『湘南乃風』メンバー・SHOCKEYE

 スマホはもはや若者だけのものではない。昨年行われたマーケティングリサーチ会社の調査では、シニアのスマホ利用率が6割を超えたと報じられた。そう、手軽にきれいな写真が撮れ、LINEでのやりとりも楽しめる。大きな画面で文字も写真も見やすいスマホは、実はシニアにこそぴったりのアイテムなのだ!

 さて、携帯の待ち受け画面を自分のお気に入りの写真に設定するのは、ガラケー時代と変わらない楽しみ方のひとつだ。10数年前、テレビ番組『オーラの泉』をきっかけに、美輪明宏の画像を待ち受けに使うと幸運が舞い込む、という都市伝説が生まれた。あらゆる世代の男女がこぞって神々しい美輪の写真を待ち受けにし、開運を祈願した。

 この1~2年、それと同じ現象を巻き起こしている人物がいる。“歩くパワースポット”の異名を持つその人の名は、SHOCK EYE。ティーンからシニアまで、世代を超えて愛される“待ち受けのイケメン”から、そのきっかけとなった出来事を教えてもらった。

ゲッターズ飯田の鑑定でわかった驚きの“強運”ぶり

「10年ほど前、湘南乃風のメンバーの番組に出演した際に占い師のゲッターズ飯田さんに鑑定してもらったのですが、ボクのことを“今まで占ってきた何万人という人の中で1、2を争う強運の持ち主”って言ってくれたんです」

 このとき、ついたあだ名が“歩くパワースポット”だ。

「それまで自分は特別、運がいいと思ったことはないし、周りから言われたこともなかった。だから、自分がそこまでの強運だと思えなくて、なんだかすごく恥ずかしくなりました(笑)」

 このころから、彼の画像を待ち受けにすると運気が上がるという噂が生まれる。噂を耳にした俳優の平岡祐太がSHOCK EYEとのツーショットを待ち受けに設定。

「そしたらその直後、彼から“CMの仕事が決まった!”と報告があって。ただの偶然かもしれないけど、本当にそんなことが起こるなんてボク自身がいちばんビックリでした(笑)」

 彼を待ち受けにしたのちに“いいこと”があったという噂は絶えない。以前から親交のあったタレント・鈴木紗理奈はマドリード国際映画祭の主演女優賞を、俳優・菅田将暉は橋田文化財団の橋田賞を獲得したといわれており、ほかにも女優の波瑠や、Sexy Zoneの中島健人も愛用中とのことで、その活躍ぶりは待ち受けが支えているのかも!? また、芸能界のみならず、それまで湘南乃風を知らなかったような人々からも“志望校に合格した”“ジャニーズのライブチケットが取れた”“彼氏ができた”といった“いいこと報告”がSHOCK EYEのもとに届くようになったそうだ。

戸惑いから一転、“突き抜けてやる”

 しかし、いろんな人たちの待ち受け画面になるってどんな気持ち?

「最初は“えっ、オレが!?”って、戸惑いしかなかった(笑)。それまでの自分はどちらかというとリアリスト。でも“歩くパワースポット”という言葉がボクの中でだんだん大きな存在になってきて“せっかくそう呼んでもらっているなら、その言葉に恥じないようにしなきゃ。自分にできることはなんだろう”と考え始めました」

 戸惑いつつも期待に応えようとする誠実さが尊い!

「まず、今までの生活を見直して、部屋の整理整頓を心がけました。インスタグラムに寄せられた悩み相談に真剣に向き合ってみたり、時間を見つけては全国各地の神社へお参りをしに行ったり。心を整えるためにできることを日々実践しました」

 “ヒビが入った携帯画面はすぐ直す”など、ひとつひとつは小さな習慣だったが、続けていくうちに“歩くパワースポット”として突き抜けようという覚悟が生まれた。

「少し不安はあったけど、すべてポジティブに受け止めて一生懸命、取り組ませてもらおうって思いました」

インスタにあげた白蛇との写真が大人気に

 開運を祈願される存在になったわけだが、占い師でも超能力者でも聖人でもないSHOCK EYEさんにとって、“運”とはいったいどういうもの?

「ボクもいまいちわからなかったので、運気そのものについて書いてある本はもちろん、心理学、人間行動学、自己啓発本などジャンルを問わずたくさんの本を読みました。

 すると、どの本にも共通することを発見したんです。それは『ポジティブな行動とポジティブな思考に運は宿る』ということ。悪い行動やネガティブな思いの先に願いが叶う、なんてことを書いている本は1冊たりともなかった。

 これに気づいたことで、最初は自信がなかったけれど、みんながボクに期待してくれていることを自分なりにポジティブ変換することにしました。すると驚くぐらい考え方が前向きになって、それまで見ていた世界の色が少しずつ変わっていったんです

いいこと探しで毎日がハッピーに

 運を引き寄せるにはポジティブ思考が大切。とはいえ、誰もがすぐにポジティブになるのは難しいのでは?

「ボクが最近始めた習慣なんですが、朝、目が覚めたら、“今日は、必ずいいことが起きる!”って、思うこと。そして、夜寝る前に今日起きたいいことを3つ書き出す。内容は“家でゆっくりできた”“電車で座れた”なんてことでもいい。ただ“今日あった”いいことだけに注目します」

 何もなかったと思う日でも必ず3つ以上、書きだす。これを数日続けるうちに、いつしか、常にいいことを探す自分に気づいたという。

「ハードルを下げて、本当にささやかなことでもカウントする。そのうちに“午前中でもう3つ集まっちゃった”なんて日も。3つだけじゃ収まりきらなくなるんですよ」

 きわめつきは始めてから1週間くらいたった仕事帰りの夜。玄関に到着した何げない瞬間に“あー、今日も無事に帰って来られてよかった”と思えた、という。ハードルを上げすぎず、日々の中でささやかな幸せを見つけることで、自然とポジティブ思考が身につく。

「世の中、みんながみんな前向きに生きられるわけではない。でも、ボクを待ち受けにすることで“運気アップするぞ~!”ってゲン担ぎにでも使ってもらえたらうれしいですね。それがボクの役目なのかなって思います」

 ちなみに、ご自身のスマホの待ち受けは?

「ボクのスマホの待ち受けは買ったときのままの画面。ホーム画面のほうは家族の写真です。家族もボクを待ち受けにはしていない。妻は“パワースポットって言われても、調子に乗らないでね”っていうタイプなので(笑)」

そのほかの人気“待ち受け芸能人”!

■タカアンドトシのトシ

なぜかトシ単体画像が「生理痛が和らぐ」と人気に。SNSには「実際、効く」との声も

■河合奈保子

芸人・坂本ちゃんが使用して“スキャンダル知らずの幸運の女神”と有名に

■美輪明宏

元祖・待ち受けの女王といえば、このかた。金髪&黄色衣装のものが金運UPによいとされた

■マツコ・デラックス

女装姿でなくなぜか“すっぴん、丸刈り”の素顔写真にパワーがあるとか。タモリが使っていたそう

SHOCK EYE ミュージシャン。湘南乃風メンバー。『THE野党』ボーカル。1976年生まれ、神奈川県鎌倉市出身。大好評の著書『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣 』に続く第2作『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている運気アップの習慣』(ともに講談社刊)が発売中。

(取材・文/安川ヤス子)