小笠原祐子さんと岩井志麻子さん

 81歳で衝撃のデビューを果たし、以来フランスの国営放送から取材が来るなど世界規模で注目を浴びている、世界最高齢現役AV女優の小笠原祐子さん。かたや、ヒョウ柄が好きすぎて、バラエティー番組『有吉反省会』(日本テレビ系)ではヒョウのコスプレで終始、通しているというのが作家の岩井志麻子さん。

 そんなレジェンド級のおふたりが初対面! 猛烈熟女たちは、コロナ後の弱った世間に何を期待する? じっくり話し合っていただきました!

スポーツマンの若い男の子が大好きなの

岩井:小笠原さんはひ孫さんもおられるのに81歳でAV女優デビューされ、84歳の今も現役。もう尊敬しかありません! うちの母は82歳ですが、完全なおばあちゃんで、エロの世界とは無縁。でも小笠原さんを見ていると、母も「若いイケメンと触れ合いたい」と思ったりするのかと考えたり……。妄想するのと、実際にするのとでは大違いですけど。

小笠原私はスポーツマンの若い男の子と話すのが大好きなの。夢や希望があってエネルギーをもらえる。今も近所のスポーツ部の大学生たちのお弁当を作っているし、新聞のスポーツ欄を熟読しているので話も合う。だから、どこそこが痛いとか、病気の話ばかりするオジサンには興味がないのよね(笑)。

岩井:そういえば志村けんさんもガールズバーがお好きでしたが、若い人たちからエネルギーをもらっていらしたのですね。

小笠原:若者とプライベートでしたいとは思わないけれど、AVに出るんだったら、「若くてイケメンで“大きい”子がいい」と指名したの。

岩井:そこです! 以前、60代で引退されたセクシー女優の方に理由を聞いたら、「タイプの男性じゃないとできなくなったから」とおっしゃったんです。でも、そうじゃなくて「タイプの男性をよこしなさい」という小笠原さんに、今回すごく勇気づけられました。

 私はそんなことを言ってもいいのは若い女性だけだと思いこんでいたんですよ。でも言わないと好みってわかってもらえない。自分はなにゆえに卑屈になっていたんだろう……。これからは私も「若くてイケメンで“大きい”子が好み」と宣言します(笑)。また、新しい作品に出演されるのですよね?

小笠原:この春に撮影予定だったけど、AVの撮影は濃厚接触の極みみたいなものなので、コロナの影響で延期になってしまって。秋くらいに撮影ができるといいのだけれど。84歳という年齢で出演した女優はまだいないのよ。

岩井:それは早く撮影しないと! AVの撮影が解禁されるのは、東京アラートだとステップ7くらいでしょうか? そのときは都庁もレインボーブリッジもピンク色にしてほしいですね。コロナ禍で小笠原さんの新作が撮れないのは、オリンピック中止と同じくらいの損失ですよ(笑)。80代のAV女優が活躍する国は世界で日本だけでしょう。もう一度、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”として評価されてもいいくらい!

夫の死後、第2の人生が始まった

軽快に対談が進んだ小笠原祐子さんと岩井志麻子さん

岩井:小笠原さんはずっと専業主婦で、ご主人を亡くされてから60代でスナックを始められて、81歳でAVの世界へ。ご主人と毎日、夜の営みをされていたというのは本当ですか?

小笠原:結婚するまではお互い未経験でしたから、結婚後はふたりともハマったわね。夫は京大のアメフト部出身で体力があったの。だから朝2回、夜2回の1日4回を35年間です。しなかったのはお産のときだけ。しかも大きい。だから夫が59歳でがんで亡くなったときは、「もう、この先セックスは結構」と思って、AVデビューするまでは誰ともしなかった。

岩井35年間毎日、セックスアスリートですよね。相手はご主人だけでも、何十人もの人とやってたみたいな感覚でしょう。

小笠原:そうそう。だから、夫の死後、若い男の子と飲み歩くのは楽しかったけど、したいと思わなかったわね。夫は毎日、18時半に帰ってきて、家で食事をしていたから、私は夜、外出したこともなかったんです。やきもちやきだったし。だから、夫が亡くなってからは羽目を外して、第2の人生が始まったのよ。

岩井:ご主人以外の男性との20年ぶりのセックスがAVで、本番ではすごく濡れたという事実にも驚きました。女性って年齢とともに濡れなくなって、悩んでいる人も多い。それなのに小笠原さんはローションもいらなかったそうで。

小笠原ずっと濡れ濡れ。

岩井:うらやましい! 私なんてもう、カサカサで粉ふきそうですもん(笑)。でも、恋人の局部を切ったことで有名な阿部定さんも、セックスが大好きで常に濡れ濡れだったそうです。体質なのかもしれませんね。あとはご主人がずっと憑いているのかも!

