新型コロナウィルスの感染者がまた増えています。この状況はしばらく続くでしょうし、今後はウィルスと共生共存していく時代になっていきますよね。婚活業界も、オンラインお見合いか対面お見合いかを選べるようになりました。
 ライターをしながら、仲人としても婚活現場に関わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えてゆく連載。今回は、今後ますます増えるであろう『オンラインお見合いで気を付けること』を記したいと思います。

オンラインお見合いで気を付けることとは?(写真はイメージです)

生活感丸出しの背景はNG

 オンラインお見合いで使われるのが、テレビ会議のできるZoomです。Zoomの場合、背景を好きな写真やバーチャル背景に変えたりできるのですが、バーチャル背景に対応できないスマホやパソコンもあり、その場合は、部屋の様子がそのまま背景になります。オンラインお見合いの場合、どんな背景が写り込むかでお相手に与える印象も大きく変わります。

 先日オンラインお見合いをした智美さん(仮名、32歳)が、終えてからこんなことを言いました。

「今日お見合いした義次さん(40歳、仮名)は、キッチンのテーブルにパソコンを設置されたのだと思うのですが、後ろに棚があって、その左側に使い込まれた鍋と醤油のボトルが見えました。頭の上にはグチャグチャの布巾がかかっていて、さらに右側には、シャケをくわえた木彫りの熊が飾られていました(笑)」

 この様子に、一気に生活感を感じたそうです。

「お話をしながら、どうも背景が気になってしまって(笑)。気取らない方なのはわかりましたが、義次さんとは今後、恋愛に発展しないと思いました。お見合いは、お見送りでお願いします」

 女性が男性に好意を抱くには、ロマンチックなきっかけ作りが必要です。初対面で生活感丸出しの様子を見てしまうと、“この男性と恋愛したい”とは思わなくなります。ありのままの自分を見せるのは、仲が深まってからです。

 逆にぎっしりと本の詰まった本棚、自慢の趣味のコレクション、南国風の観葉植物、お気に入りの絵画が写りこむ場所にパソコンやスマホを設置したら、それはその人の個性になるかもしれません。またインテリアに凝っているおしゃれな部屋なら、それを上手に背景に写りこませるのもいいかもしれません。

「そんなおしゃれな部屋には住んでいない」と言うのであれば、生活感を出さないようにするための無難な方法として、綺麗なカーテンや白壁の前にスマホやパソコンを設置して、それを背景にしてお見合いすることをお勧めします。

上半身はよそいき、
下半身は家着でのアクシデント

 オンラインお見合いは、上半身しか映りません。なので、話しながら身体を左右に振りすぎたり、姿勢が悪かったりするのは、お相手にいい印象を与えません。雅之さん(36歳、仮名)とのお見合いを終えた道子さん(35歳、仮名)が、こんなことを言いました。

「雅之さんは、話しながら身体をグラグラ揺らすんです。それがクセなのでしょうか。とても気になりました。あと、前髪を触ってばかりいました」

 前髪を触るクセがある人は、意外と多いですよね。本人は無意識でも、画面を見ているほうは気になるものです。

 あと、オンラインでは上半身しか映らないので、上半身だけきれい目のよそいきな服装にしておけばいいだろうと思っている人が多いのですが、途中で何が起こるかわからないので、上下ちゃんとした服装で臨んだほうがいいですね。

 実家暮らしの雅之さんには、こんなアクシデントが起こったようです。道子さんが、続けました。

「オンラインお見合いをしているときに、背後から、『雅之、ちょっと〜』と、部屋のドアが開く音がしたんです。彼のお母さんのようでした。慌てて後ろを振り向き、『今、話し中だから』と、ドアを閉めに行ったんです。そうしたら、上はおしゃれなジャケットスタイルだったのに、下がヨレヨレの下着のような短パンでした。画面を見ていた私はびっくり。彼も自分のとった咄嗟(とっさ)の行動で全身が映ってしまったことを知って、戻ってきたときは恥ずかしそうでした」

 Zoomには、一時的に画面を見えなくできるボタンもあるのですが、母親がドアを開けて入ってくることにびっくりして、画面を消す余裕もなく席を立ってしまったのでしょう。

 こちらの二人も、お見合い後、交際にはいたりませんでした。

画面だからこそ気をつけたいのが手で作るサイン

 仁美さん(34歳、仮名)が、康太さん(40歳、仮名)とオンラインお見合いをしたときのこと。お互いにひとり暮らしだったので、夕食をどうしているかという話題になりました。

 仁美さんが康太さんに言いました。

「仕事で疲れて帰ってくるので、夕食はなるべく簡単にできるものを作っています。栄養のバランスを考えると、野菜と肉や魚が一緒に取れるお鍋が手軽。今は、いろんな味にできる鍋スープの素を売っているので、飽きないように種類を変えているんですよ。あと、土日に簡単な煮物などを作って、小分けして冷凍しています」

 これに対して、康太さんが言いました。

「僕もなるべく自炊していますが、仕事で疲れているときは、駅前のスーパーで出来合いの弁当を買ってくることもあります。弁当を買うのは、19時過ぎに行くことにしているんです。30%引きとか安くなっているから。ただ、弁当が続くと、コレもかかるんでね」

 そう言って、親指と人差し指を丸めて、お金を表すマークを顔の前で作ったそうです。

 仁美さんは、言いました。

「私も値引きシールが貼ってあるお惣菜やお弁当を買うことがありますよ。だけど、それをお見合いで言う話なのかなって。お財布に割引券とかラーメン屋さんの“ライス大盛り無料券”とかたくさん入れている男性がいますよね。デートのときにそういうのを使われるとセコイなぁと思う。浪費家も困りますけど、お金に細かい男性って、どこか器が小さく見える。康太さんが指でお金のマークを作ったときには興ざめでした」

 もう何年も連れ添っている夫婦ならば話は別ですが、出会ったばかりの関係においては、多少、見栄を張ったり、カッコつけたりすることも大事。ケチくさいことを言ったらマイナスポイントとなります。お金をどう使うか、お金について何を話すか、そこでその人の人間性が透けて見えてしまうのです。

 これからますますオンラインお見合いも多くなっていくと思いますが、映り込む背景、服装、話題には、注意してみてくださいね。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/