3月29日に亡くなった志村けんさん('86年、『志村けんの失礼しまぁーす!』の収録の合間の様子)

 2020年も半年が過ぎ、さまざまな出来事が起こった芸能界。中でも、相次ぐ有名人たちの悲報には多くの人が涙した。“もう1度会いたい……”そんな有名人たちの在りし日の姿を、笑顔とともに綴った追悼グラフをお届けします。

大ヒット連発の国民的喜劇王
志村けんさん(享年70)/3月29日

’15年に亡くなった最愛の母・和子さんと親子ツーショット

 新型コロナウイルスによる肺炎でこの世を去った志村さん。付き人を経て、'74年4月からザ・ドリフターズのメンバーに。『8時だョ!全員集合』では東村山音頭を歌い人気者となり、その後、“アイーン”など大ヒットギャグを連発。また、'06年からは舞台『志村魂』を上演するなど、さらに理想のお笑いを追求。国民に愛された偉大な喜劇王だった。

酒とタバコが似合う“エースのジョー”
宍戸錠さん(享年86)/1月18日

’88年、長男・宍戸開と共演した映画『マイフェニックス』のロケでの1枚

  “エースのジョー”の愛称で人気を博した宍戸さん。'54年に日活ニューフェイスの第1期生で入社。'56年にほおを膨らませる手術を行うと、それがトレードマークとなり映画『渡り鳥』シリーズなどの敵役でブレイクする。晩年は'10年に妻の游子さん(享年77)に先立たれ、'13年に自宅が火災になるなど悲劇も。虚血性心疾患で自宅で亡くなった。

野球を愛し、妻を愛し続けた名伯楽
野村克也さん(享年84)/2月11日

’10年、会見中に沙知代さんが野村さんの襟を直す気遣いを

 虚血性心不全により亡くなった野村さん。野球選手時代は三冠王に輝くなど捕手として活躍。監督としてもID野球を掲げてヤクルトスワローズを3度の日本一に導くなど実績を積み重ねた。“サッチー”こと野村沙知代さん(享年85)とのおしどり夫婦も話題に。天国でも仲睦まじく一緒にいることだろう……。

清純派から大人の女性へ変身
梓みちよさん(享年76)/1月29日

梓みちよさん。’80年の取材時には髪を短くしてイメージチェンジ

  '62年に歌手デビューし'63年には『こんにちは赤ちゃん』が大ヒット。清純派歌手として注目を集めた梓さん。'74年には『二人でお酒を』であぐらをかきながら歌う姿が話題に。大人のイメージに変身し、ディナーショーなども増えていった。'71年には俳優の和田浩治と結婚したが翌年には離婚。今年1月、自宅で亡くなっているのをマネージャーが発見。

最期まで尽きなかった映画への情熱
大林宣彦さん(享年82)/4月10日

大林宣彦さん。’08年には、母親との思い出を語ってくれた

  『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の尾道三部作など、数々の名作を世に送り出した映画監督の大林さん。余命3か月と宣告されながら3年8か月、がんと闘病。最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』を完成させるなど、最期まで映像作りに情熱を燃やした。くしくも延期となった最新作の公開予定日に他界。

最期まで復帰を目指した名バイプレーヤー
志賀廣太郎さん(享年71)/4月20日

志賀廣太郎さん

 40歳を過ぎてから平田オリザが主宰する劇団『青年団』に入団。その後、ドラマ『三匹のおっさん』『半沢直樹』『とと姉ちゃん』など話題作に多数出演し、名バイプレーヤーとして活躍してきた。'19年春に脳梗塞で倒れ緊急入院、復帰に向けリハビリを続けていたが、誤嚥性肺炎により亡くなった。

日本の朝に笑顔を届けた17年半
岡江久美子さん(享年63)/4月23日

’77年、大河ドラマ『花神』で取材を受ける岡江さん

  '75年にドラマ『お美津』で女優デビュー。'91年スタートの『天までとどけ』では母親役で約8年間出演。'96年からスタートした情報番組『はなまるマーケット』では17年半もの間、朝の顔として親しまれた。夫の大和田獏とは'83年に結婚、1児の母となる。新型コロナウイルスによる肺炎で帰らぬ人に。

独特の語り口で人々を魅了
久米明さん(享年96)/4月23日

久米明さん

 心不全のため都内の病院で死去した久米さん。戦後の学生時代に演劇研究会を立ち上げ俳優の道へ。'81年には大河ドラマ『おんな太閤記』、'94年には朝ドラ『春よ、来い』などに出演する。また、洋画の吹き替えや、独特の語り口でナレーターとしても活躍。昨年まではNHKで『鶴瓶の家族に乾杯』のナレーターを務めていた。

名曲を次々と手がけた音楽界の重鎮
服部克久さん(享年83)/6月11日

服部克久さん

 テレビ草創期から番組を音楽で彩り、作編曲家として活躍した音楽界の重鎮。末期腎不全で死去した。パリ国立高等音楽院に留学後、大衆音楽の道へ。'80年、山口百恵さんの引退公演の音楽監督を。谷村新司の『昴』や柏原芳恵の『春なのに』などヒット曲のアレンジも手がける。あの『ザ・ベストテン』のテーマ曲も服部さんの作曲だった。

今年亡くなった主な有名人の方々

眞帆志ぶきさん(享年87)/3月9日
 宝塚音楽学校に首席で入学し、'52年に初舞台。'62年には雪組トップスターに上り詰め、歌手、女優として活躍した。肺炎にて死去。

宮城まり子さん(享年93)/3月21日
 歌手として'55年に『ガード下の靴みがき』が大ヒット。女優としても活躍した宮城さん。悪性リンパ腫により病院で亡くなった。

増岡弘さん(享年83)/3月21日
 『サザエさん』のマスオや、『それいけ!アンパンマン』のジャムおじさんの声でも知られる声優の増岡さん。直腸がんのため死去。

C.W.ニコルさん(享年79)/4月3日
 '62年に空手の修業のため来日。'95年には日本国籍を取得し、環境活動家としても活躍した作家のニコルさん。直腸がんで亡くなった。

佐伯チズさん(享年76)/6月5日
 美容界のカリスマで、“美肌師”として知られた美容家の佐伯さん。筋萎縮性側索硬化症(ALS)により死去した。