小笠原:35年間、毎日、主人のを触ってたからね。主人もあの世から私のを触っているのかも。

岩井:小笠原さんの作品はとても人気ですが、若い女性の裸より、熟女を好む男性も多いと聞いています。おじいちゃんたちからすると、孫みたいな女性には色気を感じなくて、自分と近い年齢の女性の裸を見たいのでしょうね。

小笠原:今の若い女性はみんな細いでしょ。肉付きがいいのが求められてるんですって。自分の奥さんはぶよぶよですからね。

岩井:なるほど! やせなきゃと思っている女性への励ましになりますね。

車の運転ができるうちは出演したい

岩井:お子さんは母親がAVに出ることをどう思ってらっしゃいます?

小笠原:息子はマザコンで、「ママが元気だったらいい」と何も言わない。娘は嫁いでいるので、よその家の人間と考えていて、お相手の家族を大事にすることが一番。だから私からは話してないの。

岩井:じつは私も息子と娘がいて、息子とは仲がいいんですが、娘とは疎遠で……。“嫁いだ娘は外の人間”という言葉にちょっとラクになりました……。話はそれましたが、お金に困ったとき、風俗よりもAVのほうが身体のことを考えると安心という話を聞いたことがあります。AVの出演者は性病検査をしているし、身元がわかっていますが、風俗はどこの誰が来るわからないし、病気の検査もしていないと。

小笠原:AVは即金で支払われるし、検査証明が必要で、性病がうつる心配はないからね。撮影現場も大勢スタッフがいて、風俗のように密室で行われるわけではないし。

あっという間に仲良くなった小笠原祐子さんと岩井志麻子さん

岩井:作品では、孫くらいの年齢の若い男性とやってらして。

小笠原:娘の夫、孫娘の夫と温泉旅行で、という設定もありました。

岩井:うわ~、感動! もうこの先、ひ孫の彼氏を寝取るとかもできそうですね(笑)。この仕事はいつまで続けられる予定ですか?

小笠原車の運転ができなくなるまで。運転は大好きで、撮影現場にも自分で運転していくの。

岩井:車の運転がスムーズにできることって、元気の目安になるんですね。それにしても今の80代、90代の女性ってパワフルですよね。瀬戸内寂聴さんも98歳で、ワイン飲んで、お肉食べて、インスタもされてますし。

 私より上の世代の女性って、自分の意思を持たず、男性の言うことを黙ってきくのが賢い女性みたいな育てられ方をしてますが、小笠原さんは良妻賢母だけれど、意思も哲学があって。歌手のマドンナのような強さを感じます

小笠原自分なりの生き方、考え方、プライドは持ってるし、意見もはっきり言う。だから、若い男の子たちに慕われるのかも。スナックに来ていた大学生の男の子たちは、40代になっても連絡をくれて、今も仲よしよ。彼らはよく全裸になって踊ってたから、撮影で若い男の子の裸を見てもどうってことはないの。

岩井:なんていい話! 私は“若い男の子が来て裸になるスナック経営”を将来の夢にします(笑)。今回お話をうかがって、自分はいろいろ間違っていたと気づきました。若い人とは話があわないと思っていたけれど、共通の話題をみつけて、若いエキスをもらえば元気でいられそう。

 あとは、「若くて大きくてイケメン」「死ぬまでまで濡れ濡れ」を座右の銘にしようかと。死んだときに脱脂綿いれるのが大変くらいアソコが濡れているのが目標です。

小笠原:岩井さんはまだまだ若いから大丈夫よ。

岩井:貴重なお話をありがとうございました!

PROFILE●いわい・しまこ●1964年、岡山県生まれ。少女小説家としてデビュー後、『ぼっけえ、きょうてえ』で'99年に日本ホラー小説大賞、翌年には山本周五郎賞を受賞。2002年『チャイ・コイ』で婦人公論文芸賞、『自由戀愛』で島清恋愛文学賞を受賞。著書に『現代百物語』シリーズなど。最新刊に『業苦 忌まわ昔(弐) 』(角川ホラー文庫) がある。
PROFILE●おがさわら・ゆうこ●1935年生まれ。短大卒業後に結婚し、専業主婦をしていたが、夫が59歳で他界。60代でスナックママに。2016年に81歳でAV女優デビュー。年に1~2本のペースで撮影し、世界最高齢のAV女優として注目されている。

(構成/紀和静 撮影/森田晃博)