オードリー・ヘプバーン。ミルトン・H・グリーン撮影

  '93年、100万人に1人か2人が発症するといわれる、希少ながん・腹膜偽粘液腫のため63歳でこの世を去ったオードリー・ヘプバーン。

 ブロードウェイミュージカル『ジジ』('51年)、映画『ローマの休日』('53年)をきっかけに一躍、トップスターに。スレンダーで妖精のような彼女が登場したことで、それまで、グラマラスで華やかな女性とされてきたハリウッド女優の“美の基準”が変わることになった。その後、『麗しのサブリナ』('54年)、『ティファニーで朝食を』('61年)、『マイ・フェア・レディ』('64年)など、大ヒット作を次々に残した。

内面から滲み出る
その魅力

 いまなお世代を越えて愛され続ける伝説のスター、オードリー。彼女がもっとも輝いていた'50年代、'60年代の姿を中心に、仕事とプライベートのこれまであまり世に出てこなかった写真を収録した写真集が『THE BEST OF AUDREY オードリー・ヘプバーン写真集 伝説的な美の肖像』だ。

「(写真界の巨匠)ダグラス・カークランドなど、世界的に著名な写真家6人が撮影したヘプバーンのさまざまな表情や姿を、大きなサイズ(325×285ミリ)で迫力十分に掲載しています。時代やファッション、メイクの変遷なども垣間見られて楽しめると思います

 と、編集を担当した玄光社の平山勇介さん。改めて、ヘプバーンの魅力はどんなところにあるのかを聞くと、

「彼女の魅力は語り尽くされてきたと思いますが、やはり表情の豊かさではないでしょうか。ファッションアイコンとしてだけではなく、凛々しさ、お茶目さ、か弱さ、強さ、など女性としてというよりも人間としての魅力を表情やその立ち居振る舞いから強く感じます。著名な写真家がみんな、出会った瞬間に魅了されたのは、彼女の外見的魅力だけではなく人への配慮、気遣い、プロ意識の高さなども大きかったことだと思います」

 晩年は、ユニセフ親善大使として恵まれない子どもたちのために奔走したヘプバーン。彼女の美しさは永遠に語り継がれるだろう。

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オードリー・ヘプバーン写真集
伝説的な美の肖像』
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