2016年、空港で山下智久を直撃

「8月7日に『文春オンライン』が報じた、山下智久さんの未成年との飲酒、“お持ち帰り”報道ですが、17日にジャニーズ事務所が処分を正式発表した途端、翌日には各局のワイドショーがこぞって騒動の詳細を取り上げました。でも、放送に違和感を持った視聴者も多かったのでは?」(芸能レポーター)

 山下智久は「一定期間の活動自粛」、同席していたKAT-TUN亀梨和也には「厳重注意」。これがジャニーズが下した処分だ。未成年女性を含む飲み会に同席したふたりだが、その扱いに明らかな“差”があったのだが、これに対する説明はなかった。

「文春報道では、飲み会を早々に切り上げた亀梨に対し、山下は17歳の女子高生モデルとホテルで合流して8時間を過ごした、とありました。しかし今回、ジャニーズの説明にはこの“お持ち帰り”については触れられていませんでした」(スポーツ紙芸能デスク)

 さらに奇妙だったのが翌18日、この件を扱った各局の情報番組やワイドショーだ。現役のトップアイドルのスキャンダルは“おいしいネタ”のはず。当然、特集を組み、たっぷり時間を割いて、高級ホテルでの詳細にも言及すると思いきや……。

各番組がこぞって“女性側が年齢を偽った”“店が年齢確認を怠った”と、未成年の飲酒問題と称して取り上げ、山下は“ウソをつかれた”などと擁護するような構成が目立ちました。

 そして共通していたのが、処分の差とされた“お持ち帰り”疑惑が全くと言っていいほどに扱われなかったこと。中には“触れないわけにはいかない”とばかりに食い込む猛者もいたのですが(苦笑)」(前出・スポーツ紙芸能デスク)

各局は“山下騒動”をどう扱ったかを振り返る

・日本テレビ系

 8月18日の各局の放送を振り返ってみると、日本テレビ系の『スッキリ』ではMCのハリセンボン近藤春菜が、

《(年齢を嘘つかれたら)これは“どうしようもないな”って思う。店が身分証の提示を徹底するしかない》

 山下ではなく、店側がもっと注意を払うべきと指摘するなど、番組は終始飲酒問題を展開。すると、コメンテーターの高橋真麻が、

《山下さんと亀梨さんの処分が違うってところは、この差はなんだろうってちょっと不思議に思っているところはある》

 と勇気ある(?)疑問を投げかけると、MCの加藤浩次が「待ってました」とばかりに《山下さんはその後にホテルなどに行っていた。(山下と亀梨の処分の差は)そこの部分だと思います》と、即答。続けて、

《店が(年齢確認を)やってないから“俺らは関係ないよ”ってことではない。会話も長い時間しているし、そこで(未成年と)分かることに気付けなかった責任はちょっとある》と初めて、山下に苦言を呈したのだった。

 同じく日テレ系の『情報ライブ ミヤネ屋』。いつもは舌鋒鋭く切り込む司会の宮根誠司は《相手に“年齢を確認させてください”というのは難しい》と擁護側に。

・TBS系

 TBS系では、『グッとラック!』の立川志らくが《その女子高生を誰が連れてきたのか。連れてきた人の責任はある》と、責任は別のところにあるとすれば、

《山Pと亀が(相手の年齢を)わかってたんじゃないかっておっしゃってましけど、本当に絶対にわかってなかったと思う。店にも本人にも聞いたと思う。そんな2人じゃない!》

 山下らと親交があるという上地雄輔が友情の代弁。唯一、『2ちゃんねる』創始者の“ひろゆき”こと西村博之氏だけが、

《未成年とホテルに行ったのだとすると、これは都の条例違反なので、飲酒どうこうじゃなくて法に触れる可能性があるので、謹慎で済んでむしろどうなのかな。ジャニーズ事務所、そういうことで契約解除になった人もいるじゃないですか》

 冷静に「問題はホテル」と分析するも、周囲の反応がないまま終わってしまった。

 続く『ひるおび!』(TBS系)では、夏休み中の恵俊彰に代わって司会を務めた国際弁護士の八代英輝氏が奮闘する。

 経緯を解説する同局の稲垣吉昭芸能デスクに《一部報道ではホテルに泊まったと言われていますが?》と確認するも、稲垣氏は《そこは確認できていないんです》と回答。

 それでも納得いかない表情の八代氏は《未成年者が関係している飲酒の問題であったり、深夜に連れ回している、もしかしたらホテルに一緒に投宿した可能性もありますが》と、コメンテーターの政治アナリストの伊藤惇夫氏に求めると、

《明らかになってない一つは、ホテルうんぬんのところだと思うんですね。その辺は、これからジャニーズ事務所がきちっと事後報告でもいいから、(調査や報告なり)何かしてくるのかどうか》という伊藤氏の答えに、うなづいた八代氏だった。

「コロナ禍での出会いの場だった」

・フジテレビ系

 フジテレビ系の番組では、特にMCや司会者の擁護ぶりが目についた。まずは『とくダネ!』コメンテータの国際政治学者・三浦瑠麗氏は、

《不当に長い期間休ませるのは厳しすぎる。コロナ禍に新しいガールフレンドに出会うのは禁止なんですか。新しい出会いは禁止、今まで付き合っていた人としかあってはいけませんとなる。ちょっとバカらしくてお話にならない》

