全力で自己紹介ギャグをきめる宮迫博之(YouTubeより)

 1月29日、闇営業問題で謹慎中だった宮迫博之が、あの会見以降、ついにYouTubeチャンネルでついに自らメッセージを発信した。

 そのことはすぐにネットニュースのトップ記事に。《宮迫博之「相方の横に戻りたいです」の訴えも批判的コメントがズラリ…「YouTube」公式チャンネル&ブログ開設》(スポーツ報知)

 なにやら、また叩かれているみたいなのだ……。

 確かに昨年7月にロンブー亮と会見を開いた際にネットでもさんざん叩かれてきた「演技っぽい」感じの挙動が、今回の動画でも出ているような気がしてしまった。芝居がかった“芝迫”登場シーンを抜粋したい。

《引退して別の人生を歩んだ方がいいのかとか、何もせずずっと止まっていればいいのかとか色んなことを考えました。でもその考えているなかで………(神妙そうな顔で)、やっぱりあの、(遠い目をしながら)……(20秒経過)……お笑いが好きなんですよ》

 キメ顔といい、タメといい、なんだか“やってんなぁ”感が出てしまっている。撮り直しがきくにもかかわらず、あえて尺が長いままアップしているところに、らしさを感じてしまった。同チャンネルのコメント欄にも「なんか応援したくない」といった消極的な声が多く、評価ボタンも高評価が8.5万なのに対し、badは14万件(1月31日現在)。空前の低評価にさらされているのだ。これがユーチューバーデビューの洗礼か。

炎上再生人・ヒカルと組んで

 そして、その翌日に公開されたのが《YouTuberのヒカルさんとコラボしました》といった動画。

 大人気のヒカルといえば、'17年8月、『VALU』と言われる個人の価値を売買する仮想株式をめぐって詐欺疑惑が噴出したり、『週刊文春デジタル』に《きっかけは「チェキ会」 カリスマYouTuberヒカルの“ネットセクハラ”を被害女性が告白》と報じられたりと、オフホワイトな一面をもちあわせた炎上系ユーチューバーだ。だからといって別に“ヒカルがヤバいやつだ!”と強調したいわけではない。

 問題なのは“闇”のイメージを背負った宮迫が、復帰後初のコラボ相手としてなぜわざわざヒカルを選んだのかということだ。吉本に契約解除されたから吉本系のユーチューバーとはコラボができないのか、キャンプ動画が大ヒット中のヒロシに「あくまでソロでやりたいとです……」と断られたのかは知らないが、とにかく“完全にクリーンなイメージはついていない”ヒカルを選んだわけだ。というか、宮迫の受け皿になってくれるのはヒカルしかいなかったのかもしれない。

 しかし、そのコラボ動画を見てみると、『アメトーーク!』や『行列』に出ていたころを彷彿(ほうふつ)とさせるキレのあるしゃべりをみせつつ、ヒカルに「会見での演技疑惑」にも突っ込んでイジってもらいつつ、しっかりとユーチューバーっぽいスマートな編集に。前日の“怪演”とは打って変わって、ちゃんとしたエンタメ動画に仕上がっているのである。

 しかも動画の評価は高評価が6.3万のなか低評価が1.9万(1月31日現在)。そして、なにより特筆すべきは1万件以上寄せられたコメントは前日の動画とは一転、好意的なコメントで埋め尽くされているということ。なかには、

《宮迫さんファンではないですが、応援してます!!》

《ヒカルの宮迫さんへのいじり凄いなwでもめっちゃ面白い 宮迫さん声めっちゃ良いからラジオやってみて欲しいのもある気がする》

 といった、350万人を超える登録者数を誇るヒカルのファンが高評価をつけにきていると思われるものも。宮迫はずっとラジオをやっていたっちゅうに。そりゃヒカルのファンは低評価をつけんわな。

 宮迫のチャンネルには管理人(ヒカルのマネージャーも兼任)のツイッターアカウントも掲載されており、そこには《炎上再生人として全力で頑張ります!》との文言が。どうりで最初からクオリティーの高い編集なわけだ。ヒカルも動画公開の前日に100万人超のツイッターフォロワーの前で宮迫の動画の告知をしながら、《ヒカル、色々動いてます》とつぶやいてバズらせた。

ヒカルがツイッターで宮迫の動画を宣伝(ツイッターより)

 再生回数もYou Tubeの急上昇リストに上り詰め、たった2日でチャンネル登録者数も20万人を超えている。実に華麗なコラボである。同チャンネルの概要欄をみると、開設日は'19年11月27日とある。くしくも明石家さんまが『宮迫を励ます会』を開いたものの、「舞台で復帰予定が頓挫」したニュースが出た数日後。そして、この動画を「ロンブー淳・亮の復帰会見」と同じ日にあえてぶつけてきたわけだ。

 吉本闇営業騒動のときに《松本 動きます。》と松本人志がツイートしてから約半年。なんだかいろいろ動いているぞ。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