中元みずき 撮影/吉岡竜紀

「まさか紅白に出場できるとは思っていなかったので、本当にびっくりしました。本番は、いつも“やばい、緊張する”って言ったりするんですけど、言ったら負けそうだから絶対言葉に出さないぞって思って。

 でも、その緊張が伝わったのか、櫻井(翔)さんに“緊張するよね、やっぱり”って声をかけていただき、和ませてくださったんです。もう歌い終わった後は、足の震えが止まらなくて、ステージを降りた後、思わずうずくまってしまいました」

映画の内容が全然入ってこなくて……

 2019年10月、メジャーデビュー前の新人ながら映画『アナと雪の女王2』の日本版エンドソングオーディションに合格。『イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに』を圧倒的な歌唱力で歌い上げ、数々の歌番組や紅白歌合戦にまで初出場。

 この数か月でスターへの階段を一気に駆け上がった中元みずき。まだ19歳、昨年11月までスーパーでアルバイトをしていたというシンデレラガールだ。

紅白の反響はすごくて、広島の実家に住むおじいちゃんとおばあちゃんも号泣していたみたいですし、バイト先の人からも“少し前まで一緒に働いていたのがうそみたい”って連絡がきました(笑)。

 この数か月は本当に目まぐるしく、オーディションも自信は全然なかったですし、レコーディングや歌番組への出演など初体験のことばかり。“この先どうなるの?”って思いながら、怒濤(どとう)のごとく過ぎ去った感じでしたね

 映画『アナと雪の女王2』は、うれしさのあまり何度もリピート。

「4回見に行きました! 最初に見たときは“そろそろ終わりかな……”って緊張のあまり、途中から映画の内容が全然入ってこなくて自分の歌声が流れた瞬間はもう鳥肌でした。映画館で自分の歌声が流れるってないじゃないですか。4回見たので、いまはバッチリ内容が頭に入っています(笑)」

哺乳瓶をくわえたまま踊っていた

 そんな中元は、小さいころから歌うことが大好きだった。

「歌とダンスを習い始めたのは5歳のころ。保育園の園長先生が“やったほうがいいよ”ってお母さんにすすめてくれたみたいなんです。というのも、音楽が鳴ると哺乳瓶をくわえたまま踊っていたみたいで(笑)

 4歳のころは『マツケンサンバ』が大好きで、いつも歌ったり踊ったり。小学校2、3年のころには歌手になることしか頭になかったです」

中元みずき 撮影/吉岡竜紀

 夢を叶(かな)え歌手としての道を歩む中、こんなうれしいことがあったそう。

「昨年末、歌番組で小さいころから憧れていたAIさんにお会いできたんです。感激して泣きながら“AIさんをずっと目指してきました”って伝えたら、“いや、私をもう超えてるでしょう”って言ってくださり写真まで撮っていただいて。本当にうれしかったです。

 これからは、自分のライブにも挑戦したいですし、ダンスも踊れるので、新たな挑戦ができたらなと思います」

もうすぐハタチ!

「お正月、家族に初めて焼き肉をごちそうしたんです。感激してくれて、“食事がのどを通らんね”って言うので、“どんどん食べて”ってすすめていたんです。でも、結局おじいちゃんなんてビールを5本くらい飲んだりと、最後はみんな手加減なしで(笑)。喜んでくれてうれしかったですし、4月には20歳になるので、今度は一緒にお酒を飲めたらなって思います

これに癒されます♪

「広島の実家に5、6歳くらいから飼っているワンちゃんがいるんです。名前はメロディで、よく一緒に寝たり遊んだりしてました。音楽好きなのか、音が鳴るとその部屋にやってきて、しばらくすると満足して寝るんです(笑)。今度いつ会えるかなって考えるのが、いちばんの楽しみです」

なかもと・みずき 2000年4月28日生まれ。広島県出身。中学生のときにアーティストを育成するスクール『EXPG STUDIO BY LDH』に特待生で迎えられる。その後、数多くのアーティストドームツアーなどにサポート参加。2019年、『アナと雪の女王2』のエンドソング『イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに』の歌唱アーティストに抜擢、デビューを果たす