直撃取材を受けてくれた坂上忍('20年)

 6月16日発売の『週刊女性』が報じた、昼の情報トークバラエティ番組『バイキング』(フジテレビ系)の9月末終了の衝撃情報。

 記事によると打ち切りの理由は、MCを務める坂上忍(53)によるパワハラだという。

キー局も無視できない“パワハラ”問題

 坂上の強い態度やコメンテーターへのパワハラともとれるふるまいには、かねてから疑問の声が上がっていた。

当記事は「日刊大衆」(運営:双葉社)の提供記事です

『週刊女性』では、リハーサルでやったことが坂上の一言でひっくり返るほか、2名の番組スタッフが体調不良で休職中で、パワハラによるストレスが原因だとされているという。

 制作会社関係者はこう話す。

「たしかに、坂上さんの強い態度やコメンテーターへのパワハラともとれるふるまいには、かねてから疑問の声が上がっており、CM中に周囲のスタッフが凍りつくほどの大声でフロアディレクターを怒鳴ったりすることもあったといいます。

 フジテレビ内部でも、坂上さんのキツい態度、パワハラ的な言動は実際に大きな問題になっているようです。コンプライアンスの遵守が叫ばれる昨今ですから、テレビ各局もその点にはかなりナーバスになっている。会社の姿勢が問われることでもあるため、フジテレビ上層部もパワハラ問題には真剣に取り組んでいます。

 ただ、『週刊女性』は9月末に終了するのではと報じていますが、『バイキング』は月~金の2時間生放送です。今から動いて10月からの新番組の準備をするというのは現実的ではありません。水面下で準備を進めていたとすれば分かりませんが、そうでなければ9月末に打ち切られる可能性は低いのではないでしょうか」

 数年前から視聴率低迷が続いているフジテレビにあって、芸能情報に強く、坂上の軽妙な司会ぶりが人気の『バイキング』は同時間帯でトップになる日も多い。また、坂上がMCを務めている木曜日夜9時からのバラエティ番組『直撃!シンソウ坂上』も好調で、世帯視聴率が10%を超えることもある。

コロナ禍、生き残りをかけた方向転換

 民放キー局ディレクターは話す。

実は、関係者の間では『バイキング』よりも『シンソウ坂上』のほうが打ち切りの危機に直面しているともっぱらなんです。最大の理由は、新型コロナウイルスの影響ですね。

 コロナの影響で、テレビ各局の広告収入は激減。その額は昨年までの半分や半分以下という局もあるほど。ただ、日本テレビは10年以上前から、広告スポンサーがCMを打ってくれる10~50代ぐらいまでを対象にした番組しか作らないという方針に切り替えてきていたので、なんとか凌げているといいます。一方で、テレビ朝日は高齢者向けの番組を主軸に、世帯視聴率を取りにいっています。

2020年6月、犬の散歩中の坂上忍をソーシャル・ディスタンスで直撃

 フジテレビも日本テレビにかなり後塵を拝しましたが、最近になって若者のみをターゲットにする方針に切り替えたんです」

 5月29日、フジテレビの遠藤龍之介社長は「フジテレビでは4月より『13歳~49歳の男女(弊社ではキー特性と呼びます)』の視聴率をより重視していく方針で臨んでおります」とコメントを発表している。

「この“キー特性”は、今、日テレが言っている“コアターゲット”とまったく同じものです。遠藤社長が明確に方針を打ち出した背景には、コロナ禍で外出自粛が強く言われるなか人々の消費は落ち込んでおり、スポンサー企業も多くのCMを打つ意味がなくなっていることがあります。

 いつもそうではありますが、特に今は企業も、購買層だけに効率よく届くように広告、CMを打ちたい。だから、テレビにおいては、物をあまり購入しない、子どもや高齢者だけが見る番組にCMを出したくないんです。

 逆に言えば、フジで言う“キー特性”、日テレの“コアターゲット”は消費欲があり、お金を使える層。だから、その層を狙った番組には、企業からの広告出稿が望めるんです。

 そのため、フジテレビは“キー特性向けの番組をとにかく制作しろ、そうじゃない番組は打ち切っていけ”という“大本営”を出したといいます。そこで俎上にのってくるのが『シンソウ坂上』なんです」(前出の民放キー局ディレクター)

“お台場の帝王”の不穏な未来

 同番組は、芸能界で活躍した有名人の裏側や知られざる話を掘り下げることが多いのだが、

「扱う人物、ネタの違いこそあれ、TBSの『爆報!THEフライデー』と近いと言える内容ですよね。ただ、今は特に旬でない人を取り上げる、このような番組は高齢者がメイン視聴者層で、若者は見ない。だから、『シンソウ坂上』の世帯視聴率は決して悪くはないのですが、CM枠はまったく売れないのだといいます。

坂上忍

 坂上さんがいくら局の功労者だからといって、MCが坂上さんという理由だけで番組を存続させる余裕は、今のフジテレビにはない。フジ上層部からは“9月で打ち切るように”という話が出ているといいます。

『バイキング』は『笑っていいとも!』の後継番組で月~金の帯のため、“打ち切ってどんな番組をやるんだ?”という話ですが、『シンソウ坂上』のひと枠であれば今からでも10月の改編には間に合うでしょう。

 これまでだったら、坂上さんに忖度して番組を打ち切ろうなんて話は出るはずもありませんでしたが、この未曾有の事態で、フジテレビとしても今はそんな状況にはないといいます。『バイキング』終了が噂になっていますが、それ以上に『シンソウ坂上』の打ち切りの可能性は高いのではないでしょうか」(前同)

 お台場の帝王・坂上忍の足元は大きく揺らいでいるようだ……。