竹内涼真 撮影/廣瀬靖士

「今の仕事が大好きだし、過去に戻りたいと思ったことはないですね」

 人気コミックが原作のドラマ『テセウスの船』(TBS系)で、日曜劇場初主演を務める竹内涼真(26)。殺人犯として逮捕された父親の事件の謎を追う主人公が、事件が起こった平成元年にタイムスリップしてしまうというミステリー作品だ。

サッカーで挫折したからこそ今がある

「今回の作品は過去に戻るのがストーリーの鍵になりますが、僕自身は人生の選択という意味で後悔していることがないので、あのときに戻れたらと思ったことはないです。学生時代はプロのサッカー選手を目指して、本気で取り組んでいたけど、ケガもあってサッカーでは挫折しました。

 でも、それがあったからこそ、今の仕事をさせてもらえているので。僕はプロスポーツ選手になる運命ではなかったんだと思っています」

 殺人犯の息子という残酷な運命を背負う役柄だが、シリアスに演じるつもりはないと語る。

「背負っているものは重いなとは思いますが、そういう運命に対して命をかけて本気で向き合うという役どころ。その中で家族との絆などが描かれていくので、楽しいシーンは明るく演じたいです」

マイホームのために全力投球

 ビッグネームが並ぶ『日曜劇場』で主演を務めることはプレッシャーでは? と聞くと、意外な答えが。

「僕はいただいたお仕事を一生懸命やることに集中しているので、こうした取材で聞かれるまで特別、意識したことはなかったです。

 でも改めて考えると、すごく影響力のある枠だし、『日曜劇場』の現場をたくさん経験させてもらえたのはとても恵まれていたんだなと思いました。木村拓哉さんの後か……と思うと、プレッシャーを感じますね(笑)」

 '17年に朝ドラ『ひよっこ』で注目を集めて以降、忙しい日々を駆け抜けてきた竹内。しかし昨年は連ドラの出演がなかったこともあり、自分を見つめ直す時間が持てたようだ。

「今年公開の映画『太陽は動かない』の撮影をしていたのですが、藤原竜也さんとの共演は勉強になることだらけでした。

 その撮影から、このドラマまでは時間に余裕があったこともあり、“自分が何をやりたいか?”“10年後どうなっていたいのか?”と、改めて見つめ直すことができたので、自分自身のことを知ることができた1年になりました」

竹内涼真 撮影/廣瀬靖士

 ちなみに10年後の竹内涼真像は……?

「都内に家を建てていたいです(笑)。そして仲間たちを招いてマイホームでワイワイするのが理想です。そういった目標に近づくためにも、まずは今回のドラマに全力投球して、自分のやりたいことを形にしていけたらと思います」

 年齢とキャリアを重ねていくたびに魅力が増している竹内。今年もいろんな作品で、輝く彼の姿が見られそうだ。

Q:今回演じる主人公は、“正義”という名前をつけられる予定だったけど、竹内涼真の考える正義とは?

A:めんどくさいなと思うことでも目をそらさずに、きちんと向き合うこと。見て見ぬふりをしないことだと思います。 


日曜劇場『テセウスの船』

日曜劇場『テセウスの船』 (c)TBS

TBS系 2020年1月19日スタート 毎週日曜夜9時~
出演/竹内涼真、榮倉奈々、上野樹里(特別出演)、鈴木亮平ほか