DaiGo

「50歳を過ぎたら、モノを減らすだけで幸福度が上がります」(メンタリストDaiGo)。今まで失敗してきた人ほど、部屋がきれいになる! そして、健康になり、お金も貯まる! リバウンドしない、いいことづくしの片づけメソッドをお試しあれ。

モノを減らすと幸福度が高まる

片づけがうまくいかない、すぐにリバウンドする、その悪循環の原因はモノが多いのひと言に尽きると思います」そう言い切るのは、日本で唯一のメンタリストとして科学に裏づけされた心理分析に定評のあるDaiGoさん

「アメリカで行われた実験で、同じ100ドルを使って“欲しいものを買う”よりも、“掃除など家事の手間を減らすことにお金を使う”ほうが、幸福度が上がったというデータがあります」

 さらに年を重ねるほど、その傾向は強まり、モノを減らすことで幸福度が高まるのだとか。

人は、片づけに膨大な時間をかけていますが、その時間を自分の趣味など、楽しいことに使ったほうがっぽど人生を楽しめますよねそのための近道は、片づけの手間を省く、つまりはモノを減らすことです

 そこで、今回紹介するのはDaiGoさんならではの心理的アプローチでスムーズにモノを減らし、きれいな部屋キープできるメソッド。「自分に本当に必要なもの」を見極める力を養って、理想の部屋と人生を手に入れましょう!

1.「空間」「時間」「気持ち」にゆとりができる
片づけるモノ自体を減らせば、そうじ、探しものなどに使う時間が減り自分の時間が増える

2.現在の幸福度がアップする
モノは所有することではなく、使うことで幸福を感じる。本当に必要な大切なものにアクセスしやすい環境が幸せを生む

3.ムダ遣いせずお金も貯まる
必要なモノに目を向けることで、不必要なものを買わなくなり、ムダ使いもなくなる

4.人生の選択肢が増える
モノを減らした生活をしていれば、移動へのハードルが下がりアクティブな人生も選べる

リバウンドしない! 身につけたい片づけ習慣7

 片づけの失敗といえばリバウンド。苦労してきれいにしても、また散らかってしまう原因は、

モノが多すぎるこのひと言に尽きます。片づけというと、みなさん収納法を考えがちですが、納める場所を作ってしまうと、モノをしまいたくなりますよね。それがモノを管理しきれなくなる原因。重要なのはモノ自体を減らすことです

 これができれば、2度と片づけなくていい状態を作れるとDaiGoさん。ただし、実践するにはポイントが。

散らからない生活を習慣にすることまた常に、モノに対して、これは本当に必要なのか、なくてもいいんじゃないかという思考を持つことです

 ただし、片づけの取捨選択の基準は人それぞれ。最終目標は家全体の場合も、まず自分のモノから実践を!

【1】1イン2アウト
 モノを減らし、増やさないことが大切だと頭では理解できても、実践するのは意外と難しいもの。ならば法則を決めてしまえばいいんです。勝手にモノが減っていく驚きの方法とは?

スムーズにモノを減らし買い物を慎重に

「1イン2アウト」とは、文字どおり1つ入れたら2つ出すという習慣。DaiGoさんはモノを買ったとき、すぐに使わないそう。

「例えば通販で買ったTシャツが届いたら、まずは箱に入れたまま玄関に置いておきます。そして、家の中から処分できるモノを2つ見つけ、処分や人にあげるなどの手配ができたところで、ようやく新しいTシャツを家の中に入れて使い始めます

 この繰り返しにより、モノは自スムーズにモノを減らし買い物はより慎重になる然に減っていく。ならば1イン1アウトでもいいのでは? と思いきや、それではうまくいかないという。

「人からもらうなど、知らないうちに家に入ってくるモノは結構あるので、1イン1アウトでは対応しきれません。モノがきちんと減っていく状態を作るには、1つ入れたら2つ出す、というバランスは絶対です

