吉本と専属エージェント契約を結んだ加藤浩次、田村亮

 昨年の大みそかに放送された『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日SP 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』(日本テレビ系)で、加藤浩次(50)が吉本のお家騒動をネタにする場面が話題となっている。

 ダウンタウンなどで結成された吉本芸人ユニットRe:Japanの『明日があるさ』に乗せ、「みんなのためになるならと エージェント制度を提案し みんなやると 思っていたら、気づけば俺1人」と自虐的に歌ったのだ。

 加藤浩次に続き、1月10日にはロンドンブーツ1号2号の田村亮が専属エージェント契約を結んだばかりだが、同契約を結んだ芸人はそこまで多くはない。その理由を、バラエティー番組スタッフが教えてくれた。

昨年12月に所属芸人向けの契約に関する説明会が行われたそうです。そこで吉本が提示してきたのが、≪専属エージェント契約≫≪専属マネージメント契約≫≪これまで通り≫の3パターン。その際の説明が、エージェント契約を極力結ばせたくないようなものだったそうです

専属エージェント契約のマイナス面ばかりを話し

 専属エージェント契約とは、タレントが個人でマネージメントを行い、取引先を自由に選べるというもの。しかし、吉本が提案した内容では決して旨味がないというのだ。

専属エージェント契約をする場合、吉本という看板の利用を許可するため、発生したギャラの3割を事務所に納める。一方で、マネージャーの給料や不祥事などで発生した違約金などは個人負担とのこと。

 説明会でも“マネージャーの給料の負担や違約金などのリスクを考えたら、得とは思えないのでおススメしません”と、やたら専属エージェント契約のマイナス面ばかりアピールされたそうです」(同・バラエティー番組スタッフ)

 また専属マネージメント契約とこれまで通りの2つに関しては、ほぼ同じ内容のようだ。

「『これまで通り』を選んだ芸人には『所属覚書』と書かれたA4サイズの紙が1枚渡され、サインをさせられたとか。控えは持ち帰り可能だったとのことで見せてもらいましたが、8つの項目が書いてあって、≪反社会勢力とは絶対に交流をしません≫≪守秘義務を守ります≫といったことが書かれていました。

 『これまで通り』の芸人に関しては、1年ごとの更新で契約解除の申し出がない場合は自動的に延長されるとのことでした。専属マネージメント契約も内容はほとんど一緒ですが、こちらは5年に1度の契約更新と説明されたそうです」(お笑い関係者)

 実質、専属マネージメント契約はマネージャーがつくような売れっ子クラスだけが選択でき、それ以外の芸人は『これまで通り』しか選択できない状況なのだという。

ダウンタウンやナイナイ、渡辺直美を稼働させます!

劇場クラスの若手芸人は数人のマネージャーが数百組の芸人のスケジュールをパソコン上で管理しているだけです。現場にマネージャーが同行することはほとんどないので、専属マネージメントと呼べるものではありませんし、当然かもしれませんね(笑)。

 ただ得意ジャンルのある若手芸人が“専属エージェント契約にしたい”と申し出たところ、説明会と同じようにリスクを延々と説明され、『これまで通り』で契約するよう丸め込まれたという話なので、吉本サイドはとにかく専属エージェント契約は結んでほしくないようです」(元吉本芸人)

 なぜ吉本はエージェント契約を結んでほしくないのか?

「吉本は『沖縄国際映画祭』など、所属芸人総出で行うイベントも多い。そういった企画は、“ダウンタウンやナイナイ、渡辺直美を稼働させます!”といった条件で協賛金が集まるんです。

 でも売れっ子芸人が軒並みエージェント契約をしてしまえば、今までのように事務所サイドが強く出ることができなくなりますからね。毎回、芸人に出演のお伺いを立ててから話を進める……となると時間も手間もかかるため、専属マネージメントのほうが都合がいいんですよ」(広告代理店関係者)

 加藤浩次に続き、専属エージェント契約で交渉を進めているピン芸人のたむらけんじ(46)も、契約交渉後のツイッターで、

≪マジか。。。 交渉でもなんでもないやん。。。 マジか。。。 何にも変わってへん。。。のか???≫

 と不信感を募らせていた。結局、フタを開けたら何も変わっていなかった……とならないことを願うばかりだ。