左から、TKO木下、田村亮、ピエール瀧

 4月7日に放送された『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)で昨年、大騒動となったいわゆる「闇営業問題」で、今年1月まで謹慎処分となっていたロンドンブーツ1号2号の田村亮が、約9か月ぶりに地上波復帰出演を果たした。

「出演」とはいえ、番組内ではメインのセットでの出演者としてでなく、スタッフサイドで地べたに座り、ノートにメモを取りながらの「見学」といったかたちをとり、相方の淳や有吉弘行ら共演者にいじられながら全体の笑いを取るというものとなった。

コロナ騒動中の復帰に……

 その前日となる6日夜には、昨年3月に麻薬取締法違反容疑で逮捕された電気グルーヴのピエール瀧が自身のYouTubeアカウント『ピエール瀧 YOUR RECOMMENDATIONS』を開設。ピエールが道ゆく人に「オススメ」を聞き、そのオススメどおりに旅をするという動画を配信していくという。最初の投稿はその予告編動画で、9日にウラジオストクの街を歩く第1回目の動画が公開された。

「亮さんは1月にロンブーのトークライブで、瀧さんも映画出演の発表と電気グルーヴでのフェス出演の決定など、少しずつ活動を再開していましたが、このタイミングで多くの人が触れる機会の多い、メディア展開を開始したことは興味深いですね」

 と、ある芸能ジャーナリストは言う。

「どちらも、複数の都府県で緊急事態宣言がいつ出されるかという時期で、世間の混乱の真っ只中での新たな展開でしたからね。それを意識したかはわかりませんが、『コロナ騒動にどさくさ紛れ』とか『うやむやのうちに』と思われるのは確かです。パワハラ騒動で松竹芸能を退所したばかりのTKOの木下(隆行)さんが、5日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演し、パワハラの経緯を語ったことも、同じような印象を受ける視聴者はいたはずです」(同ジャーナリスト)

 この「コロナ復帰」と揶揄されかねないタイミングについて、

「年度の変わるタイミングでもありますし、亮さんと瀧さんに関しては、もともとこのタイミングで新たなステップにということを予定していて、それがコロナと期間的にかぶってしまったということだと思うのですが」

 と、バラエティーや情報番組を手掛ける放送作家は言う。続けて、

「コロナ騒動が続き、テレビの収録も続々と延期や中止が発表されています。先がまったく見えない収束をジッと待つよりは、いつでも本格的に復帰できるよう、一度、出ておくという判断になったのではないでしょうか」(同放送作家)

宮迫と亮の差

 瀧は映画やYouTube、ライブなど、現時点では見る人が限定されるメディアでの再始動となっている。

 いっぽうで、亮と同じく「闇営業」問題の中心人物となった宮迫博之は、いち早くYouTubeでの活動を開始したが、相変わらず批判的な声が上がり、現時点で地上波復帰も果たせていない。

 騒動後、ふたり並んで涙の謝罪会見を開いた間柄だが、宮迫と亮の“差”とは、いったい何なのだろうか。

「こういった状況の中で、世間は人間の根っこの部分の“いい人、悪い人”にますます敏感になっていると思います。亮さんは、闇営業の謝罪会見で見せた号泣する様子から、同情する人が多かった。そして、淳さんが何度も亮さんの状況をうまく笑いに変えながら報告してくれ、亮さん本人はじっとして動かなかった。そこで『いい人』イメージを保つことができたのではないでしょうか」(前出・放送作家)

 いずれにせよ、芸能人にとっては先の見えない状況がまだまだ続く可能性は十分あるため、個人でも発信できる場やメディアを持っておくほうがいい時代になってきている。コロナ騒動の間に、“旬”がすぎて消えることを避けたい芸能人も、少なからずいるだろう。

 が、このコロナ禍の中での“復帰”は慎重になったほうがいいのは間違いない。

<取材・文/渋谷恭太郎>