岡江久美子さん

「“親バカじゃなくて、もうばばバカ(笑)。いいタイミングで孫ができたの”と、娘の美帆さんに女の子の赤ちゃんが生まれた時は、それはもう嬉しそうに話していました。岡江さんにとって初孫で、その時は高齢のお母さんの介護もしていたそうですから、大変だったとは思いますが、親子4代で過ごした幸せな時間だったのかもしれないですね」(テレビ局関係者)

 4月23日、女優の岡江久美子さんが新型コロナウイルス感染症による肺炎のため他界した。63歳という若さだった。志村けんさんに続き、芸能界での新型コロナ感染による死者がまた出てしまった。

「岡江さんは昨年末に乳がんの手術を受け、今年に入ってからは放射線治療を受けていたことが事務所によって明らかにされました。志村さんも胃のポリープ除去手術を受けていたといいますし、免疫力の低下が重症化を招きやすくしているのかもしれません」(スポーツ紙記者)

 岡江さんといえば、1996年から17年間続いた『はなまるマーケット』(TBS系)で司会を務め、長らく“朝の顔”のイメージが強かった。そんな彼女は、番組終了後からの6年間、冒頭のように濃密な時間を送っていたようだ。

「自宅の隣に住むお母さんは当時で80代後半で、食事や身の回りの世話など介護が必要な状態でした。『はなまる』で“出勤”中はヘルパーさんを呼び、また夫の大和田漠さんも散歩に付き添ってくれたり、美帆さんも頻繁に来てくれたみたいです。それでも、やはり自分のお母さんですからね。岡江さんが面倒を見ることが多かったそうです。

 いま思えば、たまに単発のドラマなどの仕事で顔を合わせても、いつものやさしい笑顔を見せて大変そうなそぶりは全く見せませんでした。お母さんのことが大好きだったのでしょうし、新たに守る生命が誕生したのも、ちょうどその頃だったと思います」(前出・テレビ局関係者)

 岡江さんと大和田の娘の美帆さんが長女を出産したのが、『はなまる』が終了した翌2015年のこと。

「この頃にはお母さんは認知症を患い、老人ホームに入居していたそうです。岡江さんは、お母さんが94歳で亡くなるまでは、介護のことはほとんど話しませんでした。しかし、お孫さんができた当時は“また子育てができるの。でも、今の育児って(昔と)違うんでしょ!?”、“(両親の)どっちに似てもかわいいわよ。大きくなって一緒に旅行に行くのが今から楽しみ”と、うれしそうに話していました

やさしい笑顔の一方できびしさも

 孫をかわいがる“やさしいばあば”の一方で、意外にもきびしい一面も持っていたという。

親しいスタッフが“お孫さんと一緒に暮らさないんですか?”と聞いたら、“これからはあの子(美帆)の人生だから”と。ちょうど美帆さんが離婚してシングルマザーになった時だったと思います。もちろん、心配でしょうし、大変な時には助けになるのでしょうけども、娘が母親として自分で選んだ道だからこそ、あえて手を貸すことはなかったのではないでしょうか。それが岡江さんの“母の愛”だったのではないでしょうか」(前出・テレビ局関係者)

 岡江さんが亡くなる前夜、美帆はSNSを更新し、

《絶対かからないようにするしかないんです。うつさないようにするしかないんです。コロナ、怖いんです》
 
 と訴えていた。岡江さんの容体を知ってこその投稿だったのかもしれない。

『はなまる』が終了してからの6年間、表舞台で見かけることが少なくなった岡江さんだったが、母親や娘、孫と過ごした時間は長い女優人生と同じくらい濃いものだったのかもしれない。