(写真左から)Koki,、木村拓哉、Cocomi

 木村拓哉・工藤静香夫妻の長女・Cocomiと次女・Koki,……偉大すぎる両親のもとに生まれた宿命か、2人はデビュー当初から、かなり厳しい目を向けられてきた。

 '18年にデビューを果たしたKoki,はいきなりファッション誌『ELLE JAPON』の表紙を飾り、今年3月に満を持してのお披露目となったCocomiも、同じくファッション誌の『VOUGE』で表紙を彩った。その華々しい芸能活動のスタートに対し、世間からは「コネデビューだ」と騒がれ、Cocomiに至っては「父、母、妹合わせて“二十一光”だ」とまで、散々な言われようだった。

 その背景には「SMAPの解散に工藤静香の影響があるのではないか」「娘たちのデビューも、静香が操作しているのではないか」といった憶測があり、キムタクファンから何かと目の敵にされてしまっている母・工藤静香への敵意や嫉妬の念が、そのまま娘たちにも向けられてきたように思う。

 これまでに木村・工藤ともこれらの声に対して一切の弁解をしておらず、その真偽のほどは定かではない。しかし、木村一家に対する世論は「工藤静香はキムタクと娘たちを操作している!」と一方的に決めつけ、「その娘で、しかも明らかにコネでデビューする娘たちは気にくわない」と叩き続けるものがどうしても目立っていた。

Cocomiが思う「パパのカッコいいところ」はズバリ

 そんな姉妹への風向きが変わり始めたかのようにみえた出来事……それは、突如起こった。4月14日の夕方、CocomiとKoki,がインスタグラムで自身の“今”を動画で生配信できる『インスタライブ』を初めて実施したのだ。

 撮影場所と思われるのは、木村家の台所。この日に誕生日を迎えた母・静香のためにケーキを作りながら、姉妹がとりとめもなく話す、というゆるーい内容だったが、その配信に対する視聴者の投稿は、2人への好意を示すもので埋め尽くされた。これまでの「木村一家」に対する世間の受け止め方とは、明らかに流れが変わった瞬間だった。

 インスタグラムやツイッターには、《CocomiとKoki,可愛すぎ!》《これまでどんな人かわからなかったけど親近感!》《インスタライブ見てたらめっちゃ普通の仲良し姉妹で可愛かった》など、今までの静止画ではベールに包まれ、「高貴」な存在に思えた2人が自然体でやりとりする様子にプラスの感情を抱いたコメントがあふれた。それだけ、これまでのメディアにおける2人の見せ方は、あまりにも“雲の上のセレブ感”が強かったとも言える。

 さらに、その“普通っぽさ”と“等身大の女きょうだいらしさ”でも、好感度が爆上げに。インスタライブを見た人たちからは、《キムタクの娘2人がインスタライブしてる世界線尊い...2人とも仲良くて可愛くていい子で微笑ましい》《芸能人の家庭でいろんな制限があっただろうに、愛情をいっぱい受けてのびのびと育った様子が画面から伝わってきた》《親がキムタクと工藤静香なのに飾らない感じが素敵すぎる》《あんな娘に育てたい。おっとーり大事に育てられたんだなあって感じで笑顔がかわいすぎた!!》と賞賛コメントが後をたたない。

 慣れた手つきで黙々とケーキ作りをする妹のKoki,に対し、姉のCocomiはひたすらその材料のイチゴをつまみ食いし続けるなど、意外なキャラクターが垣間見えたことも好評を博した理由のようだ。2人はさらにサービストークを繰り広げた。

 例えば《パパのカッコいいところを教えてください》というファンからの質問に対しCocomiは「……全部じゃない?」と即答。その後、「(木村が)いないよね?」と、父親がこっそり聞いていないか、照れた様子で確認する姿も。

 ほかにも、好きな漫画作品を聞かれたCocomiは目を輝かせながら「『(週刊少年)ジャンプ』系、全部好きですね! 黒バス(『黒子のバスケ』)、『ハイキュー!!』、ブラクロ(『ブラッククローバー』)、『呪術廻戦』…少女漫画系も好き」と矢継ぎ早に回答。“推し”のキャラクターについて、ニヤニヤしながら早口で語った“オタクっぷり”も、多くの人をトリコにしたようだ。

  衝撃なのは、Cocomiが回答した「好きな食べ物」が「卵かけごはんと納豆キムチご飯です!」だったことだろうか。この“庶民感”に一瞬「計算か?」と勘ぐってしまうが、横でKoki,はさらりと「マミーのごはん」と答えていたから、恐らくCocomiの回答はリアルなものだ。

 自宅からのライブ配信ということで途中、お風呂が沸いたことを知らせるメロディが聞こえてしまうハプニングも。ツイッター上では《うちとキムタクんち(お湯の沸いたときの音が)同じだ!》などと盛り上がった。また、好きなお菓子を聞かれ困ったCocomiが「マミー、私、普段好きなお菓子って何だっけ?」と問いかけ、近くにいたであろう静香が「干しイモ、ピーナッツコーヒー」と言葉を返す場面もあるなど、“あのキム様一家の日常をのぞき見した感”も、視聴者が大いに高まった要因なのだろう。

キムタクがアップした“幸せダダ漏れ写真”の反響は

 また、これまでプライベートでのツーショットはもちろん、メディアで配偶者の名前を出すことすら許されなかったという木村だが、工藤の誕生日の直前、13日午後11時半過ぎに中国版SNSの『微博(ウェイボー)』を更新。《happy birthday!!》というメッセージとともに、満面の笑みを浮かべた木村が工藤の頬を両手で挟んでいる、若かりしころの貴重なツーショット写真を投稿するなど、“ジャニーズタレント・木村拓哉”としての在り方も変わってきていることが伺えた。

木村拓哉と工藤静香の“幸せダダ漏れ”ツーショット(木村拓哉の『微博』投稿より)

  この投稿に対しては、24時間経たずして60万件を超える「いいね!」がつくなど大反響を呼んだものの、日本では賛否両論の声があがった。木村ファンであっても《理想の夫婦》《ほっこりする》《素敵すぎる》《いいぞキムタク!! こういうの待ってたよ!》という声と、《なぜ日本で発信せず中国向けの微博なのか》《見たくなかった》《SMAPの再結成はないのか……》といった落胆の声に二分されている。

 確かに、根強いファンとしては複雑な感情を抱く方も多いかもしれない。これまで「ジャニーズタレント」として見てきた側からすれば、「ご家庭なんか見たくない!」という思いもあるだろう。

 しかし、木村がかつての「アイドル」から、多くの層に受け入れられる「俳優」「タレント」を目指すのであれば……。やっかみを受けやすい超大物一家だからこそ、これを機に、芸能界で華々しく活躍する姿よりも、家族の日常やささやかな幸せを見せるスタンスに切り替えたほうが、世間一般には受け入れられるのかもしれない。

(取材・文/松本 果歩)