 メリットはほかにも。「新しいモノを買ったら、いま持っているモノを2つ捨てなくてはならないので、余計なモノを買わなくなりますよ」

1.新しいものを買ったら玄関に置く
2.処分するものを2つ見つける
3.処分したら買ったモノを使い始める

【2】1日1与
 抵抗なくモノを処分する方法、それは人にあげること。フリマアプリで売るよりも手軽で、幸福感も味わえるとなれば、片づけがポジティブな習慣として定着するはず。

いらないモノを幸福度に変換

 こちらも読んで字のことく、1日1つ、自分の持ち物を人にあげるのがルール。「使い古して汚いモノなど、相手が欲しがらないモノは当然避けるべきです。あくまでも他人のためになるモノ、喜んでくれるモノをあげるのです。

 毎日1つあげていけば、モノは確実に減っていきます。しかも、次に使ってくれる人がいることで、モノを手放す抵抗がグッと下がります」

 さらに心理的メリットも。「人は自分のためにする利己的行動よりも、他人のためになる利他的行動をとったときに、より幸福を感じるもの。モノが減ってきれいになっていく嬉しさに加え、人の役に立つ幸福感も味わえれば、片付けがさらに楽しくなります」

【3】5秒以内に元に戻せるルール
 DaiGoさんが特に効果を実感したのが、この5秒ルール。戻せるようになればストレスが激減! 徹底するのが難しい場合は、「空っぽコーナー」を活用してみて。

置き場所を“完全に”定める

 このルールは、部屋の中で、モノを使ったら5秒以内に元の場所に戻せるよう配置するというもの。

まず使う場所の近くにモノを置くのが基本さらに大事なのが、置き場所を“完全に”決めること曖昧な決め方では、5秒で戻せません。考えた結果、置き場所を決められない、置き場所がないモノは処分を検討しましょう」

 いきなり徹底できないモノの場合は“空っぽコーナー”を設置がおすすめ。玄関やシュークローゼットの中に、置き場所が決まらないモノをいったん入れておくスペースを作ってみましょう。

【4】6割収納ルール
 前項の「5秒ルール」を守るためには、取り出しやすくしまいやすい収納にする必要が。そのための方法が「6割収納ルール」。しまうのではなく、飾る感覚で配置するのがポイント!

余裕ある収納で時間を生む

「モノをしまうときには、どうしても詰め込みたくなるものですが、取り出しやすく戻しやすくするため、隙間なく詰め込むのは禁物。収納はスペースの6割しか使わな基本は6割、水まわりは4割余裕ある収納で時間を生むいことをルールにしてみて」。

 このとき意識したいのが保管にコストや手間がかかるものを優先的に減らすといこと。

整理や管理に手間がかかるモノを減らすことで、大きな時間が生まれます。例えば服が100着あったら。クローゼットに入りきらないものをコンテナに出し入れしたり、クリーニングに出したり引き取りに行ったり、季節ごとに入れ替えたり……と管理に膨大な時間が取られます。

 この時間を好きなことに使ったら、どれだけ幸福度が上がるか? そう考えると、減らそうという意識が上がります。この点を踏まえ、管理にコストがかかるものを優先的にまとめて処分を。ちなみに、6割収納できるかどうかと家の広さは関係ありません。問題は、家の大小ではなくモノが多いことです」

 なお、水まわりなど、特に掃除を頻繁にしなければいけない場所は、4割収納を目指してみよう。

1.棚の前後を埋め尽くすような収納は、取り出しにくい上探す手間も時間もかかるのでNG
2.目指すは4割収納! 本当に必要なものを美しくディスプレイする感覚で配置していくことが成功の秘訣

【5】数量の限定
「数量限定」は、どのぐらいの数を持つかを決める習慣。最適な数を把握しておくことで、必要以上にモノを増やすことを防ぐことができ、管理の手間やコストも減らすことが可能に。

「ライフログ」をつけて必要な数を把握する

「服、靴、本、食器など、それぞれいくつ持っていれば幸せかを見極めて、必要数を決めてしまうのです。例えば服なら何日着ているか記録する“ライフログ”をつけて、数量の最適化を行います」

