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「家計を切り詰めているのに、なぜか貯まらない……」というアナタ。それは“財布”に原因があるんです! FP、心理学の専門家、カリスマ節約主婦の3人に、“貯まる財布”の共通点を聞きました。

信じる力が、財布に影響を与える

 “赤い財布だと、お金が貯まらなくなる”なんて話を聞くけど、財布の色の違いで影響があるの?

財布の色自体にお金の出入りを左右する力はありません。でも、あなたが“赤はお金が貯まらないって言うよね? ”と少しでも思っているなら、赤い財布は一気にマイナスになりえます。これを心理学では“プラシーボ効果”と言いますが、例えば、なんの効果もない偽薬を本物の薬と思って飲むと、薬の効果が得られることは実験でも証明されています。つまり、信じる力が、現実に影響を与えることがあるのです

 そう話すのは、“売れる”を心理学的に紐解くビジネス心理学の専門家・岸正龍さん。“思い込み”の力は散財も引き起こす

レシートなどで財布がパンパンの人は要注意。現金が入っていなくても、脳は“財布にお金がいっぱい”と勘違いして、大盤振る舞いしたくなる傾向があります。これを心理学では“受動意識仮説”と言い、同じ量でも小さいお茶碗で食べると満足感を得られるのと同じ原理です。レシートなどを財布に入れる行為は、財布に“入りがあった(お金が入った)”という錯覚を起こして、出費につながりやすくなるので、減らしたほうがいいですね」(岸さん)

“貯まる”財布の基本は

 レシートのため込みには、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんも難色を示す。

1週間以上、入れっぱなしの人は、お金の整理ができていない証拠です。レシートや医療費の領収書は、家に帰ってすぐにクリアファイルなどで保管を。それに手あたり次第ポイントカードを持っているのもNG。買い物の増加につながるケースもあるからです。“あの店のポイントカード、持っていたかな?”と少しでも迷うカードは、不要なものと割り切りましょう。お金が貯まる人のお財布はとにかくスッキリ。お財布の整理は家計の整理につながっていると考えます」(西山さん)

 ほかにも、お金が貯まる人の財布には共通点が!

「計画立ててお金を使っていれば、必要なとき以外、財布の中に常に銀行のキャッシュカードを入れる必要はありません。お金が貯まる人の財布にあるカードは、クレジットカードも2枚だけに絞る人が多いです」(西山さん)

 “コンパクト”“自分で買ったもの”などの共通点も

以前は整理しやすい長財布が注目されていましたが、キャッシュレス化が進み、最近はミニ財布の注目が高まっています。使うべきカードなどが絞れますし、スッキリしやすいのがポイントです。また、お金が貯まる人は、いろいろな財布を見て、使いやすいものを厳選して購入していることが多い。何でもきちんと考えて購入する習慣があらわれています」(西山さん)

 貯まる財布は、スッキリ&使いやすいが基本だが、プラスしておきたいものも

貯蓄の目標としているものの写真などを入れるといいですね。例えば、旅行先の写真や車など。人を動かすために、視覚情報はとても有効ですから、節約行動に向かいやすくなります」(岸さん)

ストレスや不安を感じるとムダ買いをすることが多くなるので、お守りなど自分の心の平穏を保てるものを入れるのも手です」(西山さん)

 お金を貯めたいなら、まずは財布のチェンジを。毎日、使うものを変えれば、お金への意識改革が起こる!

お金のプロ公認! 大富豪財布の作り方

●1.財布は自分で買う

 思い入れのある財布を大事に長く使うことで、その中に入っているお金も大切にできる。「頻繁に買い替える人は、お金への思いが薄く、貯蓄への気合を入れても貯まらないという人が多いです」(西山さん)

2.折り財布は貯まらない!

財布の膨らみは“お金が入っている”と錯覚を起こしやすいんです。折ることで厚みが増す折り財布は危険です」(岸さん)。たくさん入る長財布も要注意。ミニ財布で必要最小限に整理を!

3.“赤は浪費家”と思うならダメ

「“赤はダメ”という思い込みが現実に影響を与える“プラシーボ効果”で、お金が貯まらない財布になってしまいます」(岸さん)。カラーや柄は、プラスイメージのあるものをチョイスすべき

4.お札は向きをそろえてIN

お札は表裏・上下をキッチリとそろえて“お札をしまうべき場所(狭いほうがいい)”に丁寧に入れましょう。少し面倒ですが、お金は大切なものと脳に意識づけし、出費を抑制します」(岸さん)

5.家に帰ったらレシートは出す

 頻繁に毎日取り出して確認を。「レシートを受け取らないか、すぐに捨てる人は“あまり買い物をしていないのに、なぜかお金がない”と悩んでいる人が多いです」(西山さん)

6.クレジットカードは2枚程度まで

クレジットカードが多すぎると買い物も増え、明細のチェックも怠りがちになり、おすすめできません」(西山さん)。キャッシュレスメインの人は家計管理アプリと紐づけて入出金の把握を。

7.キャッシュカードは持たない!

「いつも財布にキャッシュカードを入れて、頻繁に下ろしている人は、出費が無計画だという証」(西山さん)。“いつでも下ろせる”は、不要な出費を招き、手数料でも損している可能性大!

8.貯蓄の目標を視覚化する!

欲しいものなどの写真を入れて視覚的に訴えることで、ムダな出費を抑えるなど、目標達成へ向けての心理が働きます」(岸さん)。心が安らぐお守りなども衝動買い抑制に効果あり。

教えてくれたのは……

 岸正龍さん
ビジネス心理コンサルタント。日本マインドリーディング協会理事。眼鏡デザイナーとしても活躍。著書に『一瞬で印象を操る ズルい話し方 相手の脳にこびりつくコミュニケーション術』(きずな出版)ほか
西山美紀さん
ファイナンシャルプランナー。マネーコラムニスト。単に貯蓄額だけを増やすのではなく、うるおいのある生活と貯蓄との両立法を発信。雑誌などでの執筆や講演活動を行う。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)

インスタフォロワー14万人!
カリスマ節約主婦・ゆきこさんの、1000万円貯まったリアル財布を公開

貯まる! 財布の中身
□クレジットカードは1枚に厳選
□レシートは1日分しか入れない
□ポイントカードは別のケースに
□現金は万が一のために少額のみ

必要最小限のものしか“入らない”ミニ財布がお気に入り。持ち歩きも便利

「浪費家で、貯金もまったくなかったころは、長財布を使用。カードもレシートも“入るだけ”詰め込んでいました(笑)」

 そう話すのは、カリスマ節約主婦のゆきこさん。ポイントカードは多すぎてポイントが分散して非効率だったり、有効期限が切れていたりすることが多かった。

でも、小さい財布にして、入れるものを本当に必要なものに厳選。クレカは楽天カードのみにして、ポイントを一極集中。すると、効率よく貯まるようになりました

 小さい財布ならレシートをため込めないので、“毎日、財布から出して専用のレシート袋に入れる→週末に家計簿をつける”という家計管理のリズムも生まれた

「毎日、財布からレシートを出すと1日の出費が肌感覚でわかって、買い物頻度の減少につながっています」

ゆきこさん
夫と2人の娘の4人家族のワーママ。貯金0円で結婚。長女出産を機に、家計改善に着手し、5年間で1000万円の貯蓄に成功。無理せず節約生活を楽しむをインスタ(@yuco55_)で発信すると主婦たちが共感。著書『貯金0円からのゆきこの貯まる生活』はベストセラー。