犬飼貴丈(左)と竜星涼(右) 撮影/吉岡竜紀

 キラキラのキャンパスライフを期待して入学した伊織と耕平が、ぶっとんだ青春を経験する“全力脱衣系”コメディー映画『ぐらんぶる』。泳げないのに半ば強制的にダイビングサークルに入部させられる伊織を演じるのが竜星涼。伊織と一緒に強制入会させられるアニメオタクの耕平を犬飼貴丈が演じる。劇中、ほぼ裸で細マッチョな肉体を披露しているふたりに、今作で大切さを痛感した洋服を着てインタビュー!

『海猿』にかわる
バディものだと思ったら…

竜星「もともとは、海を舞台にした『海猿』にかわるようなバディものを作るという話だったように思うんです。“それは、カッコいいな。挑戦したいな”というところから、ふたを開けてみたら“おっと! これは違うな”と(笑)

犬飼「僕は原作の(同名)マンガも好きで、アニメも見ていたので(笑)。この作品はテンポが命だなと思うところがありました。緩急をつけないと地獄になるなと。ただ、完成した作品を見たときに、僕が特別に意識することでもなかったかなと反省して。編集という作業ができるんですから(笑)」

竜星「僕自身は、“リアル”であることを心がけました。最初の撮影が、裸の状態で生徒に囲まれて写真を撮られるシーンだったんです。そのあと、裸のまま構内を走りまわったりして。わざとオーバーな演技をしたら見てくださる方が冷めてしまうと思ったので、リアルであることを特に意識しました。ただ、結果的に、作品では素のオーバーリアクションになっていましたけど(笑)」

犬飼竜星さんもですが、僕も撮影が始まったときからずっと裸。恥ずかしいと感じる間もなかったですね。逆に服を着ているシーンが恥ずかしくなってくる感じで(笑)」

竜星「僕なんて、生まれたままの姿で芝生の上を転がるシーンもあって。虫に刺されて大変でした。洋服の大切さを痛感しましたね(笑)

ディズニーランドで
ふたりの絆を深めた?

犬飼帰省しているときに、竜星さんから電話がかかってきたんです。“あさってあいてる? ディズニーランドに友達と行こうと思ってるんだけど”って。そう聞いたら、僕の行きたい気持ちが膨らみすぎて、予定を早めて東京に戻ってきました」

竜星犬飼くんがディズニー大好きっていうのは、映画の撮影中、ずーっと聞いていたので(笑)。ダイビング中に鼻歌で『リトル・マーメイド』の劇中歌『アンダー・ザ・シー』を歌ってたよね」

犬飼「そりゃ、歌うでしょ!」

竜星「(苦笑)。当日、来てくれたんですけど、まぁ、詳しかったです。“まず、どういうものを求めますか?”って。楽しみ方が何種類もあるんだって驚きました(笑)」

ーー好きなキャラクターは?

犬飼「それ聞きます? 難しいですね……。(くまの)プーさんかな。実写映画『プーと大人になった僕』を見てから、プーさんが好きになりました」

竜星「僕はフォーキーですね。映画『トイ・ストーリー4』でボイスキャストをやらせていただいたので」

今作でふたたびの共演
印象が変わったふたり

竜星「実は、以前、共演したことがあったんですが、それを僕が忘れていて(笑)」

犬飼「そうなんですよ。同じ作品に出演させていただいたことがありました。ただ、竜星さんはメインの配役で、僕は同級生Aみたいな役だったんです」

竜星そのときの僕の態度が悪かったんでしょ(笑)

犬飼「僕が挨拶しても、素っ気なく“ういっす”って感じで。勝手に、ちょっと高飛車なイメージを持っていたんです。もしかしたら、そのときの僕の挨拶の声が小さかっただけかもしれないんですけど。そのイメージのまま、今回の作品でお会いしたので、どうやったら仲よくなれるだろって思いながらクランクインしました

竜星「現場では、犬飼くんから仲よくしてくれた感じです」

犬飼「いやいや、そんな感じじゃないですよ!」

竜星僕のことキライだったと思うんですけど、ありがとう(笑)

犬飼「いや、キライじゃないですから! 実際にお会いしたら、すごくフランクで話しやすい方で」

竜星「いまもそうですけど、犬飼くんって、とても丁寧で、上下関係を重んじるというか、きっちりしている。そんな彼が、たまに毒を吐く瞬間が見えてくると、おもしろいなと。どちらかというと慎重になりすぎてしまう僕とは違うタイプ。芝居への向き合い方とか、彼がもつ独特の語彙というか、言い回しにすごく助けられたし、学ぶところがありました

ふたりにとって
映画『ぐらんぶる』とは?

犬飼「『ぐらんぶる』とは…………」

竜星「時間に限りがあるので、早めにお願いします(笑)」

犬飼「すみません! 僕にとっては、久しぶりに青春感を味わえたというか。学生のころにちょっとだけタイムスリップできたような感覚になれました」

竜星僕にとっては、“裸祭り”です(笑)

犬飼「たしかに(笑)」

竜星「僕も犬飼くんと同じで、(撮影した)去年ほどの夏は当分味わえないんじゃないかと思うくらい濃厚で、本当に楽しい時間でした。ふたたびの青春という感じで、みんなで花火をしたり、流れ星を見たり、いろいろ経験しましたね。

 ロケ地の沖縄から帰る途中の飛行機の中で森山直太朗さんの『夏の終わり』を聴いてしまったくらい、“さびしくなるな”というか、“終わってしまうのか”って感じさせてくれた。それが、画面に出ていると思うので、その楽しさを味わってください!」

映画『ぐらんぶる』
8月7日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画

映画『ぐらんぶる』
(C)井上堅二・吉岡公威/講談社
(C)2020 映画「ぐらんぶる」製作委員会

ヘアメイク/竜星:TAKAI、犬飼:加藤ゆい(フリンジ)
スタイリスト/竜星:山本隆司、犬飼:秋山貴紀