竹内涼真

  5月29日、『FRIDAY』(’20年6月12日号)により、あの超人気俳優の竹内涼真と女優の三吉彩花の熱愛が発覚した。半同棲生活を送っているのだという。

 竹内といえば‘18年の年末にも『FRIDAY』で、ドラマ『陸王』で共演した吉谷彩子(「ビズリーチのCM」でおなじみ)との熱愛をスクープされている。三吉彩花に吉谷彩子……見た目も名前もパッと見、すごく似ていてビックリだ。同誌によると、竹内と吉谷は「3年間同棲してかつ、互いの両親への挨拶を済ませており、この4月まで付き合っていた」関係だという。にも関わらず、いきなりの新恋人発覚。記事につけられたタイトルは、

《結婚間近だった「ビズリーチ美女」を愛の巣から追い出し 若手注目女優と夜な夜なドライブデート いまもっとも旬なイケメン俳優は「共演者キラー」だった 竹内涼真が三吉彩花に「乗り換え半同棲」》

 である。“乗り換え”という表現だけでもすごいが、全体的にかなりインパクトのある文言である。SNSでも竹内に対する批判の声も散見されていた。

 記事中には単純に新恋人ができたというだけでなく、「吉谷が立て替えていた100万円近くの生活費を破局に乗じて踏みたおそうとした」といった衝撃の内容も記されている。しかも、それが借りた100万円をゆうに超える価格であろう“白いベンツ”に乗り込む写真とともに報じられているので、「ブレイクしすぎて倫理観が壊れてしまったんじゃないか」と心配になるほどだ。しかし、金銭トラブルに関しては事務所が事実を否定しているので真相は藪の中。

 なので、報道の正誤は別として注目したいのが『FRIDAY』による“記事の書き方“について。

 このコロナ禍のなか、竹内・三吉がほかの友人たちを含めてドライブに興じていたというくだり(これはちょっとマズくないか)はこう描写されている。

《一行は周囲に漏れ聞こえるほどの大音量で音楽を流しながら夜のドライブを楽しんだ。特に竹内は、サングラスをかけたまま激しく首を振り、ノリノリの様子だった》

 どうだろうか、文面だけみると“パリピ感”の姿が浮かんできやしないか。最近「見た目がパリピなのに実は真面目」でブレイクしているEXITの真逆、「真面目そうなイメージなのに実はパリピ」というタレントイメージガタ落ちな描かれ方だ。

 さらに、三吉と買い物を楽しんだ後に車に乗る際の描写は、《自慢の白い高級外車に乗り込んだ》と“自惚れ要素”も盛り込まれており、さらにタイトルにあるような「乗り換え」や「共演者キラー」というパワーワードも竹内の知人の証言として付されている──。

同じスクープでも媒体によって──

 かつて、「実家の庭にカブトムシが大量発生したので弟と一緒に飼い始めた」ことや、「父親と週に1回以上、時には3日続けて杯を交わす」といった好青年ぶりばかりを報じられてきた竹内だけに、今回の書かれようはダメージがデカそうだ。

 それこそ『FRIDAY』の報道がすべて本当のことだったら、なかなかの悪党なわけだが、そこに見え隠れするのは記事内容を彩る書き手の“竹内涼真、獲ったどー”の雄叫びではないか。つまり、主な読者層である男性向けに書かれた記事であるから、このような仰々しい表現になったのではないか、と。

 ここで逆に「女性週刊誌はどう報じているのか」を観察したいと思う。

 当時、“国民の彼氏”とまで冠されたブレイクしたての竹内に訪れた初ロマンスを『女性セブン』(’17年10月19日号)が報じている。お相手は当時アイドルグループのメンバーだった里々佳だが、もうタイトルからして鼻息が荒い。

《あぁ、撮れちゃった10カット!!「やっぱりいるよね」で長嘆息 スクープ! 竹内涼真 連泊愛のお相手はあのアイドル》

 自分から出向いておきながら「あぁ撮れちゃった」はないだろう。それでいて勝手に嘆いているのもどうなんだ。……しかし、これはもちろん記事を書いた本人の思いではなく、『読者である女性層の想い』を代弁していることにほかならない。つまり、いくら記者がおっさんであろうが、媒体は『“女性”セブン』であり、読者は女性を想定されているがゆえに「長嘆息」なのである。

 この女子力満載のタイトルが打たれた記事の最後は、どう考えても『FRIDAY』ではけっして描かれないであろう文言によって締められている。

《ずっと一緒の連泊愛── それぞれの所属事務所にふたりの関係を尋ねると、ともに、「友人のひとりです」という回答だった。あ〜〜〜ぁ。》

 端的にいえば、“竹内涼真、奪られたどー”といったところか。つまり、読みくらべてみてわかるのは、「同じスクープでも書かれ方が異なってくる」ということだ。もし女性週刊誌が今回の報道にタイトルをつけたなら、『竹内涼真が三吉彩花に“モテすぎエクスチェンジ”』とかになっていたかもしれない。

……私のタイトルづけのセンスのなさは棚に上げておくが、男性週刊誌のようなえげつなさは多少、軽減されていたのではないかと思われる。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