嵐の活動休止発表、尊父・ジャニーさんの逝去、そしてジャニーズJr.の新たな息吹き……。さまざまな出来事に揺れた“ジャニーズの2019年”を振り返る。
(左上から時計回りに)錦戸亮、二宮和也、城島茂、SixTONESとSnow Manのうちわ

嵐、突然の休止発表

 2019年最初の衝撃は、1月27日に発表された嵐の活動休止である。

 嵐のメンバーは5人揃って会見に臨み、2020年いっぱいで一度活動を休止すること、また、その決断に至った経緯をつまびらかにしてくれた。

「一回、立ち止まって自分を見つめ直してみたい」(大野智さん)、「解散ではありません」(松本潤さん)、「ひとり欠け、ふたり欠けてしまっては嵐としては難しいと思った」(相葉雅紀さん)、「5人でなきゃ嵐じゃないだろうと」(二宮和也さん)、「全員が納得する形の着地点を探していかなければならないと思った」(櫻井翔さん)。

 5人の誠実な告白を受け止め、どう気持ちに折り合いをつけていくか……この難問に向き合うことから、ファンの1年は始まった。

ジャニー喜多川さん、逝く

 7月9日、ジャニーズの偉大な父であるジャニー喜多川氏が解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のため逝去された。亡くなる数日前まで頻繁にタレントの公演に足を運び、見守る姿が見られたことから「この間お見かけしたばかりなのに」「あまりにも急で驚いた」と惜しむ声が相次いだ。

 9月4日には東京ドームでお別れの会が営まれ、多くのファンが駆けつけた。祭壇にはジャニーさん愛用の服や思い出の品が飾られ、参列者はしみじみとそれらを眺めながら故人を偲んだ。堂本剛さんは、ジャニーさんに最後のお別れを告げる際、額に感謝のキスを送ったという。

19年ぶり! ジュニア単独ドームコンサート開催

 8月8日には、ジャニーズJr.が実に19年ぶりとなる単独コンサート『ジャニーズJr.8・8祭~東京ドームから始まる~』を東京ドームで開催。330人ものジュニアが集結し、滝沢秀明さんらが活躍した“黄金期再び”とばかりに、快活な歌とダンスを繰り広げた。

 また、公演中に『Snow Man』と『SixTONES』が2020年1月に同時CDデビューすることも発表され、ジュニアたちが新時代に向けて大きく鳴動を始めたことを印象づけた。

二宮和也さん、城島茂さん結婚

 9月28日、TOKIOの城島茂さんがグラビアアイドルの菊池梨沙さんと結婚。続いて11月12日には嵐の二宮和也さんが、元フリーアナウンサーの女性と結婚を発表した。

 御年48歳、なかなか春が来なかった城島さんについては「おめでたい!」「赤飯炊かなきゃ」など祝福が相次いだが、休止前のツアー中に結婚した二宮さんについては、「このまま、おだやかに行けると思ったのに」「なぜ、このタイミング?」と、ファンも揺れる心境を隠すことができなかった。

錦戸亮さん退所

 昨年退所した渋谷すばるさんに続き、9月30日に錦戸亮さんが関ジャニ∞を脱退。ジャニーズを離れ、間髪入れずソロ活動を開始した。

 そのすばやさは「すぐに動いてくれてうれしい!」「秒で“おかえり”だね!」と歓迎され、“亮ちゃんロス”に悩まされずに済んだのは幸いだが、「亮ちゃんのいるエイトが好きだった」「残るメンバーにもう少し配慮してほしかった」など、複雑な思いを吐露するファンもいた。

ドラマ『トレース』の制作発表会見に登壇した、左から船越英一郎、錦戸亮、新木優子。全員で“トレースポーズ”を決めての撮影となった

 5人による新体制となった関ジャニ∞も、すぐさま47都道府県ツアーをスタートさせるなど、錦戸さんに負けずスピード感を意識したアクションに注目が集まった。

嵐、SNS解禁!