 必要数を決定するコツは、モノを買うとき、機能性をとにかく重視する、衣類は自分のテーマを決めてしまうことも手だが「私たちが何かを選ぶとき、即決できるのは3つまで。普通の人が頭の中できちんと認識し、比較できるのは3つが限界。ですから最適数に迷ったら、3つ残すのがおすすめ」

1.自分のテーマを決める
ファッションをコンサバ系に決める、自分のスタイルを決めると持ちモノを絞りやすい
2.2つ以上の機能を持つものを選ぶ
持ちものの数を減らすためには、1枚で2シーン活用できるなど、機能性を重視することも大切
3.数を3つにしぼってみる
いくつ残すか、最適数に迷ったら即決しやすい数である、3つ残すのがおすすめ

【6】自然に片づく「香り」と「聖域」
 簡単なのに効果的。散らからない部屋にするちょっとしたテクニックをご紹介。+アルファの片づけ習慣として、ぜひ覚えておきたい!

香りや「聖域」の効果で無意識のきれいに働きかける

散らかってしまいがちな場所には、石けんのような清潔感を連想させる香りを漂わせておくと、それだけで散らかりにくくなるという研究結果が報告されています

 例えばリビングにモノを置きっぱなしにしがちなら、そこにアロマを焚く。自分の清潔感をイメージする香りを選ぶのがポイント。

 また家の中で1か所だけ、いつでも完璧にきれいになっている「聖域」を作っておく。「不思議なことに、“聖域”を作ると、家全体が常にある程度片づいた状態になリます。人は無意識のうちに、そこに合わせて家の中を整えようとするのです」寝室を聖域にしておけば、眠りの質も高まるのでおすすめです。

【7】写真暗示
 多くの人が頭を悩ませるのが、キレイにした後のキープ法。それがとても簡単に、しかも無意識にできてしまう目からウロコな習慣。子どもを叱るのに疲れたママもぜひ。

写真を飾るだけできれいを保つ暗示が!

再び散らかさないためには、少し散らかったとしても、すぐ元に戻せる仕組みを作ることが大切。「そこで有効なのが、写真暗示という簡単な心理テクニックです

 やり方は、片づけが終了した時点で部屋を写真に撮り、目につく場所に飾るだけ。

イラスト/来迎純子

きれいな状態をお手本として常に見えるようにしておくことで、少しでもモノが定位置からずれれば、すぐに気づいて直すことができます。写真を使って無意識のうちに部屋の乱れを正したくなる暗示を自分にかけるんです」

 この方法は、子どもの片づけにも有効。「片づけなさいと言われてもできないのは、やり方がわからないから。写真のお手本があれば、ゲーム感覚で楽しく片づけられます」

“If-thenプランニング”でついで掃除を習慣化

 以上がリバウンドしない7つの片づけ習慣だ。さらに、キレイを持続させるために掃除を習慣化させるための方法を紹介しよう。

 DaiGoさんが水まわりでフル活用しているのが、使い捨てのペーパータオル。洗面所で手を洗ったらペーパータオルでふき、その後はまわりに飛んだ水滴や石けんの泡をふき取る。キッチンでも、料理や食器洗いの後に手をふいたら、ついでに調理ではねた油や水をふき取る。

「このように手をふいたついでに掃除する習慣をつけておくだけで、かなりきれいな状態を保てます。これは、目標達成法として知られる“If-thenプランニング”の応用。“もし、○○が起きたら、そのときは●●する”と条件を事前に決めておくことで目標を達成しやすくします。これを利用して“ついで掃除”を習慣づけましょう」

●if…もし~が起きたら then…そのときは〇〇する
トイレに行ったら……ついでに便器を掃除する
食器洗いのときに手をふいたら……ついでにコンロまわりをふく

片づけ術というのがナンセンス

 ──ここまでで、片づけメソッドを紹介してきましたが、それでもモノの減らし方が分からない! と言う方へ、捨て体質になる思考法をご紹介しましょう。と、DaiGoさん。

