近藤真彦(2009年)

 ミリオンセラーを記録したデビュー曲『スニーカーぶる~す』が発売されたのは、1980年12月12日のこと。近藤真彦40周年、である。

 今年7月からは、35周年ツアーから5年ぶりに、40周年記念の全国ツアーを開催予定。“40周年イヤー”の幕開けを飾るがごとく、1月3日の深夜にさっそく『近藤真彦40周年特番~マッチに賛否両論ぶつけてみた!~』(テレビ東京)が放送された。

何をやっても“マッチショー”

「30周年、35周年と、5年刻みにやってくるアニバーサリーイヤーでは、全国ツアーだけでなくテレビの歌番組やバラエティーなどへの露出も確実に増えると思います。おめでたいことではあるのですが、そこに“マイナスの反応”をする層も存在しますね

 と、あるテレビ誌記者は言う。

「マッチさんが歌番組などに出ると番組側の忖度なのか、どうしてもマッチさんありき、マッチさんメインの演出になってしまう。35周年のときに『FNS歌謡祭』に出演した際にも、周年を祝うマッチメドレーを披露。それだけにとどまらず、それをTOKIO以下、キンキ、嵐、関ジャニ、JUMPといった後輩メンバーたちが総立ちで手をたたいて盛り上げるという状況に、『上司を盛り上げる会社の宴会みたい』と、冷めた視聴者が多かったようです」(テレビ誌記者)

 毎年年末に行われる、ジャニーズのカウントダウンコンサートも同様の“現象”が起きていたという。

「マッチさんのステージにかなりの時間を割いたそうです。この年はテレビでの生中継を行わなかった年だったのですが、会場のジャニーズファンは、ほかのグループのパフォーマンスももっと見たかったと残念がったといいます」(同)

 毎年『週刊女性PRIME』がやっている「嫌いなジャニーズ」アンケートでも、'16年が4位、'17年が5位、'18年が3位、'19年が5位と、毎年ベスト5入りを果たすほど、“安定の悪感度”を保っている。ちなみに、先日発表された週刊文春デジタルの「嫌いなジャニーズ」アンケートでは第4位を獲得したばかりだ。

 とはいえ、『スニーカーぶる~す』をはじめ、『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』『ミッドナイト・シャッフル』など、数々のヒット曲を持ち、後輩がカバーすることも多いマッチの功績の大きさは、ジャニーズファンなら誰でも知っている。前出のテレビ誌記者は続ける。

「東山(紀之)さんとか嵐の松潤とか、演出を手掛けてて自分は裏方にまわったり、共演してもバックの子たちの使い方がうまい先輩はファンに好かれます。マッチさんは自身のレースチームは手厚く面倒をみますが、事務所の後輩の演出は手掛けませんからね(笑)。どうしても、ステージ上では“マッチショー”になってしまいます

 そんな中、ジャニーズJr.の人気ユニットTravis Japanのファンが、マッチの全国ツアーに脅威をいだいていないかと、心配する。

「マッチの35周年のツアーのときに、彼らがバックをつとめたんです。スキルの高いグループですし、彼らのファンも公演に駆け付けてくれ、マッチさんもけっこうTravisを気に入っていたので、40周年ツアーにもご指名があるかもしれません。でもそうなると、年内いっぱいはデビューから遠ざかることにもなりますし、今から心配するファンもいるのではないでしょうか」

「パンダ」さん

 メインになりすぎる問題ばかりではない。これまでの長い活動の中での「自分本位」と思われがちな行動なども、反感を抱かれることがある。マッチというと、いつまでも言われ続けるのが、中森明菜とのあの一件だとある芸能ジャーナリストは言う。

「明菜との金屏風の前での破局会見は、今も尾を引いています。明菜とはまったく関係のないマッチの記事がウェブに上がると、多くの明菜関連のコメントがつくほど」

平成元年の7月11日、中森明菜(当時23歳)が近藤真彦(当時24歳)で自殺未遂。その年の大晦日に“金屏風会見”を開いた

 また芸能活動を控え、もともと趣味であったカーレースの活動に熱心になったことも好感度を下げた原因だともいう。さらに一部では、マッチをディスり気味に「パンダ」と呼ぶこともあるのだとか。前出のジャーナリストが続ける。

「東日本大震災を機に設けられた、ジャニーズのチャリティー活動『Marching J』の募金の使途に、子どもたちを喜ばせるためにパンダ招聘の資金にするとマッチが発表したんです。もちろん、彼個人の意向ではないのですが、『募金の使い道はそこじゃないだろう!』と猛反発を受けました。それ以降、マッチのことを『パンダ』と呼んでいる人たちもいるんです」

 せっかくのパンダさん、いや、マッチさんの40周年。ここは、SixTONESとSnow Manの対決ウリでミリオンセラーを記録させたタッキーの手腕で、盛り上がる演出を考えてもらうのはどうだろうか。

<取材・文/渋谷恭太郎>