 11月3日、嵐が記者会見を開き、「本日よりツイッター、フェイスブック、インスタグラム、TikTok、Weibo、この5つのソーシャルネットワーキングサービスを解禁します」と発表。

嵐のインスタグラムのストーリーに登場した松本潤

 ジャニーズのSNS戦略については、ジャニーズJr.がYouTubeチャンネルを持つなど着々と進められてきたが、嵐の、メジャーなSNS一斉進出を聞き、ファンは色めきたった。

 特に、発表直後に公開された嵐・20周年祝いのインスタライブでは、5人がリラックスしてピザをつまむ様子なども見られ、「本人たちが画面の向こうにいてくれる祝賀会!」「コメント見てくれてる!」など、幸せな感想があふれた。

ジャニーズWeb、障害発生

 12月12日、ジャニーズの有料携帯サイト“ジャニーズWeb”に障害が発生。「サイトにアクセスできない」「まったく違うグループの写真が表示される」「あるグループのタイトルロゴがずっと出ている」などさまざまな状況が報告された。

 これにより、毎日更新されていたタレントの連載が閲覧できないなどの事態となり、ファンは不安に揺れた。

「外部からのハッキング?」「ウィルスでは?」など情報が錯綜し、復旧するまで実に6日を要した。なお、ジャニーズ事務所は障害の原因を「外部インフラサービスの不具合」と発表している。

KinKi Kids、2年ぶりのライブ開催

 突発性難聴を患った堂本剛さんの体調も考慮し、2018年は恒例のドームコンサートを見送ったKinKi Kids。12月14~15日、2年ぶりのライブ開催となった東京ドームでは、場内にメインスピーカーの音圧をやわらげるディレータワーを設置。剛さんの身体への影響を抑えつつ、圧巻のライブを披露した。

ジャニーさんお別れ会で、KinKi Kidsは“YOU”と呼ぶ人がいなくなった寂しさを話した

 また、MCが盛り上がりすぎて公演時間が超過したことを考慮し、12月31日開催の大阪公演では、“開演時間を15分早める”という異例の措置を発表。彼らの歌と“漫談”を心待ちにするファンに、うれしい報せを届けた。

カウコン発表と焦らしプレイ

 ジャニヲタの1年を締めくくる重大事といえば、毎年東京ドームで開催されるジャニーズカウントダウンコンサート。「これがなきゃ、1年が締まらない!」と思うファンが多数だが、例年12月上旬までにされる発表が、今年は10日になってもなかった。

「ジャニーさんの“喪中”だから今年はカウコンがないのでは?」などの噂が広がるなか、12月11日、『2019 FNS歌謡祭』の番組中に開催と当日の生中継が発表され、ファンは大きく安堵した。

 2019年の司会は、TOKIO・国分太一さんとV6・井ノ原快彦さん。出演者は、KinKi Kids、V6、嵐、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、山下智久、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズWEST、King & Prince、SixTONES、Snow Man、ふぉ〜ゆ〜、ジャニーズJr.。

 なお、KinKi Kidsは京セラドーム大阪にて単独でカウントダウンライブを行い、中継で参加することも決まっている。

SixTONES、Snow Man、紅白出演!

 1月22日、同時デビューが決まったSixTONES、Snow ManがジャニーズJr.を率いて第70回紅白歌合戦に出演、ジャニー喜多川氏の追悼企画として『LET'S GO TO EARTH』『Let's Go to Tokyo』を披露することが決まった。

SixTONESとSnow Manのうちわ

 2020年の東京オリンピックを心待ちにし、しばしばミュージカルのテーマにも盛り込んできたジャニー氏。その思いを受け、ジャニーズの新時代を牽引していくニューパワーの活躍に、ファンの期待は高まっている。

 2019年の紅白歌合戦、白組司会は嵐・櫻井翔さんが務める。嵐の活動休止前・最後の1年を、ジャニーズの仲間たちがどう拓き、支えていくのか。じっくりと眺め、この先も応援していきたい。


<プロフィール>
みきーる/ジャニヲタ・エバンジェリスト。ライター・編集者。
グループを問わずジャニーズアイドルを応援する事務所担。応援歴は25年超、3日に1度は現場参戦。著書に、『ジャニヲタあるある』(青春出版社)、『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)など。
◆Twitter @mikiru

◆オフィシャルブログ 『ジャニヲタ刑事!』