 山下への処分は厳しいとし、尚且つ今回の飲食の席を“出会い”とする持論を展開。

 MCの小倉智昭も続いて《処分は厳しい》と話すが、これに対して2017年に未成年女性と不適切な関係を持った「狩野英孝とほぼ同じ状況」と例に挙げたカズレーザー。狩野は半年間活動を自粛したことから、山下の処分は特別厳しいものではないと指摘するが、

《まあ、お笑いとアイドルとの立ち位置がかなり違うというのがあるかもわからないね》と、狩野と山下では立場が違うとする小倉に、カズレーザーは《芸能界のヒエラルキーの話ですか。そこなんですか? 結局》と、呆れるしかなかった。

 お昼の『バイキング』も《徹底深掘り》と特集しながらも、MCの坂上忍は周囲に話を振るばかりで、《“免許証見せて”というのは、なかなか言いづらい》と相手の年齢を聞く難しさに話題を変えていく。

 出演者のヒロミに至っては、《若い子ならともかく、エース級(の山下)がこういったことをやったときに処分を下す、というのは、ちゃんとやらなきゃダメだと彼(タッキー)は思っている》と、滝沢秀明副社長の英断を持ち上げる始末。

 歯切れの悪い進行をする坂上だったが、自身から切り出せない状況にあったのだろうか。ついに、山下と亀梨の処分の差を『FRIDAYデジタル』芸能デスクの荒木田範文氏に訪ねて、《強弱をつけたのが、その後、山下さんがホテルへ行って会っていたことが報じられたことだと思います》と引き出したのは、番組MCの意地か。

『直撃LIVE グッディ!』メインキャスターの安藤優子は《一番のポイントは(店側が)未成年かどうかを知らなかったのか、確認したのかどうか》と断言。さらには《山下さんはものすごく清廉というか、神々しいまでに清々しいイメージがある。だから、(処分に)そのギャップもあるような気がします》と清々しいほどの擁護ぶりだった。

・テレビ朝日系

 テレビ朝日系列の番組ではさらに驚くべきことが起きていた。同日朝の『グッド! モーニング』では、

「山下と亀梨の“処分の差”に焦点を当てて、“ホテル”問題もしっかり取り上げていたのです。ところが、続く同局の『モーニングショー』、『ワイド! スクランブル』では、山下の件にいっさい触れることすらしなかったのです。この異様な構成をどう捉えるべきか(苦笑)」(前出・スポーツ紙芸能デスク)

 各局の番組の目立った発言をピックアップしたが、総じて「未成年とホテル宿泊」疑惑から「未成年の飲酒」問題に“すり替えられて”いるように思える放送内容ばかりだった。やはり、各局のジャニーズへの“忖度”が働き、山下の“お持ち帰りはなかった”ことにされているのだろうか。

山下にとっての「不幸中の幸い」とは

 芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は「多少の“忖度”もあるのでしょうが」としながらも、別の事情があるとも解説する。

実際に“ホテル内で起きたこと”は当人たちにしかわからないこと。そして女性は山Pに無理やり連れこまれたわけではなく、自らの足で向かい、そもそも年齢を偽って近づいたという後ろめたさもあると思います。今回の騒動では彼女自身の“生の声”がなく、そこは山Pにとって不幸中の幸いといいましょうか、文春報道でも“肉体関係”の有無は明確にされていないのです」

 今回、ジャニーズが発表した山下と亀梨の処分は、“未成年と飲食の場にいた”“コロナ禍における不適切な行動”の2点に対してで、“お持ち帰り”への処分はおろか、“行為”自体に全く触れていない。

「仮に未成年女性と“行為”をしていたとすれば、これは都の条例に反するかもしれない恐れがあります。そのため、現時点で山Pを“容疑者扱い”することはできず、“グレー”である以上、各局は慎重に扱わざるを得ないのだと思います。例えば山口達也の事件のように、女性側が被害を訴えて警察が介入していたとすればもっと踏み込んで報道していたことでしょう」(佐々木氏)

 確かに2018年2月、元TOKIOメンバーの山口達也は未成年への強制わいせつ容疑で書類送検されている。その昔、2006年に同じく未成年女性に性的暴行を働いた極楽とんぼの山本圭壱も、相手側に被害届を出されている。

「2017年1月に狩野英孝、同年6月には小出恵介がそれぞれ未成年との淫行疑惑を報じられた際には、直撃取材に対して自ら認めたり、また“被害者”から行為をバラされた経緯があります。

 しかし、今回の騒動では山下本人が“お持ち帰り”を認めたわけではなく、女性がホテルでの出来事を語っているわけでもない。現在、マスコミの後追い取材は女性サイドに向いていると言われています。仮に女性本人が口を開くようなことがあれば、山下は今度こそピンチに陥るかもしれません」(前出・スポーツ紙芸能デスク)

 現在、水面下ではどんな動きがあるのだろうか。