 片づけのさまざまなコツや習慣を紹介してくれた中で、DaiGoさんが一貫して提唱しているのが、『モノは少ないほうがいい』ということ。

目標とするのは、2度と片付けなくていい状態そこに持っていくためには、モノを減らすことがいちばんなんです極論を言えば、片づけ術というのがナンセンスですよね。モノが少なくなれば、今より圧倒的に片づけに使う時間が少なくなるはずです。

 さらに、必要なものが見つけやすくなるといったメリットもある探しものをする必要がありませんし、そのために時間を浪費することもありません好きなモノだけがある空間で、好きなことに時間を使える、ゆとりある生活ができます。無駄なストレスを抱えないので、家族関係もよくなると思いますよ」

 また、年をとるほどモノを抱え込んでしまうといった傾向があるなら、

「高齢になると意思決定力が弱まる傾向があるので、モノをどんどん捨ているということは難しくなるかもしれません。

 そのときは、思い切って家事代行に依頼し、第三者の目線を入れ、他人に判断をゆだねるといった方法も手です。親に何かをプレゼントするタイミングがあれば、モノをあげるより、家事代行のほうが喜ばれると思いますよ」とのアドバイス。

 これまで“今あるものをどううまく片づけるか”ばかりを考えていた人も、取り組む意識が変わったのでは?

 ちなみに片づけにいちばん適しているタイミングは朝。

「人間は朝がいちばんモチベーションが高いので、習慣にしやすいと思います。おすすめは、毎朝必ず1つ、不要なモノを探して捨てること。小さなモノでもいいので、続けていくことでモノが減っていきますし、朝に片づける習慣が身につきます。下にあげた質問で自分にあうものを試してみてください」

 自由で快適な人生を踏み出すべく、さっそく明日の朝からやってみよう!

モノが増えない! 勝手に減っていく! 7つの思考

「捨てるとき」「買うとき」に自分に問いかけてみましょう。

1.いったん捨てたとして、これを買い直しますか?

 捨てるか迷う、なかなか捨てられないモノがあるときは、捨てたと想像してみて。そのうえで「これは確実に買い直す」と思うなら、それは本当に大切なモノなので残してOK。

2.長期旅行に持っていきたいモノですか?

 自分が3か月以上の長期旅行に出かける準備中だとして、目の前にはトランクが。いま捨てようか迷っているモノはトランクに詰めたいか考えてみる。特に必要ないと思えたなら処分を。

3.誰かが買ってくれるとしたら、売りますか?

 買ったもののあまり着ていない服などは、もったいないと思いがち。しかし、誰かが買ってくれるなら……と考えると手放しやすくなる。「絶対売りたくない」と思うものだけを残して。

4.あの日に戻れたとして、やはりこれを買いますか?

 モノを買った日にタイムトラベル。「あの日に戻れても買わない」というモノは、当然いらないモノ。さらに「買うんじゃなかった」という後悔は、リスト化して今後に活かそう。

5.お金が無限にあったら、本当にこれを買いますか?

 何かを買いたくなったとき、「お金があればもっといいモノを買うのでは?」と考えると、中途半端なモノを買うことが劇的に減る。片づけが進みモノが減った段階で使うと効果的。

6.これを何回、我慢すれば欲しいモノが買えますか?

 買う決断をする前に、我慢することで得られる利益を想像してみる。「○回の我慢で、欲しかったアレが手に入る」と思うと、楽しみが勝って、無駄な買い物を無理なく減らせる。

7. 3年、5年、10年たっても必要ですか?

 欲しいモノがあるときは長い目で見て考える。しかし未来を想像するのは難しい。そこで、過去の買い物を振り返り、自分に本当に必要なモノの傾向を確認してから要不要を見極めよう。

(文/當間優子)


教えてくれたのは メンタリスト・DaiGoさん
英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして大人気に。また、現在は企業のビジネスアドバイザー、作家、大学教授としても活躍中。YouTubeでは50万人、Twitterでも177万人のフォロワーをもつユーチューバーとしても独自のメソッドをアウトプットしてる。
※片づけについてはYoutubeでも発信中。“メンタリストDaiGo 片づけ”などで検索を。