでおすすめ。

 更年期や婦人科系疾患など、女性特有の悩みも改善されます。40~50代でなんとなく不調を感じはじめた人は、健康寿命を延ばすためにも、断食で身体を整えてほしいですね」

 とはいえ、やはり“断食”はツライ印象が。

「1週間に1日だけの断食かつ、好きなものを食べられる日があるので、ほとんどの人がそこまでの無理がなくクリアできます。1週間のサイクルになっているので、ストレスなく習慣化できるのも特徴。まずは1か月続けてみてください。身体が軽くなるのを感じるはずです」

 さらに、断食は胃腸を休ませるというだけでなく、食を見直すよい機会にもなるという。

「ルーティン化していた食事を“楽しいこと”と再認識させてくれ、より美味しく食事ができます(加えて、幸せホルモンのセロトニンの分泌も!)。毎日を楽しめるきっかけにもなると感じています」

 食べすぎなどで不要な脂肪を蓄えがちな冬は、代謝力のある身体へ転換するためにも、断食を始めるいいタイミング。関口さんいわく、“身体が重いと感じているのは、食べすぎからの不調”ということなのでトライ!

月曜断食による大きな4つのメリット

メリット1 やせる!

 食べすぎによる体重増加をストップできるだけでなく、胃腸が本来の働きを取り戻し血流も改善。脂質異常症や内臓脂肪型肥満の人は、代謝が上がって肥満状態が改善される。1か月以上続けることで効果を感じられるように。

メリット2 アンチエイジング

 近年の研究で、空腹時には成長ホルモンであるエストロゲンの分泌量が増え、長寿遺伝子と呼ばれる細胞の修復機能を持つサーチュイン遺伝子が活性化することが判明。肌荒れが改善され、肌・髪のツヤもアップ。若々しい印象に。

メリット3 婦人科系の悩みが解消

 血流が改善され、ホルモンバランスが整うので、生理不順や生理痛が緩和。「更年期の症状がやわらいだ」、「45歳で妊娠した」という人も少なくないとか。また、40代以降で感じる“なんとなく不調”も続けることで改善。

メリット4 ハッピーな気分に

 胃腸の活動が活発化することで、腸内環境が改善され、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が増加。イライラや不安などネガティブな気持ちがおさまり、安定した前向きな気持ちで過ごせるように変化していく。

月曜断食の基本ルール

【注意点】 
※成長期である10代と、赤ちゃんのために栄養をしっかりとりたい妊娠中、授乳中は避ける。
※通院、投薬中の人は、事前に医師と相談を。

月曜断食の基本ルール

水は1日1.5~2L飲む

 水分は、必ず水をとりましょう。硬水より軟水を選び、常温または白湯で飲むこと。断食中(月曜)にコーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含む飲み物をとると、胃の粘膜を刺激し、空腹感をおぼえやすくなるので避けること。

食べる量の目安(1食分)は、こぶし2つ分

 火~日曜日の1回の食事量は、そしゃくしたときにこぶし2つ分。普通のラーメン1杯(スープを除く)なら、こぶし3つ分程度。厳密でなくてもOKだが、“胃は食べた分だけ大きくなる”と心得て、こぶし2つ分におさまる量を意識することが大切。

日付が変わる前に眠る

 どんなによい食生活をしても、睡眠をおろそかにしては×。また、夕食は寝る4時間前にすませるとなおよし。睡眠の質を高めるため、寝る前の30分~1時間はテレビ、スマホを避ける。

食べすぎた日の翌日は、夜断食

 前日に食べすぎてしまったら、食べる量の調整を。まずは翌日の夕食を抜いてリセットする。食べすぎてしまったからといって、継続をあきらめてしまうのはダメ。

断食で身体に変化が起きたときは…

“断食をしたら身体がスッキリする”という人が多いですが、はじめての断食時にフラフラする、なんとなくだるい…と感じる人も。ランチで炭水化物メインの食事をしていた人、時間を決めず甘いものを食べていた人など、血糖値が乱高下する食生活を送っていた人はこの傾向に陥りがちです。

 強いふらつきやだるさを感じたときは、無理をせず横になって休むのがいちばん。それができないときは、スポーツドリンクや経口補水液を2〜3口飲みましょう」(関口さん)

月曜断食Q&A

Q.忘年会シーズン。基本どおりに過ごせません。どうすればよいですか?

A.1週間~2週間で量を調整すれば問題なし!

 年末に限らず、予期せぬことはあるもの。完璧を求めすぎて、ストレスをためるのはよくありません! 食べすぎた翌日は夜断食をする(前ページの基本ルールを参照)のが基本ですが、例えば金曜に食べすぎたら、土・日いずれかの夜を抜いて調整する、もしくは次の週に毎日の量を少しずつ減らすなど、長い目で調整をしていけば大丈夫です。

Q.どうしても空腹に耐えられないときの対処法はありますか?

A.温かいだしがおすすめです。

 空腹時は、味覚を欲するとき。良質なだしのうまみなら、空腹感が満たされます。身体の冷えも解消されるので寒い季節にはぴったり。良食日(火〜金曜)にどうしても甘味が欲しい場合は、朝食べて(断食明けの火曜は避ける)。夜にチョコレートが食べたくても、ひと晩は我慢して翌朝にしましょう。

Q.年末はお酒を飲む機会が多いですが、アルコールはどの程度OK?

A.1日1~2杯。

 おすすめは、焼酎、ウオツカ、ジンなどの蒸留酒や辛口のワイン。日本酒やビールはできるだけ避けましょう。つい量を飲んでしまうという人は、お酒と水を交互に飲んで。身体の代謝もよくなり、飲酒後の脱水状態も避けられます。

(取材・文/河端直子)

『月曜断食』(文藝春秋)著=関口賢 1350円(税抜)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします

教えてくれたのは 関口 賢(せきぐち まさる)さん
Harriet Ginza(旧関口鍼灸治療院)総院長。歌手、モデルなどのボディマネージメント・ダイエットアドバイザーとしてサポートするほか、プロスポーツ選手のトレーナー活動も行う。のべ7万人の臨床経験を活かし、時代に合った新たな鍼灸の確立を目指す。
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